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【起業ノウハウ】一戸建て賃貸業⒀終章

 本編及び続編の読破、お疲れさまでした。
 親愛なる読者へ、最後に私のメッセージをお伝えいたします。


一戸建て賃貸を推す理由

 賃貸不動産経営管理士として、あらためて申し上げます。
 一戸建て賃貸を業とするビジネスモデルを広めることで、空き家が減り、世帯の方が納得して居住し、オーナーが安定的な収入を得ると確信します。

 私が、本編及び続編において申し上げた項目5点をおさらいしました。
①4LDK以上の賃貸物件は僅少であるため、過当競争がないこと。
②空き家問題を背景としているため、相続物件の取得がしやすいこと。
③世帯を対象としているため、20年後の人口減少社会でも需要があること。
④自前で施工するため、安価で良質な賃貸物件となること。
⑤収益還元率20%を達成できるため、リスクに強い耐性があること。

偽預言者に警戒せよ

 2千年前「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。」とマタイという人が書き残しています。
 その2千年後。
 インターネットにおいて、一戸建て賃貸というビジネスモデルが、にわかに取り上げられていることに、私は警戒しているとお伝えいたしたい。
 いくつも拝見しましたが「それら」は共通して、私の提唱する事業形態とは全く異なるので対比してみました。

①借主の事情を無視しているので、僻地の物件を取り扱うこと。
 供給側の一方的な提案は、貸主の都合の羅列であり、借主の事情を何も汲んでいない。
 大家の「こだわり」なんて、需要側の視点を欠いた屁理屈に過ぎない。
 店子の「こういうのでいいんだよ」という相対概念がなく、居住環境の悪い不便な僻地の物件を提示しても、賃貸物件を居住者の立場で考えていないから、残念ながらマッチングに至ることは困難。
②改築融資を前提としているので、返済期間を10年としていること。
 
返済金比率が40%を超えてしまうため、キャッシュフローが悪い。
 オーナーは10年間ローンの低金利に思考停止しているので、探せば20年間ローンもあるのに、自ら探し求め門を叩こうとしない。
 さらに、ヤバいコンサルタントは、ノンバンク系や信販系のローンを抱き合わせで斡旋するものの、収支計算における返済比率の高さを誤魔化す。
③人口減少を考慮していないので、過疎地域にて物件開発すること。
 過疎地域の有効需要は逓減することが明白にもかかわらず、需要が続くという前提で25年以上のビジネスモデルに投資するのは間違っている。
 経営学の初歩であるプロダクトポートフォリオマネジメントをあてはめると、過疎地域において事業環境すなわち市場成長は停滞するものと評価されるため。
④資格を創作し権威があるように装うので、修理工事をすべて外注させること。
 
これこそが偽預言者の目的である。
 甘言に乗って楽をすれば、結果、オーナーの取得価額が過剰となるので、収益還元率の低いスタートとなってしまう。
 そのシワ寄せとして月額家賃の見込みを高くするから、貸主の都合丸出しとなり、借主の事情にそぐわずミスマッチに嵌る。
 収支の組み立て方は、サブリース物件にとてもよく似ていおり、顰に倣う。
⑤リスクを見込んでいないので、収益還元率を1桁台で計算していること。
 
収益還元率1桁台、かつ、借入金返済比率40%超の場合、空きリスクに耐性がない。
 帳簿上利益が出ていても、なぜか返済資金に窮するというピンチに陥る訳は、キャッシュインがなく、キャッシュアウトだけ発生するから。

ラストメッセージ

 偽預言者の①~⑤は、私の提唱しているビジネスモデル①~⑤及びリメンド(reMend)とは、まったく正反対であると明記しておきます。
 本編と続編において、それら反証を記述していますので、斜め読みされていても、どうして懸念しているのかを半分以上ご理解いただけたと存じます。
 読者の皆様へ、起業するからには成功してほしい、逆をやって失敗してほしくないと祈念し、あえて最後に私の危惧を表現してみました。

私の記事は読みきり

 ネットの起業ページを拝見すると、いいことを書いていても、結局はコンサルに誘導しようとするパターンが散見されます。
 百歩譲って前向きにとらえますと、慣れない起業者に助け船を出すとも受け取れるでしょう。
 しかし、「私の記事」は本の切れ端のようなもので、いわんやネットの漂流物に過ぎません。起業者への応援メッセージというコンセプトは明確にあるものの、まったくの読みきりです。
 言い方を変えると、本編7回及び続編13回の合計20回の連載は、1冊の古本のようなものです。
 手に取っていただき本当にありがとうございました。

本編7回を最初から読む一戸建て賃貸のススメ(その1)
続編13回を最初から読む
一戸建て賃貸業⑴地域の選定
 すべての記事を無料としていますが「書き下ろし」なので転用はご遠慮ください。

夢を追え、希望を捨てるな

 旧光栄「大航海時代」というシミュレーションゲームがありました。
 古い古い作品で復刻版が発売されているものの、どなたも御存じないと思います。
 その冒頭、父親の船団がインド貿易へ出帆後に、難所ボジャドール岬で遭難するシーンがあり、生き残った老航海士が父親の絶筆を携えて主人公のもとに辿り着くのです。
 潮に濡れた紙片から読み取れたのは「夢を追え、希望を捨てるな」という一言だけでした。しかし、主人公はこの言葉をキッカケに立ち直り、老航海士と二人で船出していく、という冒険物語です。
 ツカミが長くて申し訳ありません。
 私もまた、この言葉を口にして、自分で自分を励ましてきたとお伝えしたかっただけなのです。

欲望と執念

 週刊少年ジャンプ「北斗の拳」という漫画がありました。
 後半部分がよく知られていますが、私の書評では1~2巻で完結した物語となっています。
 宿敵シンが、うら若いケンシロウに放った言葉が忘れられません。
 「おまえとおれには致命的な違いがある。それは欲望、執念だ!」
 そして「欲望こそが強さにつながる。おまえにはそれがない!」

 古い漫画のセリフを持ち出すのは忸怩たる想いですが、やはり起業には「欲望と執念」が必要であると考えられます。
 私は「欲望と執念は人間の能力を飛躍的に伸ばす」と、自らの経験を振り返り思案していますので・・・。

 起業者が、一戸建て賃貸というテーマを見つけたなら、自己能力を伸ばし、追い続けてほしいと願って筆を進めてきた所以なのです。

リメンド(reMend)編予告

 リメンド(reMend)を、私は提唱していますが、家屋の修理とは膨大な情報処理であり、本編第5回で修理方針を説明しているものの、うまく伝わらなかったのではないか、と思いました。
 一戸建て賃貸ビジネスにとって、リメンド(reMend)バイタルパートとなる技術ですので、もっと丁寧な情報開示が必要ではないか、とも思いました。

 そこで、私の物件のBefore&Afterを写真付きで解説すれば、修理必須のもの、放置できるもの、どの程度の施工で済むのか等のノウハウが理解してもらえるものと考えた次第です。
 私が困りつつ施工していくノンフィクションなので面白く読んでもらえるとも思いました。
 あいにく、Berore写真はあまり撮影してこなかったのですが、なんとか記事にしてみますので、お時間をいただくことをご寛恕ください。

リメンド(reMend)編は、エッセイマンガとして掲載中!


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賃貸不動産経営管理士HK
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