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【起業ハウツー】一戸建て賃貸のススメ(その7)

 一戸建て賃貸を5項目に細分化し、項目ごとにお伝えします。
 本編の最後は、私の生業のありようを記しました。


一戸建て賃貸の定義

 一戸建て賃貸について、私の定義は5項目あります。
①相続物件を購入し、
②建物の3要素である躯体・電気・設備を点検のうえ、
③新規居住者が気になるであろう箇所を、
④補修または交換する自前施工を行い、
⑤空き家を一戸建て賃貸とする。
 本稿では⑤一戸建て賃貸について記します。

不動産賃貸業の許認可

 関係法令上、「仲介業者」は登録制、「管理業者」は管理戸数200以上で登録必須となっていますが、「賃貸業者」は登録する機関はありません。
 許認可ではないものの、不動産賃貸業を開始した場合、個人事業者の開業等届出書等を税務署に提出する必要があります。
 まだあるのかも知れませんが、開始前の規制や届出義務は、ほぼないと整理しました。

ありきたりの賃貸業者

 ここで、ありきたりの賃貸業者を紐解いてみます。
 賃貸物件を新築し、資金調達はすべて銀行融資、金利は2~4%、返済期間は35年、仲介業務は専門会社まかせで手数料1月分、管理業務は専門会社まかせで手数料5%、そして収益還元率5~10%というような諸元です。
 似たような業者は数多いるものの、少子高齢化に対し、満室を何年維持できるのでしょうか。言い換えると、これからも空室を発生させないでやっていけるのでしょうか。

 国立社会保障・人口問題研究所が発表している「総人口および指数」にあります、令和2年(2020年)を100とした場合の将来推計人口(DL)を基礎数値とした場合、5年おきに5%の人口減少が想定されています。
 人口減少に伴う賃貸不動産経営ついて、問題意識を持ち、強い危機感を抱いているのでしょうか。
 ぶっちゃけわかりません!

自前で募集し契約する

 いざ仲介業者に募集を出すと、掲載まで時間がかかり、成約までさらに日数がかかります。仲介手数料も怪しく宅建法46条に疑義が生じますし、管理させてほしいとも言われます。ありきたりな大家と思われるのも残念です。

 さて、世帯の方が引越し先を選ぶときには、まず家賃、つぎに間取り、そして立地が前提となり、内覧の時点で、引越し先は絞り込まれていると思われます。もちろん多少のブレはあるでしょうけども、その3点こそ引越しする理由の上位にあたるためです。北海道の場合、駐車場が不可欠なほか、屋根の落雪が周りの迷惑にならないような手当ても必要です。

 そのような世帯の方に寄り添うため、私は戦略的に「職業で逆絞り込み」をいたしました。
 さらに戦術的に、特定の施設へ自前パンフレットを持ち込み、⑴BCPに貢献できる徒歩圏内、⑵初期費用ゼロ保証会社不要、⑶フリーレント、の3点を謳い、成約に至りました。
 施設の規模によっては転勤があり、数年内の退去が予想されますが、次の居住者へ紹介してくれることも期待できるでしょう。なお、賃貸借契約書も、定型様式により自前で作成しました。

管理業務も自前でやる

 賃貸物件の管理業務は、⑴入居者管理、⑵建物管理、⑶金銭管理、の3種類に大別されます。
 これらを管理業者に任せてしまうと、月額家賃の5%が手数料として支出されてしまうので、自前で管理することをおすすめします。
 問題点は、管理業者によって対応がまちまちなところにあり、手数料の価値があるのかわからないためです。特に、入金がない場合の催促対応にバラツキが見られ、すぐに電話しないようでは任せられません。
 あとで腹を立ててケンカするよりは、最初から自分で管理したほうが落ち着くのではないかと、私は思いました。

まとめ

 本稿では、仲介業者まかせは消極的でコストがかかるとして、私自身で斡旋をした物件を記して、賃貸借契約すなわちリーシングに着目した記事となりました。
 私のパンフレットには借主が有利な賃貸条件がテンコ盛りで、敷金礼金なし、保証会社なし、損保負担なし、管理費無料、鍵交換無料、照明暖房設置済み、光回線買取保証、中途解約無料、現状回復も緩いことがアピールされています。
 これらは、ありきたりな賃貸物件の真逆を極めているでしょう。

お礼

 読者の皆様、その1~7を通しで読んでいただき、ありがとうございました。私のやっている生業をありのまま記してみたものの、一戸建て賃貸を少しでもご理解いただけたなら、大変うれしく存じます。

 商売で成功する秘訣は、需要のあるところへ財サービスを供給することにほかなりません。
 あらゆる業種業態に共通するコツにもかかわらず、大半の起業者が供給側の屁理屈にこだわって動き、需要をあてられず、そして失敗します。
 その失敗を一戸建て賃貸にあてはめてみると、せっかく家屋をリメンド(reMend)し、賃貸募集しても、借主とマッチングしないと商売になりません。
 しかし、一戸建て賃貸は、需要が大で、供給が極小という不均衡状態にあり、今後20年間は続きます。
 ちょっとぐらい自前施工がイケてなくとも、需給曲線における需要バイアスが働き、リーシングに繋がることがお伝えできたと存じます。

最初から本編を読む【起業ハウツー】一戸建て賃貸のススメ(その1)

続編予告

 続編は、一戸建て賃貸業「ノウハウ」を連載していきます。
 かなり踏み込んだ内容とするため、取材や資料構成に時間がかかることをご寛恕ください。さらに長文にもなります。
 そして、起業しようとする気概のある方に読んでいただくため、有料記事とさせていただき、お金を払ってまで読む価値のある情報になるよう努めますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

続編「一戸建て賃貸業ノウハウ」

 ⑴地域の選定、⑵調査手法、⑶収支計算、⑷資金調達、⑸接触交渉、⑹法律改正、⑺仲介物件の売買契約、⑻相続不動産の目利き、⑼直接売買の作成書類、⑽修理計画と業者手配、⑾自前工事、⑿募集案内及び管理業務、⒀終章と、実務の順で書いていきます。
 なお、私の記事は、関与税理士がすべての記載内容をチェックしていることを申し添えます。

続編【一戸建て賃貸業】ノウハウ⑴地域の選定

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