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デザイン思考とは

1. 定義

・要するに「自社中心」ではなく「顧客志向」で問題発見、解決を図る
インタビュー、観察、試作などで仮説と検証を繰り返して開発する。
多くのユーザーに支持される商品の開発につながる
・評価制度や企業文化に組み込むことも大事
・個人的にはマーケットイン(market in)と似た概念と捉えました

2. 導入にあたっての難しさ、所見

・デザイン思考≒顧客ニーズで商品を作るというのは、ある種当たり前に聞こえるが、企業はわかっているけどできていないということではないでしょうか。また、開発のスピードが遅くて、他社競合やスタートアップに追い抜かれてしまうということなのではないでしょうか。
・仮にニーズが聞けた時に、自社で開発しないといけないのか、自社の強みを活かして、圧倒的競争力を作れる分野なのか、考えないといけないと思います。
・開発するビジネスは(将来)大きいことになるのか、小さいものなのか、あればいいとは言え顧客は幾らで買ってくれるのか、マネタイズできるのか。
・デザイン思考を使って、開発を進めるにあたり、推進者に対して、企業の受け入れ側の問題があると考えます。
(従業員数千人が所属するなど一定の規模に到達した企業では)誰しも、すでに与えられている既存の仕事があり、新たな仕事に協力するには、時間やリソースを割く必要があり、推進者・受け入れ側とも、仕事の面白さ以外のインセンティブが必要に思います。
その意味では、成功している会社では、人事評価制度や全員が思考を共有する企業文化改革まで踏み込んでいるようです。さらに、イノベーターへの成功報酬(新ビジネスのレベニューの一部が受け取れるなど)もあれば良いと思います。
・時間、リソースの問題として、強制発想の時間(顧客インタビューやアイデア創作の時間)や、寄り合いチームの組成、推進を邪魔をしない仕組みなどがあれば良いと考えました。

以下は、参考にした記事などです。

(1)日経関連の記事で定義がよくわかるものがありました。

(1)ビジネスにおける「デザイン」は問題発見/問題解決を意味し、(2)その根幹的な思想には「人間中心」という視点があるため、(3)イノベーションにつながる「業界の非常識」を意識的に見いだせるということです。
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どんな場面でも、デザインの役割は明確です。それは、(1)問題を発見し、(2)その問題を解決することにあります。「デザイン」という考え方を意識的にビジネスに取り入れることで、最も重要な問題を見つける能力や、その問題を解決する能力を高めやすくなるのです。
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一般的な企業は問題解決の対象を「自社」に置きます。しかし優れた企業は「顧客」や「社会」に置きます。「弊社が抱えている問題を解決する」のではなく「顧客が抱えている問題や社会の課題を解決する」という発想です。つまり「私たちは価値を提供できなくて困っている」ではなく「顧客は価値のある製品・サービスを手にできずに困っている」という形で、主語が自社ではなく顧客になっています。そして、このように企業の視点を切り替えるうえで役に立つのが「人間中心」という考え方です。

日本XTREND 2020年11月06日 なぜデザイン思考を学ぶのか 特徴や効果、方法論としての限界

(2)日経関連の記事で事例がよくわかるものがありました。

デザイン思考:技術や生産の都合ではなく、顧客の潜在的な欲求を捉えて、斬新なサービスや製品を設計する手法インタビュー、観察、試作などで仮説と検証を繰り返して開発する。米デザイン会社IDEOが体系化し、2000年代にスタンフォード大学で教育プログラムが誕生し広まった。アップルやP&Gなどが活用している。
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他の社員の関心を高めるために「顧客志向」と言い換え、各デザイナーが伝道師として実践を促す。

日本経済新聞 2022年12月20日 5:00 NTTコム、全社に「デザイン思考」 苦闘10年で壁壊す

(3)グロービスの記事でメリット・留意点がよくわかるものがありました。

デザイン思考がもたらすメリット
・多くのユーザーに支持される商品の開発につながる
・多様な意見を受け入れて仕事を進めることが習慣になる
・多くの社員が商品開発のプロセスに参加できる
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デザイン思考の注意点
ゼロベースで物事を作るには不向き
世の中に全くない新しいサービスを考えるときにデザイン思考は向いていません。なぜなら、ユーザーの体験や感情を元に課題を設定して解決する手法だからです。
・チームメンバーの選定が難しい

マーケットイン(market in)とは、顧客の声を聴き、顧客の要求や困りごとを突き止め、それらを解決する製品を市場に投入しようとする考え方のことである。一方、製品を提供する企業側が良いと判断した製品を市場に投入しようとする考え方を、反対の意味からプロダクトアウト(product out)という。
マーケットインは、市場調査や顧客へのヒアリングによって確かめた顧客ニーズをもとに製品を企画するため、顧客に受け入れられやすく、売上の見通しも立てやすい。一方で、顧客に寄り添うあまりに企業やブランドとしての特徴が薄れてしまうと、競合に模倣されて差別化できなくなるリスクがある。また、顧客自身もまだ必要性に気づいていないが、製品を見てはじめて欲しいと思うようになる製品を提供することは、マーケットインのアプローチでは難しい。

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