![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135010023/rectangle_large_type_2_e6163841ff33f614717e6875843aff88.jpeg?width=1200)
「春がくる」さよなら大学生(3)
人生に、正解はない。けれど、「自分がそう信じること」は、きっとある。22歳、進路の話だ。
ゼミの友人から、学期が終わって以来の連絡があった。「後輩が入るから、なにか準備しよう」ということだった。春休み、すっかり忘れていたので助かった。
「そういえば、進路 決めました」
それから、雑談。
冬がすぎて、春になる。その間、ずっと悩んでいた。それでも腹をくくるのは、やってみれば呆気なかった。
「○○?」
1秒もない早さで、社名を当てられる。やっぱり、わかるものなのか。
「うん、結局」
「ずっと悩んでたけど」
「結局、これだなと思って」
この決断は、きっと重い。
選択肢があった。選ぶことは、選ばないことでもあった。私にとってそれは、生き方の問題でもあった。
それでも、決めてしまって、話してしまえば軽いものだ。
「そうね」
「そっちのほうが 似合ってると思うよ」
その意味は、知りたかったけど、聞かなかった。それは他でもない私自身が、誰よりも理解すべきことだから。
ごく短い、テキストメッセージの会話。
それでも、この一言には本当に救われた気がしたのだ。
もう、春がくる。(372日)
【さよなら大学生】
卒業するまで毎日、大学生活の何かしらを投稿します。カウントダウンに、ぜひお付き合いください。感想もらえると励みになります。