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スガキヤの思い出

どうも、死に急ぐ生命の果実です。

さて。少々唐突だが、#スガキヤ の話がしたい、のでとりとめなくつらつらする。


はじめに

みなさんはスガキヤをご存じだろうか。
いや、知らなくてもいい。
東海圏民以外は知らなくて当然だろう。
愛知を拠点にするラーメンチェーン店である。

もう一度言う。知らなくてもいい。

なぜなら筆者がこれから詳しく説明するからだ。

スガキヤとは

「名古屋民はスガキヤのスープを産湯にして育つ」と言われるほど、地域に根差したラーメンである。おそらく、東海圏内に住んでいる人で食べたことない人はいないのであろうか。それくらいメジャーではある。
ショッピングモールのフードコートには得てして入っている印象だ。

昔、東京進出を目指して高田馬場に出店していたらしいが。
無くなってしまったのが悔やまれるといえば悔やまれるが、やはりそれ相応の厳しい戦いだったのだろう、と思う。

2005年のことである

俳優の佐藤二朗、アーティストのスキマスイッチ、SKE48の須田亜香里、林美澪も愛したと、スガキヤファンブックには書かれている。

そもそも、ファンブックがある。

なぜ今回敢えてスガキヤの話をするのか。
それは記事を書いている前日9/19付で、麺やスープのリニューアルが行われたからだ。

また、それと同時にマスコットキャラクターのスーちゃんの公式アカウントも開設したらしい。(スガキヤの話をしたら補足された。キョーエツシゴク!!)
今回14年ぶりとなるリニューアルは、力を入れたイベントのようだ。

そんなわけで、リニューアル直前に滑り込みで「リニューアル前のスガキヤ」を味わってきた。

リニューアル前の最後のスガキヤ
期間限定記念品のステッカー

ついでに、このタイミングで少し思い出話もしようという流れだ。
自分語りならぬスガキヤ語りになるので、興味のない人はとことん興味がないかもしれないが、気にせずにつらつらと書くことにする。

幼少の思い出

筆者は岐阜の片田舎の出身である。
岐阜県も東海地方であり、車で20分ほどの商業施設の飲食店には、やはりスガキヤが入居していたように記憶している。
幼少の頃食べた記憶はあるが、詳細に思い出せないので、恐らく小学生かそれ以前の話だろう。(この記事を書くにあたり聞いたところ、姉は憶えていたので、やはりそのくらいだと思う。)

味は美味しかった。
当時ともなるとおよそ35年ほど前になるのだろうか。
それでも今と変わらぬ味であったと思っている。
(その間にもリニューアルははさんでいたと思うが、細かいことはこの際置いておく)

あまり油分がないさらっとした和風とんこつのスープ。
テーブルにあるコショウをたっぷりとかける。
夏はこのスープを口に含み、氷水で流し込むのが好きであった。
今でも、その味わい方は変わっていない。
スープを氷水ですすぐ、あの喜びは今をもってしても健在である。

スガキヤの魅力

さて、スガキヤといえばいくつか独特な特徴がある。
「価格」「甘味」「ラーメンフォーク」「インスタント麺」などが代表的だろうか。
それぞれ順番にご紹介していきたい。

価格

まず代表的なのはその価格であろう。
現在ではラーメン一杯が430円。
幾度かの値上げを挟んでこの価格である。
ちなみに幼少の頃は290円であったらしい。(!)

安い、安すぎる。風が囁いている。

フードコートを中心にどこにでもあり、家族で入れて、そして安い。
庶民の味方である。その美味しさも相まって人気なのもうなずける。

幼少の頃はラーメン一杯を家族で取り分けた。

少し大きくなるとラーメン一杯。

かやくごはんや甘味はやや贅沢であったので、楽しめるのはもう少し先の話だ。
簡素なテーブルと、駅のホームのようなプラスチックの椅子。
チープながらも、温かい雰囲気がそこにはあった。

中学生を経て高校生になると、使えるお金や時間にも少し自由が効くようになる。
学校帰りの寄り道でフードコートに寄るなど、ライフスタイルが変化しても、スガキヤはそこにあった。
なんなら、はじめて一人で外食をしたのもスガキヤだっただろうか。
500円玉を握りしめて勇気を出した記憶がある。

大人になり、物価が上がって少し値上がりしても、それでも段違いに安いスガキヤは庶民の味方だ。
先日リニューアル前の最後の来店では、特製ラーメン温玉乗せと、憧れのヨーグルトシェイクを頼んだ。これでも900円程度である。嬉しい。

憧れのヨーグルトシェイク

時は流れ、家族は増えた。

今でも親戚で集まったときのお昼の定番はスガキヤだ。
子供にも優しく、財布にも優しい。
フードコートは広く、多少子供が駄々をこねても問題はない。
昔と変わらぬ、家族と過ごせる温かい時間が、今もなおそこにある。

甘味

スガキヤはもともと「甘党の店」として甘味が主軸の事業であった。
そこがやがて軽食としてラーメンを供するようになり、「スガキヤ」となったそうだ。
マスコットキャラクターのスーちゃんがラーメンと共にソフトクリームを持っているのがその証左だ。

スガキヤのスーちゃん

スガキヤのソフトクリームは特別に美味しい。なぜだろう、そう感じる。

特別感のある甘味メニューたち。値段にも注目。

そんなスガキヤは、お小遣いのない学生が学校の帰りに寄り道するにはうってつけであった。
初めてのデートが学校帰りのフードコートのスガキヤだった、なんて甘酸っぱい思い出も珍しくはないのであろう。
スガキヤの甘味は青春の味だ。

ラーメンフォーク

さて。スガキヤの特徴といえば「ラーメンフォーク」は外せないだろう。
当たり前のように語るが、「ラーメンフォーク」とは何ぞやという人もいるだろう。画像を添付しておく。

ラーメンフォーク

フォークの根元にスプーンがついているというか、スプーンの先にフォークがついているというか、そういうビジュアルである。

誕生したきっかけは、「環境保護のための割りばし節約」のためだ。

スガキヤを運営するスガキコシステムズ取締役の菅木寿一氏がこう説明する。

「ラーメンフォークが開発されたのは1978年で、先代社長で創業者の菅木周一(寿一氏の祖父)が考案しました。箸の原材料となる木材の伐採=森林破壊が言われ始めた時代で、祖父は毎日大量に捨てられる割り箸を見て心を痛めた結果、環境保護の視点からあの食器を考えたのです。当時は『箸よさらば』の社内スローガンがあったと聞いています」

ラーメンフォークの誕生

(他に経費削減の目的もあったという話もあるが、定かではない)

しかしながら、多くの人が見てお察しできる通り、使いづらい。
フォークとしては大味だし、スプーンとしては突起が邪魔だ。
スガキヤのユーザーはみんな箸で食べる。悲しいけどそれが現実なのよね。

この名物(笑)のラーメンフォークだが、一度リニューアルしている。
昔の方はスプーンの出っ張りが偏っていて比較的使いやすかった記憶があるが、恐らく左利きの人に配慮したのであろう。今のデザインとなったようだ。

左が新版、右が旧版である。

ちなみにだが、このラーメンフォークはMoMA(ニューヨーク近代美術館)の通販サイトで購入することができる。

使いやすいとかうんぬんはさておき、そのデザイン性が認められて、ある種現代的な工業製品としてはおもしろく、興味深い側面があるということだろう。
たしかによく見ると美しいデザインである。

余談だが、我が家には二本ある。

一本は親しい友人からの誕生日プレゼントとして贈られたと記憶している。
ジョークは効いているが、残念だが本当にほしいと思っていたので嬉しいところである。
なお、もう一本は普通にもう一本ほしかったので自分で買った。
共に、使用したことはない。当たり前だ。悲しいけどそれが現実なのよね。

インスタント麺

インスタントラーメンについても話しておこう。
スガキヤは名実ともに名古屋・東海地方のソウルフードであることは間違いない……が、それゆえに他県の人には勧めづらい一面もある。

なぜなら安いからだ。

他県からなにかの機会に旅行などでわざわざ足を運んでもらって、オススメされるのが格安のラーメンチェーンのラーメンというのは、いささか気が引ける。
せっかくなら名古屋メシを食べてほしいという気持ちが、若干勝る。
また、そもそも名古屋に来るのが難しい人も多くいる。

そのアンサーとしてインスタントラーメン、という選択肢である。
現在であれば通販で購入することも可能だし、なんなら都内のスーパーなどでも売られていることを確認した。

もとの味がシンプルなため、味の再現度も申し分ない。
「名古屋までいけないけどスガキヤには興味ある」という人にオススメである。

インスタントのデメリットとしては、やはり実店舗の雰囲気まではさすがに感じられないので、「これでスガキヤを知った!」とまではなれないことだろう。
しかし、料理である以上、雰囲気以上に味を気に入ってもらうことは大事だ。
まず味から入って、美味しければ実店舗に来てもらう。
そういう体験の仕方もアリなのではないかと思う。

もうひとつのデメリッとは「値段」である。

安いっちゃー安いんだけど、高いっちゃー高いんだよなぁ。

袋麺で190円、カップ麺で280円。
インスタントとしては安くないが、実店舗で食べるよりは安い。
しかし実店舗がそもそも安いので、インスタントも安いと言っても……という感じだ。実に複雑な感情である。コレガ愛……目カラ水……コレハ涙?

まぁ、興味がある人はぜひ近くのスーパーやコンビニで探してみてほしい。運がよかったらもしかしたらあるかもしれない。

ちなみに、インスタントであればスガキヤから出ている「味噌煮込みうどん」「辛辛魚」もオススメだ。
こちらはそもそも店舗で供していないので、是非インスタントで味わってほしい。

まとめ

さて、筆者の思い出話とともに、スガキヤの魅力をいろいろと書き連ねてきた。
雑文乱文になってしまったがご了承いただきたい。
少しでもスガキヤに興味を持っていただけたら幸いである。

記事を書いているのが9/20なので、もうリニューアルした味は店舗で味わえるはずであるので、筆者も近く行ってみたいと考えている。
これからも多くの人の原体験・思い出の舞台になってほしいものである。
スガキヤのいち愛好者として、そう願ってやまない。

最後に、スガキヤを表す象徴的なフレーズでこの一連のツイートを締めたいと思う。

「今日はスガキヤでいい?」
「ううん、スガキヤ”が”いい!」

余談

なんでスガキヤに置いてあるあのコショウ、あんなに美味しいんだろうね。

というわけで、本日は以上。

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