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カナダ時間

2018年9月に、モントリオール-ケベックシティ-トロント-ナイアガラと、カナダ東部を巡る旅に出ました。

いちばん印象に残ったのは、国民性の違いを知ったこと。

日本語ガイドのオプショナルツアーの車に乗せてもらい、街中やハイウェイを走りました。流れる風景のなかに、広告や看板が一切見当たりません。日本だったら、道路の脇に「○○スーパーまで5キロ」とか、大きい看板が出てたりしますよね。

「広告が、ないですね」
「そうです。なぜだと思います?」

最初、景観に配慮しているから、だと思いました。

「頑張らないからなんです、彼ら(カナダの人々)」

ガンバラナイ?

「広告費使って手間をかけて、お客を呼ぼうとか、そんなの興味ないんです」

えーっ! そんな理由なの。

ガイドさんが所属する会社の、カナダネイティブのスタッフさんたちは、定時よりも遅くゆるく出社して、終業時刻ぴったりに「おつかれさま」とオフィスを後にするそうです(笑) 

そういえば、飛行機のカナダ国内線のCAさんも、控えているときは、くつろいでいて、座席を観察することもなく、やる気なさそうだったな~

「国土が広くて、人口が少ないから、セカセカする必要がない。競争する気が起きない」

ざっくり、
カナダの国土面積は日本の26倍、
逆に人口は日本の4分の1。

人口密度は、1キロ平米のなかに、カナダは3.7人に対して、日本は336人。1キロ平米は大体、東京ディズニーランド+ディズニーシーの広さです。

ユニバーサルスタジオジャパンの広さ(0.54キロ平米)に換算すると、カナダでは2人に対して、日本は181人。

「なるほど。大らかになるの、わかる気がします……」

鉄道にしても、モントリオール~ケベックシティ間(大体、東京~浜松市くらいの距離。新幹線ひかりだと、1.5時間)が、特急で3時間以上かかって、のんびり走るな~という印象でした。

「カナダの人には、高速鉄道なんて、つくる発想はないです!」

ナイアガラの滝までの道中、すごい治水装置なんかも見たのですが、それはイタリアの技師を呼んで、作ってもらったものだそう。

ガイドさんが、カナダの人々のやる気のなさを、いろんな例を出して連呼するので、何度も笑ってしまいました。

実際に現地にいて、日本とは違う時間が流れていることを、実感できました。

彼の国と比較して、私たちの国では、過剰に競争したり、過剰にスピードやサービスを求めたり求められたり、誰もが常にプレッシャーにさらされているのではないだろうか。

狭い国土のなかで、やる気のない状態では生きていけないけれど、何事も、ほどよくで、いいのではないかな?

「本当は、もっともっとカナダの旅行客を増やせるはずなんですけど、行政がPRする気がない。WEBサイトも、情報が薄いですし(笑)」

ガイドさんとお別れする頃には、すっかり「ガンバラナイ」国民性のことが、頭に刷り込まれてしまいました。カナダ時間のことを理解したうえで、また、この地を旅したいと思えました。