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#仮面おゆうぎ会 独断と偏見による好き8選


 坂るいすさんによる企画『仮面おゆうぎ会』募集終了記事が投稿されてから3日目の今日。

募集終了段階から一気に読んで、29作(28作になってしまいましたが)。
5000字以内という掌編小説、もうどの作品も心をかき乱され奪われ心底ぞっとしたものもありました。
みなさんすごすぎるな!
どの作品がどなたが書かれたのかさっぱりわからないけどな!(笑)
この文体はこの方かなぁなんてうっすら思うのは最初だけ。
読み始めたらどの作品も、わたしをその世界に連れて行って、時には引きずり込んで終わるまで出してくれない、出られない。
そんな小説たちでした。

と、いうことで。
珍しく感想note書かせていただくことにしました!
普段は、わたしの感想って感情に振り切りすぎてるので、あまりに主観的だし…と思って書かないんです。
別名、恥ずかしいともいう。
語彙力のなさがばれる(笑)
でもこれは書きたくて!
そして、「スキ」はいつも、好きだと思った作品につけさせていただいていて、今回も好きだと思った作品には「スキ」つけています。
厳しくしようとかちょっと無理でした(笑)
だってスキは好きなんだもの。

その「スキ」の中でも特にこれは…好きすぎる…ぐぅっ…!!的な小説への感想を書きたいと思います。
8選多すぎって意見には、ごめんなさい!
以下、ネタバレもしていると思いますので、ここから先はどうぞ、ネタバレOKかすでに読後の方のみご覧いただくことをおすすめします。








【No.4】思い出を消さないで

 だ、だまされたとはまさにこのことか…!
この一言に尽きます。
ほんっと、すごい。
予想もしなかったわたしは素直に読みすぎるのでしょうか?
でもだまされた人多かったんじゃない?
これはぜひ、作者公開をしていただいて、ご本人から聞きたいものです。
わたし、素直に読みすぎましたか?


【No.11】蛍売り

 言葉になりませんでした。
色んなものが、胸の内を脳内を駆け巡るのに、何ひとつ言語化できない。
何かを言語化しても、それはちっぽけで陳腐なものにしかならない気がして。
わたしが知識としてしか知らない時代。
”伝聞”で学んだ時代のこと。
祖母が昔、話していたことを思い出します。
”なんとか都合つけてやってくんだよ。俺らは生きてんだから。なぁ。”
男の声が、わたしにも聴こえた気がしました。


【No.17】付け足されたエンドロール

 ”一度きりの晴れの日。自棄になった愚かな私は、過去数年分の想いを冷たい夜に放り投げた。”
 この部分がとても好きで。
いつの間にか、息を詰めて読んでいました。
たぶん、
”「まだ俺のこと好きなん?」”
の言葉から。
覚えのある、ひたすらに翌日に後悔するような行為。
自分の愚かさを呪ってその気持ちをどこにもぶつけられない朝。
交わらない線。
駅名が滲んでいることすら気付かれたくない彼女。
はぁ、この髙橋という男はひどいやつですがモテる男ですよ本当に。
そしてわたしはきっと、それにまんまと引っかかる女。


【No.19】多角形の月

 あぁ、あぁー、あぁぁぁぁやっぱり来たぁぁぁ…!!
という心でしかありませんでした。
もうほんと、これね、1軒目で言えよ!!って感じですよ。
でもそんな気遣いなところも残酷な優しさも好きなの。
好きだったの。
いえ、わたしはあかりではありませんでした。
この胸の痛みは、感情移入し過ぎた証です。
笑おうとしたあかりに、がんばったねって言いたいです。


【No.20】牡丹の上で猫はキリンの夢を見る

 なぜだろう、わたしはこの場にいないしこれは小説なんだけれど、読み終えて鼻がつーんとしました。
わたしは結婚しているしこういう場面に出くわしたことはないし、
”五体満足な子を産んで、家族に尽くして”
と言われたこともないです。
でも、鼻がつーんとしました。
”「キリンは交尾のとき、交尾のことしか考えてないと思う」”
それがいい。
その瞬間は種族の未来とかどんな子供をとか、考えないのがいい。
彼女が明日も明後日も、彼のもとで猫になっていることを願ってやみません。


【No.21】近未来 fall in love

 個人的に、口元ってすごく直接的だし肉感的だしエロスだと思っていて、だから彼の視線が彼女がグミキャンディを口に入れる瞬間をまるでスローモーションで見たように、描写細かく見たことにとても共感しました。
そうなの、そうなのよって。
普段マスクで顔が覆われている上、彼らは”会って”接することが難しいようだから、尚更細部まで見たのでしょうね。
一片の青のりすらも写真のように脳に焼き付けてしまうほどに。


【No.27】交差する雨音

”雨がすったんすったんと降っている。”
 この一文にまず心を惹かれました。
すったんすったん。
想像を試みたけれど、言葉の響きと雨音はついぞ繋がりませんでした。
すったんすったん。
繋がらないままに、
”終わってしまった恋はすべからく四次元である。”
の一文に心を掴まれ、
”わたしは意味深なガラスの靴なんて、のこさない。”
の一文に、あぁもう好きだ、これは大好きだと実感しました。
好きと感じたらもう、どこがとかそういう理由はすべて後付けの理由のようにしか感じなくなってしまいます。
それほどにこの小説はわたしを虜にしました。
”あまりいい思い出がない”元彼との別れも聴いてみたいです。


【No.29】また一緒に良い仕事をしよう

”忙しくしていると自分のことしか考えられなくなる。周りが見えなくなる。それは立場の違いを忘れることであり、誰かのためを思って行動しているはずが、実はお客さんや一緒に働く仲間から目を背ける結果になっていたりする。”
 今は会社という組織で働いている身ではないけれど、個人事業主でもないけれど、あの頃の感覚が甦って、わたしはこれできていたかなと振り返りました。
秘書的な役割のこともあった。
部下がいた頃もあった。
あの頃の仕事、内容は確かにわたしの財産であり、貴重ない経験であり、今もこうして折に触れ振り返る、大切な一瞬でした。
この文章が、わたしを久しぶりに過去へと連れて行ってくれました。
そしてこれから先、
”「素直に、謙虚に、懐深く。」”
という言葉を一緒に思い出すかもしれません。


 5/30の21:00まで、あと3日。
書ききれたよよかったよ…!!
自分で言うのもなんですが、好きが溢れ出た感想になりました。
語彙力のなさがバレる(二度目。
好きな作品には、誇りをもって「スキ」つけさせていただきましたよ、るいすさん!!
どれも素晴らしい小説で、この3日でこんなに素敵な体験ができたことはとても楽しかったです。
作者不明って、いつもと違った楽しみがありますね。

企画主催のるいすさん、書いてくださった皆様、本当にありがとうございました。
この掌編小説たちの続きがどこかでまた読めたら、テンション爆上がりになる予感です。



20210527

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