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『お名前はアドルフ?』いよいよ公開です!プロレス観戦の準備は良いですか? セテラ作品の思い出㉑

前回の記事はこちら👉『お名前はアドルフ?』いよいよ公開!! 映画をより楽しく見るための予習からいかがでしょう?セテラ作品の思い出⑳
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昨日は、フロリアン君のことを書きましたが、そもそもこの映画はストーリーが非常にキャッチ―で面白く、演出、アンサンブルキャストも秀逸と思ったので、配給を決めました。見どころはフロリアン君だけではありません。

この映画の原題”Der Vorname" は、ファーストネーム、いわゆる“名前”ですが、この原作は2010年にフランスで大ヒットしたお芝居”Le Prénom" (名前)で、その芝居は瞬く間にドイツをはじめヨーロッパ中、さらに世界40か国で広まるほどの大人気ぶりでした。特にフランス、ドイツ、イタリア、イギリスでは地方都市などでもあちこちで上演されているようで、今でも頻繁に上演されるヒット演劇になっています。

そして、もともとのオリジナル劇の生みの国フランスでは2012年にスターキャストを用いて映画化され、フランス国内では大ヒットを記録しました。私は当時、そのフランス映画“Le Prénom” も見ましたが、少しスノッブさが鼻につき、配給はパスしました。

(フランス"Le Prénom"予告編)

今回、ドイツで映画化され、そちらのほうをピックアップしましたが、アドルフという名前をつける、という話のリアリティと自然さはやはりドイツが一番では?と思うのです。そして、実際オリジナルのフランス版よりドイツ版のほうが断然面白いです!

実はこのドイツ版を配給することに決めた後に、イタリアでも映画化されていることを知り、なるほど、この話は各国のバージョンに置き換えられるんだ?と改めて納得したわけです。 

(イタリアverでは、息子にベニートという名前をつけるか否かで大騒動!?ベニートと言えば、勘の良い方ならお分かりの通り・・・)

ドイツ版に話を戻します。アドルフ、という名前はもちろんヒトラーと同じだから、絶対ダメダメ!とみんなが反対するわけですが、戦後この名前を付ける人はほとんどドイツでは皆無、でも禁止はしていない、というのも面白いですね。実は、私がよく知っているベルリンの店で古くからある金物屋さんがあり、その店の名前がADOLPHというのです。よく考えたら、堂々とその名前を付けて、しかもネオンでADOLPHと外からも大きく見えるように看板を出しているのですが、きっとこの店は戦前からずっと存在して意地でも変えないんだろうな・・・とちょっと気になっています。笑

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この『お名前はアドルフ?』の見どころですが、絶妙な緩急のタイミングで、次に誰が何を言いだすかハラハラドキドキ、ディナーの席の90分、まるでそこにいるような臨場感を味わえます。スカッと爽快、笑ってくださいね!

アドルフ

山中陽子

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『お名前はアドルフ?』
2020年6月6日(土)よりシネスイッチ銀座ほかで全国順次公開。


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