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推し本10冊で語り合うBook BAR主催者の推し本10冊

はじめまして。京都でシェア型書店の棚主をやっているほんだけです。

京都でもシェア型書店が増えてきて、こもれび書店・灯商店・ひと箱書店に加えて24/7/7には一乗寺BOOK APARTMENTさんがオープン。

関西で本をきっかけにした出会いや交流がひとつひとつ生まれているなか、ほんだけも『推し本10冊で語り合うBook BAR』を8月末に開催します。

そこで、ほんだけの推し本10冊をよかったらご紹介させてください。


1冊目:おやときどきこども(鳥羽和久さん)

親にとって子どもはときどき心配になる存在。小学生低学年までのいっしょに遊ぶだけの関係から、勉強をしたり、進路を考えるようになると、親子の関係も変わっていきます。

私たち大人に必要なのは、子どもを理解することではなく、子どもと自分との関係性を理解することであることがわかってきます。子どもを理解しようとするから、すぐに袋小路に入ってしまうのです。

おやときどきこども p.137

学習塾で何年も子供たちと親たちの関係に向き合ってきた鳥羽和久さんの言葉は、語られにくい親子関係をすこしだけ変えられるきっかけになる力をもっています。

2冊目:あなたの知らないあなたの強み(古野俊幸さん)

「あなたは自信がありますか」

得意なことや苦手なことはあるけれど、自信があるかと問われるとないような気がする。働きはじめて数年。自分の弱さを隠すように、自信ありそうに振る舞うことにすこし疲れていたころ出会ったのがこの本でした。

活発で行動力がある?それとも慎重にコツコツすすめる?そう質問されるとどちらか一方に当てはまると思い込みがちですが、この本には5つの因子があり、人にはそのなかで2つの強みがあることを教えてくれます。

わたしは活発さも慎重さもなく、人を受け入れることと白黒はっきりさせることが強みです。MBTI診断でもINTJの建築家です。とてもしっくりきます。自信がない人は、自己認識に自信をもつことをおすすめします

3冊目 本日は、お日柄もよく(原田マハさん)

ビジネス書ばかり読んでいた、社会人4年目。
また小説を読み始めるきっかけになったのがこの本です。

ページをめくり、いきなり登場するのは『スピーチの極意 十箇条』。
「この本ただものじゃないな」とすこし警戒しながら読み進めると、主人公がスープにガシャン!。スープのあとは、スピーチライターの世界に飛び込むお仕事小説。軽快なストーリー展開で一気読みしてしまい、以来原田マハさんの本はいくつも読んでいます。

4冊目 たゆたえども沈まず(原田マハさん)

つづいてこちらも原田マハさん。

ゴッホが無名の画家だったころ。パリには浮世絵を売り込む日本の画商がいました。彼らが本当に出会い、互いに影響したかどうかはわかりませんが、フィクションにしてはあまりにリアルで、ひとりの人間としてのゴッホの熱意と苦悩に惹き込まれます。ブルーピリオド好きな人におすすめ。

5冊目 演劇入門(平田オリザさん)

新書の魅力に気づいたきっかけがこちらの本。

演劇の舞台を『セミパブリックな空間』にして対話の成り立つ設計にすることや『話し言葉の地図』で対話や会話の違いを整理されているところを読み「演劇とビジネスの世界ってこんなにリンクするのか」と驚きました。

6冊目 聞く技術 聞いてもらう技術(東畑開人さん)

カウンセラーであり、丁寧で軽妙なやりとりをしてくれる東畑さん。

心は人々の間を回遊してるのが自然で、個人に閉じ込められると病気になる。それが人間の本質なのでしょう。

聞く技術 聞いてもらう技術(p.97)

文化人類学者の本に書かれていたとある先住民の話を引用し、落ち込みや悲しみを分かち合うことは正常で、気持ちを人に話せなくなることは病気と捉えるお話は印象的でした。東畑さんの「野の医者は笑う」は笑えます。

7冊目 人生のレールを外れる衝動のみつけかた(谷川嘉浩さん)

人のやりたいことを応援したい私には、やりたいことはありません。

人生をかけてやりたい夢はないけれど、どうせなら何かたのしくてしょうがないこととか、衝動に似たなにかに突き動かされたい。4th place lab というコミュニティに入って本を楽しむ場作りに一歩踏み出した私の背中を、さらに強くおしてくれた本です。

8冊目 なぜ働いていると本が読めなくなるのか(三宅香帆さん)

人生ではじめて3冊かった本。

この本に出てくる『坂の上の雲』は前職の上司がプレゼントしてくれたけれど、当時の私は読めなかった。。ノスタルジーの癒やしが求められた時代はあれだけの長編も読めたのかもですが、新卒2年目で子どもが2人いた私には常識を知らない若手のためのトレーニングにしか見えませんでした。。
読めなかった当時の自分と、読めている今の自分をうまくつなげられるともっと本をたのしめる人が増えるかも。という期待をもらえる一冊です。

9冊目 違国日記(ヤマシタトモコさん)

35歳の小説家と、姉の遺児の二人暮らし。

新垣結衣さんの映画が公開され、だれもが知っている作品かと思いきや、あまり知られていなくてびっくりしつつ、同僚によく貸すマンガです。11巻で完結しているのでいっきよみできますが、3回4回よんでも味のある作品。たったの2年半で終わる2人の暮らしがその後どうなったのか。気になる。

10冊目 喰う寝るふたり住むふたり(日暮キノコさん)

こちらも2人の暮らしもの。

同棲生活をする男女が、1つの出来事をそれぞれの視点で2話ずつ描いていく作品。同じ出来事がこんなにも違うみえかたをしているのか、と気付かされます。のだめカンタービレもそうですが、新装版がでてくるとそっちも欲しくなります。いつか買いたいなぁと、ちょっとした楽しみになってます。

ほんだけの推し本10冊 2024.07.07

推し本10冊を語り合うとは

推し本10冊を語るには、1つの記事じゃ語り尽くせません。オンラインで開催したイベントでは、1時間半もあっというまでした。

「1冊の読書会じゃものたりない」
「推し本がたくさんあるから、もっと知ってほしい」などなど

推し本10冊語り合うBook BARに興味をもっていただいた方は、ぜひ8月末のイベントにご参加ください。オンライン開催、京都開催も企画しますね。