53歳から始めるスト６　その３

シルバーになった。

前作ではシルバーに上がるまでに実に1260試合を要したのだが、今回は40戦にも満たず到達してしまった。まあ前作と今作では同じシルバーでもぜんぜん違うというか、体感的には今作のシルバーが前作のスーパーブロンズぐらいな感じである。

そんでシルバーに上がって２～３戦したのだが、まだこの辺りだと「こりゃ勝てないわ」といった感じはない。ブロンズ層も同じだが、多くのプレイヤーが「対空が出ない・起き上がりに暴れる・ひっきりなしに技を出してくる・間合いの調節には無頓着」といった具合で、こちらはそれに応じて動くだけで特段華麗なコンボを決めなくてもあっさり勝てることが多い。

ただ、「ひっきりなしに技を出す＆起き上がりからコンボ入れ込み」みたいな積極性の鬼のような人と悪い方に噛み合ってしまうとあれよあれよと負けることもある。まあ私自身も偉そうなことを言えるほど達者でもないので、そこら辺は反省材料である。

また前回も書いたが、やはりドライブインパクト絡みにはなかなか反応できない。トレモを使ってガードリバーサルやダウンリバーサルにインパクトを設定し、コンボ練習がてらインパクトへの反応を体に染み込ませようとしてはいるのだが、絶対的な練習量不足のせいもあり、なかなか反応できていない。「音を大きくするといい」というアドバイスに従ってドライブインパクトのSEを大きくしているが、この設定はSAやCA、ドライブラッシュなどもいっしょくたになっているので、すわ大きな音が！と反応してもインパクトじゃなかったりしてなんだかもどかしい。それに、前にも書いたが、インパクトの色が赤だの青だの緑だの白だの黒だの黄色だの百花繚乱状態なのが非常に納得し難い。「インパクトに反応できるかどうか」というのは今作ではものすげー重要な、試合の勝敗を一気に決めてしまうようなとんでもなくベリーインポータントな要素であるのに、なぜカプコンはこんな分かりにくい仕様にしたのだろうか。いっそ設定で、「ドライブインパクト時には画面中央に『危険！インパクト！』といったゴシック体の太文字を点滅表示する」ぐらいのものがほしいレベルなのに。

そもそもスト６は「対空・前ステ・ドライブラッシュ・ドライブインパクト・弾・相手の突進」と、意識していなければいけないことが多すぎる。一輪車に乗りながら右手でお手玉しつつ左手に持った傘の上でボールを回して口に咥えたパイプでピンポン玉を浮かしては背負った赤ん坊をあやす、みたいなもんで、どこに集中したらいいのか皆目見当がつかない。しかもJPなんぞは弾が下段だの中段だの投げだの設置技だのワープだのって、脳みそが４つぐらいないと処理しきれないレベルのてんやわんやである。

まあもちろん相手も同じ人間だからして、そんなにあれもこれもと攻撃を散らしてくることはそうそうないとは思うのだが、でも対空をサボれば毎回毎回投げと打撃の二択で神経がすり減るし、インパクトがカウンターしてしまうと膝崩れからアシストコンボでガッツリ食らうし、弾と突進はガードばかりじゃゲージがみるみる減らされるし、と「まあコレは捨ててもいいか」みたいなものがないのが困る。

要素を増やせば対戦が複雑化して深みが出る、と言ってしまえばそういうことなのかもしれないが、そういうこと以前に「向かい合って前後軸でしか戦ってないゲームを複雑にする」って何か矛盾しているように思うのは私だけだろうか。カプコンや私たちプレイヤーは何か大事なことを忘れていないだろうか。

そもそも根幹がシンプルなわけだ。「お互い向かい合って殴ったり蹴ったりするゲームです」と。ただまあそれだけじゃゲームにならんので、「ジャンプ攻撃は立ちガードです。足払いは下ガードです」とガード方向の揺さぶりが最初にあったわけだ。でもそれじゃガードしてりゃ負けないじゃん、てことになって「投げはガード無効です」と来たわけだ。ほんで、まあ、あとは試合を動かすために弾を出すやつがいたり、手足が伸びるやつがいたり、突進するやつがいたり、壁に張り付くやつがいたりしたわけだ。

そうして幾年月、今では更に要素がてんこ盛りになってあんなことやこんなことなどまあ実に多彩な攻撃や防御ができるようになったというかやらなければいけなくなったのだが、「こんだけいろいろあんのに左右には避けられないのかよ！」と私は思うのである。

弾もインパクトもひょいっと横に避けようよ？

それこそが世界平和につながる道だと私は思う。