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54歳でも続ける鉄拳8 その17

以前、ここでVader3proというゲームパッドを購入した旨を記載した。ほぼ万能とも言えるなかなかグッドなコントローラだったが、残念ながら格ゲーには不向き(あくまで私にとって)であるとの最終判断を下し、結局鉄拳は中華激安6ボタンパッドBTP-C3を使っていたのだが、ここに来て新しいゲームパッドをまた2つ購入してしまった。

もはやゲームのためにパッドを買っているのか、パッドを買うためにゲームをやっているのか、自分でもよく分からなくなるほどのケイオスドラゴン並の混沌ぶりである。

Vader3pro。普及価格帯では頭一つどころか二つは抜けた存在である。


BTP-C3。安い割に操作性良好な隠れた名機だが、ボタン数が物足りない。


で、最近買った1つ目は、8BitDoから新しく出た新型M30である。こいつは以前出ていた旧型M30の欠点だった、「肩ボタンが左右1つずつしかない」という点を反省し、ちゃんと左右に2つずつの肩ボタンを搭載したものである。それ以外は旧型と大きな違いはなく、いわゆるセレクトスタートの位置が若干違っている程度である。

新型M30。どうせなら全部のボタンの色を変えればいいのにと思う。

コイツは、BTP-C3と違って、れっきとした10ボタンコントローラである。だから左肩の2ボタンにもちゃんと何かを割り当てることができる。私自身は左肩ボタンがすげー苦手なので、適当にスペシャルスタイルボタンなんぞを割り当てているが、スト6みたいに弱中強2セットに加えて投げだのパリィだのインパクトだの同時押しだのアレコレとボタンが必要な場合には役に立つはずである。

十字キーは軽い操作感なので、キビキビした入力ができる反面、斜めに暴発しがちである。鉄拳の場合は「左に入れて立ちガードしているつもりがうっかり左下に入っちゃっててしゃがみガードになってたから中段を喰らいまくる」という事故が結構ある。でもまあこれは自己責任というか、ちゃんと意識すればどうにでもなるようなことではある。

この十字キーは、操作感としてはBTP-C3に非常に似ていて、いわゆるフローティングデジタルパッドというやつなのではなかろうか。多分、このパッドはいわゆる「サターンパッド」リスペクトであるからして、サターンパッドの操作感に近づけるためにこんな感じなのだろう。

右側にある前面の6ボタンは、見てわかるように上の列だけ小さい。この、ボタンの小ささも恐らくサターンパッドリスペクト精神によるのだろう。だって小さくて得なことなんて何もないからね。普通に考えれば同じ大きさの方がずっと操作しやすいはずだから、上だけ小さいのは少し不満である。

また、ボタンのストロークは若干深い。不快になるほど深いわけではないが、Vader3proやOctaなんかのカチカチ言うメカニカルボタンと比べると明確に深い。

結果的に、「十字キーの操作感は軽い」わりに「ボタンのストロークは若干深い」から、レバー入れの技なんかだと、同時に押しているつもりがやや十字キー先行気味の入力になりやすい。まあ別にそうなっても困ることはあまりないのだが、そういうクセがあるのである。

で、総合すると、コイツは格ゲーにかなり最適化されたパッドだと思う。アナログスティックは付いていないのだが、以前に旧Octaのドリフトに悩まされた身としては、むしろアナログスティックなんぞないほうが気が楽なので、値段が安いことも相まって、かなりオススメのパッドである。

さて、購入した2つ目はコイツである。

出ましたOctaの新型。鉄拳Verは早くも生産中止というのが闇を感じさせる。

たまたま5chを見ていたときに、ホリストアの在庫が復活したと知り、急いで見に行ったらまだ残っていたので衝動買いしたものである。

格ゲーといえばファイコマ、みたいな言説はスーファミの時代から根強いのだが、私も例に漏れず、「ファイコマなら・・・ファイコマなら何とかしてくれる・・・!」みたいな希望を常に持ってしまうのである。

で、使ってみた感じだが、やはり前面の6ボタンは旧型と同じく軽い。というか軽すぎる。慣れればむしろ押しやすいし、ボタンのサイズも配置もかなり適切だから縦の同時押しなんかも相当やりやすい。メンブレンのストロークに慣れた右手だと最初はどうしても戸惑うが、旧型を使っていた記憶からすれば、慣れればこちらの方が操作感はいいはずである。

一方、十字キーはなんか旧型より重く硬くなっている気がする。リリの確反やコンボで多用する「6RPLK」っつー技があるのだが、このときの「6」入力が「自分では入れているつもりなのに間に合っていない」ことが多かった。これは別に同時押しとかではないので若干先に6を入れておけばいいのだが、それでもなんか微妙にタイミングが合わないというか、前述のBTP-C3やM30が「軽い十字キー+深いボタン」の組み合わせであるのに対し、Octaは「硬い十字キー+軽いボタン」の組み合わせなので、前者に慣れた指だと、後者での入力タイミングがいまいち掴みづらいようなのである。

ただ、236を要求する通称「ワラキック」なんかは出しやすい。リリだと623みたいなコマンドはないからその辺りは不明だが、ファイコマに付いて回る「斜め抜けがひどい」みたいな悪評は個人的にはあまり感じられない。旧型も新型も、コマンド入力に違和感を感じるようなことはなかった。

ただまあこの辺りは結局、「慣れ」の問題である。

下手の道具選び、などという腹立たしいことわざがあるように、腕前がイマイチな人間ほど「コレは自分に合わない。アレはここが良くない」などと使う道具のせいにしがちだが、私もまったく同様で、「今ガードしてたじゃん! このクソパッドが!」とか「なーんでコンボ失敗するかな! このウンコパッドめ!」とか、「今6RK押したでしょ! なんで3RKになっちゃうの! パッドのせいパッドのせい!」とか、己の失敗をパッドのせいにして現実から目を背けがちなのは大いに反省するべきだろう。

あと、Octaにはアナログスティックがなんと左右両方ついているのだが、これは昨今の格ゲーに備わっている「一人でも遊べますよ」的な簡易RPGモードみたいなやつのためであろう。私はそういうのをあんまり遊ばないので、アナログスティックがあっても有り難みをいまひとつ感じにくいのだが、ないと困る人もいるだろうから、そういう人には便利なのだろう。

総じて、新型M30も新型Octaも悪くないようだ。価格も前者は4600円ぐらい、後者は6800円ぐらいで、まあそこまで高くないというかむしろ安い気がするし、どちらも昨今の格ゲーをやる上では致命的な問題はなく、かなり快適な操作感で遊べると思う。

アナログスティックなんかいらない、値段も安いほうがいい、という人はAmazonでいつでも買えて値段も安い新型M30はベストと言える選択肢だと思う。また、Octaは在庫がいっつもなくて運が良くないと買えないってのがホントにどうにかしてほしいのだが、とりあえずこれ一つあればどの格ゲーのどのモードを遊ぶにしても問題ないので、こっちもオススメである。

ただ、言えることは、自分の腕前が上がらないのをパッドのせいにしてはいけないということである。あれもダメこれも違うとパッドばかりにこだわって自分の練習をおろそかにするのでは本末転倒なので、私もしばらくはパッド購入は控え、己の腕を磨くことに専念したいと思う。

それにしてもキングは腹が立つ。

パワクラだか何だか知らないが、こっちのジャンプキックを受け止めて、あまつさえそのまま投げに持っていくというのはルール違反でないか。

猛省を求める。

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