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53歳から始めるスト6 番外編 中華6ボタンパッドBTP-C3レビュー

以前にここの記事で触れた中華ゲームパッドを購入した。

「100% オリジナルbetop beitong戦闘ゲームパッド用BTP-C3 usb有線ゲーム制御アーケードジョイスティックpcのコンピュータPS3」というらしい。「令和最新版」ではない。

記事の中で「買って試せばいいのだが」とか自分で書いたのだが、「それもそうだ」と思い、即購入したのである。アリエクなのでちょいと時間はかかったが、15日に注文で22日到着だからジャスト一週間なわけで、遠い中国からやってきたことを考えれば十分早いと言えるだろう。鑑真や阿倍仲麻呂の時代からすると、信じられない超スピードである。

そんで、このコントローラは日本語による詳細なレビューがないから、ここはいっちょ私がレビューをしておこうと思う。


使い方

使い方は簡単。USB有線接続しかないので、それを挿すだけ。背面に「何のコントローラとして使うか」の切り替えスイッチがあるが、デフォルトの「PC360」のままでいわゆるXBOXコントローラとして認識される。ちなみにこのパッド、PS5では使えないらしい。私はPS5は持っていないので詳細は分からないのだが。

両肩の2ボタンずつ

このパッドは、両肩に2ボタンずつが付いている。まあ見た目はよくある前面6ボタンパッドとさして変わらない。ところが、このパッドの場合、非常に特殊な仕様になっている。実際、なんでこんな変な仕様なのか皆目理解できないというのが本音である。

それは、「前面のRB・RTボタンと肩のRB・RTボタンが同じ挙動をする」という点である。要するに、RBボタンとRTボタンが2つずつあるのである。だからデフォルト状態だと、6ボタンである意味がない。だって、前面右端の2ボタンと右肩の2ボタンが完全に同じ動作なんだから。

例えば、設定でRBを強パンチにすると、前面のRBを押しても右肩のRBを押しても強パンチが出る。「やったぜ! これで強パンチを出せるボタンが2つになった! これで俺も最強だ!」というわけだ。

いやいやさすがにカスタマイズツールかなんかで別の挙動にできるでしょ? と思ったりしたのだが、そういうものはないらしい。そもそもボタンに印刷されてるもんね。RBとかRTとか。

・・・この機能、要る?

なんでこんな妙な仕様にしたのか全く意味がわからない。同じアジア圏といえどもやはり日本と中国には文化の壁があるということなのだろうか。

ただ、救いはある。

背面にある「LBT-RBT」というスイッチで、「右肩2ボタンと左肩2ボタンをそっくり入れ替える」ことが可能なのである。だから、このスイッチで右肩と左肩を入れ替えると、ひとまず右肩はLBとLTという割当になるので前面と連動することはなくなる。この状態だと、少なくとも前面6ボタンと右肩2ボタンはファイコマと完全に同じ挙動になる。もっとも、左肩はRBとRTになるので、そちらは前面と連動したままではある。

だからこのパッド、前面6ボタン+右肩2ボタン+左肩2ボタンで合計10個のボタンがあるようにみせかけて、肩の2ボタンは右か左がどうしても前面と連動してしまうので、実質は8ボタンということになるのだ。

したがって、10ボタン(ABXY+R1~3+L1~3)をフルに使いたい、という人はこのパッドを買ってはいけない。絶対に買ってはいけない。

幸い、私自身は左肩の2ボタンは全く使わない(というか使えない)人間なので、さして困ることはないのだが、この仕様を知らないままファイコマの完全代替品のような感覚でこれを買うと、私のように困惑するだろう。

ただ、こうやって、ひとまず左肩のボタンの存在は無視して前面6ボタン+右肩2ボタンとして使ってみると、ことスト6においては意外なメリットがある。

それは、バトルハブやワールドツアーにおける視点移動操作である。

オクタを使っている場合、右アナログがないので視点操作は、「RB+ABXY」という特殊な操作になる。ところが、前面6ボタンの場合、RBは前面右上に鎮座しているので、片手ではどうがんばってもこの同時操作ができないのである。小指でRBを押しながら人差し指や中指で攣りそうになりながらがんばる、という人もいるかもしれないが、あきらかに変態的操作法であるので、まあ普通は諦めて、パッドを机において両手で操作したりする。めんどくせえことこの上ない操作である。

ところがこのパッドだとRBは左肩に「も」あるので、そこを押しながらABXYで簡単に視点移動ができるのだ。これは怪我の功名というか、制作側も意図していなかったはずの大きなメリットであろう。

忘れていたが、肩のボタンはメカニカルスイッチなのでストロークは劇的に浅い。押すとカチカチ言う。ただ、浅い分、若干重い。浅くて軽いと暴発しがちなので、この重さはちょうどよい感じである。

ボタンの大きさは少し小さい。オクタに比べると明確に小さい。ただまああんまり大きいと押しにくいから、こんなもんでいいのかもしれない。欲を言えばもう少し左右に大きいと良かったのだが、現状のサイズでも特に不満があるわけでもないのでこれでよしとする。

十字キー

このパッドの十字キーは「一本の短い軸の上に乗っかっている」形である。だからファイコマとは操作感が異なる。押すというより傾ける感じになる。だが、実際触ってみると案外いい感じで、というかそこまで違和感を覚えることなく使える気がする。

ただやはり異なる点もいくつかある。

まず、斜め入力は確実にこちらの方がやりやすい。ファイコマやオクタだと「押す」感じなので、斜め入力はどうしても「右と下を同時に押す」感じが抜けきらないのだが、こちらのパッドだと「斜め方向に重心をかける」感というか上下左右斜めで差がないというか、案外悪くない操作感である。実際、マノンのコマ投げである63214入力は、明らかにコッチのほうが速く入力できた。(といっても合計で2~3フレームの違いではあるが)

一方、左右へのステップやラッシュなどは少しやりにくい感じがあった。パッドの構造上、通常の十字キーよりもストロークが深めなので、その点を意識しない66とか44とかが上手く入力できない。ただ、これは練度でどうにでもなるような気もする。長年馴染んできた十字キーと昨日今日使い始めたばかりの十字キーではさすがに練度が違うから、こちらのパッドももう少し慣れれば問題なくなりそうではある。

ちなみにこのパッドは十字キーが簡単に外せるようになっている。薄めのものと厚めのものの好きな方を使えるのだ。

こんな感じで簡単に交換できる。男子はこういうギミックに弱い

どちらがいいのかはさっぱり分からないが、薄い方がなんぼか操作感がいいような気がする。厚い方は「ぐるっと回す」入力が少しやりにくい。

また、この十字キーは、背面のスイッチで「デジタルパッド」と「左アナログスティック」のどちらの役割をするのかが切り替えられる。とても便利なような、そうでもないような、何とも言えない機能ではある。スト6の場合はどっちにしても完全に同じ挙動であるから、どっちでも問題ない。

ただ、これもまた怪我の功名というか、やはりスト6のバトルハブやワールドツアーにおいては「移動はアナログ」という指定があるので、このパッドの十字キーをアナログスティック設定にしておけば、十字キーで何の問題もなく移動ができる。本来の十字キーは何かショートカットみたいなもんだったはずだから、別になくてもまあそこまでは困らないはずで、オクタのアナログスティックのドリフト現象にイライラしていた私としてはこのパッドは実にありがたい。それに、こうしておけば日々のアリス・ギア・アイギスのマルチデイリーも難なくこなせるというオマケ付きである。

前面6ボタン

前面のボタン配置はオクタと非常に似ている。ただ、こちらの方がボタンが少し小さい。親指一本で6ボタンを押している私としては操作範囲が少しだけ狭まったのだが、まあオクタと同じ感覚でいける。親指の覚えた位置がそのままこのパッドでも通用する。

ボタンのストロークは明確にオクタの方が浅く軽く、こちらの方は深くはないがオクタに比べればやはり少し重い。これはそれぞれのボタンのメカニズムの差によるものだろう。

ただこのあたりは一長一短で、軽ければ暴発するし、重ければ反応しないし、どっちがどうとは言いにくい。ただまあ、オクタにせよこっちにせよ、別にそこまで不自由な操作感ではないと思う。特に文句もないが別に褒めるところもないといった、ごく普通のボタンであると思う。

あと、このパッド、デザインなどからして格ゲー専用みたいなもんなんだが、なぜか連射装置がついている。よくあるタイプの「連射キーを押しながら連射したいボタンを押すと設定」と「解除キーを押しながら解除したいボタンを押すと解除」というやつである。設定すれば、あとは押しっぱなしで連射できるわけだ。

最近では格ゲーから連打コマンドも減りつつあるから使うことはないように思うし、変に連射されてしまうといらんところで技が暴発するような気もするので、私はこの手の機能は使ったことがない。

ただまあレトロゲーなんかを遊ぶ時は、この手の連射機能はないよりはあったほうが便利なので、付いていることに苦言を呈するつもりはない。

外観・サイズ・重さ

外観は妙だ。

漢字なんだかハングルなんだか私には認識できないおそらく文字らしきものが所狭しと乱舞している。小学生が考えた僕のオリジナルサイン、みたいな判読不可能な文字の羅列である。

何を思ってこういうデザインにしたのかは本人のみぞ知るところだが、まあ対戦中はパッドを眺めてる暇なんかないから別にそこに何が印字してあってもどうでもいい。

それに、ゲームパッドをオシャレなインテリアの一部として使ってる奇特な人もそうはいないだろうから、こんなキテレツなデザインでも多くの人にとっては問題はないと思う。

サイズはかなり小さい。写真で見るとけっこう大きく見えるが、持ってみると意外なほど小さい。そんで軽い。オクタやスイッチファイコマと比べるとかなり軽い。軽いほうがいいか重いほうがいいか、これは個人の好みなのでどうとは言えないが、私自身はこのサイズと重さは別に不満はない。オクタのようなある程度の重量感からくる高級感みたいなのも好きだし、このパッドのような「安物だからガンガン使い倒してくれよ!」みたいなのも嫌いではない。

総評

現状、オクタが高騰していることや、海外メーカーの6ボタンパッドが軒並み高級品ばかりなのを考えると、このパッドはかなりお買い得だと思う。アリエクは値段がちまちま変動するけれど、このパッドは送料込みで見ると大体3200円ぐらいで買える。

3200円のパッドとしては信じられないほど操作感は問題ないし、仮に激しく使ってぶっ壊れても3200円だからまた買えばいい。

ただ、上でも書いたように、このパッドは実質「8ボタンパッド」であるから、そこを許容できる人じゃないと使えないだろう。海外の高級パッドなんかだと両肩に3つずつ、背面に左右2つずつ、前面4ボタンと合わせて14ボタン! みたいなのも出てるらしいので、ボタンをいっぱい使いたい人はそういうのを買うといいと思う。ちと高いけど。

金はそんなにない、でも6ボタンパッド買いたい、でもオクタは品薄で転売で高くて買いたくない、でも普通のファイコマは生産してない、海外のパッドは高すぎる、どうすればいいんだ俺は6ボタンパッド難民だ、みたいな人はこれを買うとかなりの確率で幸せになれるはずだ。

ちなみにアフィとかではないので安心してください。

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