🗾【素人感想】ジャニーズの[深刻な]内向き体質が現代中年日本人を象徴してしまっている

実家に帰るのもほぼ年１回程度なのですが、韓流の大ファンである実家の面々は推し活で横浜や大阪に行くこともあり、昨年末は釜山にも行ってきたようです。
私は昭和５９年までの国籍法の問題でパスポートを取ることができませんで（そもそも戸籍が無い）パスポートが取れたら世界最大の港がある上海に行ってみたかったのですが、実質的に無国籍状態に近い私は終生、パスポートを取れることなく墓場に行きそうです。

それにしても実家で久々にテレビを見ましたが、韓国のアイドル達が日本の女性からキャーキャー言われてライブ会場中にハートマークが飛び交ってる一方、ジャニーズアイドルが｢芸人化してもうたなぁ…｣と、素人ながら感じます。

韓流アイドルRIZEのメンバーとなったショウタロウを見ると思います。
｢この人渡韓して正解やったな｣と。
恐らくジャニーズに行っていたらショウタロウはイチバックダンサーで埋もれていたでしょう。
K-POPに行ったからこそ高い才能を開花させることができたと思います。

🗾ジャニーズの深刻な内向き体質

韓国は資源を産出していない上に食料自給率も低いので内需型の経済とは抜群に相性が良くない国です。
実はそこに関しては日本も同じ条件なのですが、男性アイドルの市場の獲り方に関しては非常に対照的な進路を歩むこととなりました。

K-POPアイドルと言うのは、最初から世界を獲る目的で活動しています。
この辺、芸能に関しては完全に素人なので、なぜ韓流アイドルがそう言う経路を辿ったのかわからんのですが、ただ紅白などで韓流アイドルの解説を聞いてると「最初から世界を獲るために設計されたアイドル」なんですよね。

一方、ジャニーズはかなり内向きです。
ほぼ日本の市場しか見ていないですし、グローバルには殆ど対応しておりません。
これはジャニー喜多川の存命中から言えたことで、ジャニー喜多川もメリー喜多川もグローバルな市場では全くと言って良いほど対応ができていません。

グローバルな市場（と言うよりアジア市場）に対応できたＳＭＡＰが数少ない成功事例と言えそうですが、解散の仕方は最悪でしたね。
その上ジャニー喜多川による性的加害事件が表出してからは、ジャニーズの衰退を加速させたのでは無いかと思います。
例え性的加害問題を考慮せず、代表が変わってもジャニーズの内向き体質は殆ど変わりませんでした。

恐らくジャニーズはグローバル市場は諦めていると思います。
代わりに立てた生存戦略が吉本化です。

例えばソンチャンやアントンにパイや生卵を投げつけ、熱湯や氷風呂に投げ込もうものなら、日本の多くの女性からテレビ局に大ブーイングが飛ぶでしょう。
それで「ざまぁ！」と喜ぶ中年日本人男性はたくさんいそうですが、そんな日本人中年を前にして若い日本人女性が言うことは「信じらんないこのクソ親父！！」です。

ではジャニーズに身体を張らせるのはどうか。
恐らく｢概ね受け入れられ｣てしまいます。
勿論「誰が投げるか」と言う問題が残りますが、ジャニーズの生存戦略として「日本人男性にも受け入れられるように芸人化した」ように見えるんですね。
勿論それはそれで｢大変深刻｣です。

🌏外需を獲得せねばならないのに内需志向ﾋｷｺﾓﾘ

ネットでも「日本は内需国なんだから内需を回復させる政策を取れ！」と言うのが一般的です。
確かに「輸出（売上）だけ」を見れば日本は内需国なのですが、問題は「輸入（仕入）を考慮した時」に、本当に日本は内需国なのか、と言うことです。

ダイソーやキャン・ドゥで売られているものの多くは中国製でしたし、中国製でなくとも日本製ではありません。
iPhoneやMacBookは中国で組み立てられています。
Amazonは米国企業ですが、日本に商品を輸出しているわけではありません。
日本で現地法人を作って稼いだお金の何割かはアメリカに行くわけです。
ユニクロだって日本製は無いですよね。

売上だけを見たら外需依存度は低くても、仕入を考慮すると外需依存度が低いとは言えません。
再生不可エネルギーの原料は原発のウランも含めてほぼ全て外国依存、造船で使う鉄や食料ですら、かなり外国に頼っているのが日本の現状であり、海外売上が低下すれば輸入超過（貿易赤字）となります。
本来日本は内需型の経済体制とは相性が悪いのですが、それでも内需立国できたのは第一次ベビーブームによる圧倒的な人口ボーナスがあります。

今後は少子高齢化が進むので内需立国は不可能です。
以前も触れましたが、日本が低税高福祉ができたのは完全に人口ボーナスで、第一次ベビーブームがあった恩恵として国民皆保険が低保険料で実現できたのです。
多子化の恩恵で低税高福祉が出来たので少子化すれば高税低福祉になるのが当たり前なんですね。

人口減少によるペナルティで内需は冷え込むので、生産性を上げるには海外で売上を獲って来るしか無いのです。
しかし、日本人の多くは未だ内需志向ﾋｷｺﾓﾘです。

🌎ジャニーズの国際進出を阻む｢危篤ｲﾀい｣壁

ジャニーズは内向きだなんて批判してしまいましたが、結局ジャニーズも日本人の志向を可視化しているに過ぎません。
尤も、ジャニーズが国際進出をするのに当たって、大きな２つの壁があります。

①多言語化の壁
②従来の商習慣の壁

まず多言語化ですが、韓国アイドルは「最初から世界を獲る」と言う前提で動いていますので、当然のように多言語対応をしてきます。
少なくとも母国語、英語、日本語のトライリンガルが基本の型として出来上がっているんですね。

K-POP グループにおける中国出身アイドルの影響力と成功事例 | 世界大学ランキング１８７位の深圳大学 東京校

中国市場を奪るためには中国出身者の起用も行うなど、積極的な攻めの姿勢があります。
それはKｰPOPが韓国語と中国語に対応し、中国の需要も把握できることです。
一方、少なくとも今のジャニーズに多言語の壁は非常に分厚いです。
歌って踊れるだけでもシンドいのに多言語の壁ですからね。
新たな言語を習得するより身体を張る方が楽だったと言うのが、ジャニーズの芸人化を促進させた要素とも言えるでしょう。
これが「海外の女性にモテるより国内の親父に嫌われない戦略」を取ったのです。

次に商習慣の壁ですが、韓国アイドルはネット文化で対応し、ジャニーズはテレビ文化に対応してきた違いがあります。
やはり今もジャニーズの主戦場はテレビなんですよね。

ジャニーズ事務所自体が大きな成功体験を持つ歴史のある企業だけに改革は簡単ではないのですが、これが割と「１億総中流の成功体験」を持つ日本人中高年に当てはまってしまいます。

日本人女性も今や2人に1人が50歳以上です。
近い将来は5人中3人が50歳以上となります。
国内市場は嫌でも縮小しますが、果たしてジャニーズは自社を改革して海外市場を奪れる第二の創業をできるのか、それともこのまま衰退して倒産に向かうのか。
ジャニーズが抱えている問題と言うのは、割と今の日本人（特に男性）全体にも似たようなことが言えてしまうのです。