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同情はしても良い-但し同乗はするな
安倍晋三暗殺事件に関し、色々と警備の手薄さが指摘されていますが、本当に山上徹也の単独犯であるならば、あれは山上容疑者以外には1%の成功確率すらが無いでしょう。
あれだけ「警備が手薄だ」と言われようとも「安倍だけ」を「正確に」撃ちぬくのは不可能だからです。
あれだけ警備が手薄と言われようと、安倍の方が圧倒的に有利であったことは間違いないのですよ。
「1発目の銃声から2発目まで2秒もあっただろ!」とは言いますが、いざ実戦を前にすると2秒じゃ多分、反応間に合いません。それに素人なら1発目から2秒で2発目は撃てないでしょう。それくらい、山上容疑者の動きには「無駄が無かった」のです。
素人による犯行なら1発目から2発目までの間に多分5秒は掛かるんじゃないですかね(そもそも2発目を撃てるかどうか・・・)。
でも山上容疑者は素人では無かったということです。
彼は安倍晋三を概ね支持していた
しかし彼のTwitterアカウントが流出(?)したことで、彼は元々安倍晋三を支持していたことが分かっています。
どうもキッカケはこのツイートだと言われています。
![](https://assets.st-note.com/img/1658270885315-SNMzkKcpU0.jpg?width=1200)
山上容疑者と思われるアカウントは凍結されてしまいましたが、トゥゲッターには全ツイートがアーカイブとして残っているので、今も履歴を追うことが可能です。
実は極貧状態にある人間が安倍晋三を支持するのを見たのは、これがはじめてではありません。
昔、横浜に住んでる人間に安倍晋三を支持していた極貧状態の男がおりましてね。Microsoftの資格とかたくさん取ったのに、全く報われることなかった40代でした。
何を思ったか、実名で犯罪予告までしてたのですが、それを野党支持者が叩いていて「アホなことやってないではよ警察に連絡しいや!」と思ったものです。迷わず警察に通報し、まぁ警察も逮捕するのではなく、説得したと言っていたのを記憶しています。
まぁ私自身が幼少期は極貧状態にいたし、学校では虐めを受け、職場ではみんなの前で怒られたり暴力を受けたりと、そういう人生の連続でしたから、そういう気持ちは何となくわかります。
極貧状態を経験した身から見ると、例えばサイゼ論争とか結構嫌な思いさせられるのですが、あの論争なんか見ると「本当に日本は6人に1人も貧困がいる国なのか?」と疑問を感じざるを得ません。
「もしかして幼少期(或いは今とか)三食食えずカップ麺で腹満たしてきてるのって俺だけなんじゃないか?」と、そういう気分になりますよ。
そして、絶望を抱えた人間の最後に行きつく希望は破滅だって言うことは、往々にしてあります。
私自身、平和より破滅が愛しかったことなんて何度もありましたから。
そういう破滅願望が貧困層の安倍政権支持に繋がっていたんでしょうね。
宗教に家族の平穏を奪われ…
私は貧困から何とか抜け出している身分ですが、山上容疑者の場合、宗教によって「後から貧困にさせられた」という違いがあります。
この場合、もともと貧困だったケースに比べると絶望度は高いですね。
まして同志社にも受かっていた中で、母親が宗教にハマって中退する羽目になるのですから、統一教会に対する恨みもあるでしょう。
そして自衛官として勤務した後、経済苦に陥っている兄妹に保険金を遺そうと、かれは自殺を決意します。
未遂に終わりますが、最終的には助けたかった筈の兄に先立たれてしまいます。
三浦瑠璃のツイートから犯行を決意するまでに1年。
それでも彼が憎悪し続けたのは統一教会の教祖の家計である韓家であり、犯行時も別に安倍を憎んでのことではなかったでしょう。それでも韓家の1人を殺害するだけでも無理ゲー過ぎるし、仮に1人を殺したところで統一教会の内部分裂が収まって再統一されるなどの懸念があったと。
城で例えるなら韓鶴子が本丸で、安倍晋三は城門だったのです。
天は山上徹也の味方をした
かくして暗殺は実行されました。
宗教で家族が崩壊し、自死を企て、兄を亡くした山上容疑者に対し、気まぐれな神様は1度だけ、ただ1度だけのチャンスを山上徹也に与えることにしたわけです。
少なくとも山上容疑者の単独犯であるあらば、安倍晋三の暗殺に成功する確率なんて砂漠の中からダイヤモンドを見つけ出すくらいには難しい。
客観的に見れば偶然の重なりですが、まるで吸い寄せられるかのように安倍晋三の奈良(山上容疑者の縄張り)行きが決まり、手薄な警備、咄嗟に動けないSPなど、全てが山上容疑者を味方しました。
そして安倍晋三だけを「正確に」撃ち抜き、他に怪我人も出すことなく(実際にはパニックに陥った警官が女子高生に軽傷を負わせた)、拘束される。
この間たった10秒。
これは本当に天が山上徹也を味方したとしか言いようがありません。
山上徹也によって炙り出されたカルト禍
もともと山上容疑者は死刑になる気でいたでしょうから、この10秒に全身全霊を込めていたことでしょう。
そして、これまでの「無敵の人」と違うのは、彼が「安倍晋三だけ」を「正確に」撃ち抜いたことです。
そして周りがどれだけ「あの警備薄すぎだろ」と批判したところで、アレは「山上徹也以外には100%実行は不可能だった」と思います。実際、相手が山上徹也でなければ、あの警備でも充分だとは思います。
あの事件で炙り出されたのは日本が「カルト禍」にあったという事実です。
元より安倍晋三の靖国参拝は現役時代にも何度か問題視されていましたが、安倍晋三存命時はそれが外交問題としての側面しか見られてこなかった気がします。実際には政教分離の観点からの方が、靖国参拝はマズいものだったのです。
そして、靖国参拝をすべきだと言っていた面々が、揃いも揃って統一教会の支援を受けていたなどの関係が明るみになってきています。
尤も、靖国神社の考え方はアーリントンや千鳥ヶ淵の考え方(戦争で死んだ人が安らかに)よりも、韓国の儒教の方(死んでも働け)が近しいです。
統一教会も靖国神社もそれぞれは新興宗教ですが、考え方は共に儒教ベースというところは共通してますね。
山上徹也は宗教によって幸せを壊され、22年間も絶望と隣り合わせの人生を過ごす羽目になりました。犯行は私怨ながらも安倍以外には怪我人も出さず、その人生は同情の余地はあるでしょう。
但し、行動面では同乗してはいけません。
安倍晋三暗殺事件は「日本の政治に堂々とカルト宗教が乗っかっていた」ということが可視化されました。
本来なら「山上容疑者のような人間を出さないようにするために日本国憲法で定めた政教分離」です。山上容疑者の一件を受けて、信者二世の苦境などもしきりに発信されるようになりました。
山上容疑者の苦境に対して同情するのは良いと思います。但し行動面では同乗(真似)せず、どうすれば本当に生きやすい(サステナブルな)社会を創れるか、本当に考えないといけない時代になっていると思います。
第二第三の山上徹也を生まないためにも、一人一人が日本政治のカルト禍と向き合えると良いですね。
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