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カラオケ店への休業要請?:おいコールセンターを忘れてないか?

コールセンターに7年勤めていたクセに電話が嫌いな不肖こと、センチュリー・大橋です。
一応ヘルプデスク的なこともやってる手前、仕事で電話は使いますが、もうおんなじトラブルを起こす人は電話に出た最初の第一声で「コイツまたアレやったな」とわかってしまうので、もう詳細聞かずにサッサと事象を解決して電話を切らせます。
ところで緊急事態宣言がまた出されるそうで、カラオケ店は休業要請の対象になるかならないかって言われてますね。まぁカラオケで熱唱した挙句、妖精さんになってしまうというお話は聞いていますが、しかしカラオケが休業対象(検討)と聞いて「何か忘れてないか?」と疑問を持つものです。
その「何か」とは、言うまでもなくコールセンターです。

☎窓の無い部屋に密室:カラオケボックス状態

感染防止に当たっては、ウンザリするほど換気換気と言われていたでしょ?
電車なんかは真冬なのに窓を開けたりして「普通に風邪ひくわ!」って言いたくなるのですが、えー、基本的にコールセンターの入ったビルというのは窓が無いことが多いです。窓ガラスがあるだけ。開かない。そして、密集と密接が基本であり、常に三密状態で働くわけです。
カラオケボックスが感染を拡大させるということで休業要請の対象になるとしたら、それより密のコールセンターは休業要請が入らないといけません。
しかし、あろうことか、休業要請される以前に都自体が感染症にかかる相談窓口(コールセンター)を設けているのですから、本末転倒であります。しかも9時から22時!
この間、13時間にも渡り、都の用意したコールセンターはカラオケボックス状態になるというわけです。これでクレームの電話でもしよう輩がいるものなら、当然オペレータの声も張り上がりますんで、それはもうカラオケ熱唱状態。勿論オペレータの多くは勤務地へ『痛勤』しているのです。

☏客に電話をさせない仕組みを作るべし!

今の常駐先は50代以上の就労者が多いのですが、まぁ紙を無駄にする無駄にする。なんでもプリントアウトするので、プリンターがあっという間に壊れます。
頭を抱えた末に「印刷枚数の多い奴には罰を与えるべきだ」と中堅の人が言ってます。
「そもそも紙出ししなきゃいけないもの殆どないだろ!」
という声も聞こえるわけで、実は同じことがコールセンターにも言えます。

例えばですが、次の緊急事態宣言で「社会生活維持に必要なイベント以外無観客で開催してくれ」なんてものがありましたけど、コールセンターって今「社会生活維持に必要な存在」ですかね?
「わからないことがあった時にコールセンターが無いならどうすれば良いと言うんだ。コールセンター不要とか大橋は狂ってるんじゃないのか?」
もしかしたら当記事を見た貴方はそう思ったかもしれません。しかし私からして言えば「WEBコンテンツやサービスのマイページ、チャットツール、SNSの発達したこの時代にまだ電話に頼ってるの?」ってことなんです。
少なくともPCのトラブルや通信サービスについての基本的なことは、検索エンジンで調べればすぐ出てきます。ハッキリ言って電話で聞くより早いです。
皆さんスマホやタブレットは持ってるでしょ?
今ドキ高齢者だってスマホ持ってるんですから、んんなんチャット相談使えば問合せはできるわけです。ですが、こんなこと言ってると「うるせぇ、さっさと答えが欲しいんだから電話をしてるんだよ!」と怒られそうです。
でも、急いでる時ほど検索で解決できることは、検索した方が早いんですってば。だって貴方が問合せして回答する相手もまた、検索して回答を探すんですから。

☎そもそも問合せの9割は質の低い質問である

現役オペレータ時代、1日で取った電話の本数は最大で8時間164件、次は9時間で168件って言うのが最大ですが、この成績を達成するために必要なのは「如何に相手に早く切らせるか」ということです。
で、なんでこれだけ捌けたかっていうと、それだけ問合せの質が低いからです。サイトのQA見れば解決できる質問も、めっちゃ多い。それだけ下らないことで電話してくる消費者が多すぎます。
尤も、これは取り扱う商材によっても変化しますが、それでも「電話じゃなきゃ解決できないような場面」ってのは殆ど無いですね。良いとこクレームくらいでしょう。だからコールセンターはエッセンシャルにはなれないのです。
私のオペレータ時代の口癖は「こんな仕事中学生でも出来る」です。今でもそう思います。嘘だと思うなら、一冊オススメの書籍があります。
「ITサポートでよくあった問い合わせの本」です。初歩的な質問で電話がよく鳴る実体験が書かれてます。

コールセンターに入ってくる電話もだいたい初歩レベルです。
もう一度言います。コールセンターの仕事は中学生でもできます。
本当です。
但し、メンタルに不調をきたさなければ、ですが・・・。

☏人口減少&高離職率でどのみち持続不可

まぁ感染症と無関係にしても、日本は人口が減るうえ、コールセンターは高離職率を誇ります。作業ミスしたらこっぴどく絞られる割に賃金も安いですし、心の疾患も抱えやすい。経営側から見たコールセンターは単なるコストセンターの位置付けでしかありませんから、いずれコールセンターの運営は立ちいかなくなる時代がきっときます。
その時、すぐ電話に頼るような顧客は利益率が低いってこともあって、やっぱ切り捨てられる対象になるんじゃないかなと。とはいえ、チャットを使った問合せなんかは、AIの活用も進んでいくでしょうから、電話よりチャットで問い合わせるようにした方が良いとは思いますけどね。
でもどれだけ電話からチャットサポートへの切り替えを促しても、今まで電話でやってきた人にとっては「電話繋がらない会社とか最悪やろ!」で自発的に乗り換える可能性はゼロですから。なら電話で問い合わせるという行為に罰を与えるしかないのかもしれません。
ただ企業がユーザーを罰するなんて無理なわけですから、クラスター発生防止を言い訳にしたコールセンターに対する休業要請で、強制的にユーザーには自己解決能力を磨いてもらうのが良いですね。
365日で1日8時間以上カラオケボックス状態な職場、コールセンター。しかし、どれだけクラスターが発生しても、コールセンターへの休業要請は出なそうです。エッセンシャルな仕事じゃないんだけどねぇ、別に…。

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センチュリー・大橋
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