フライボール革命
ここ数年でメジャーリーグに広まったフライボール革命
日本プロ野球への影響を考察してみた
フライボール革命とは
(特に日本では)長年「バットは上から出せ」「フライを上げるな」という考えが根強くあった。
一方、メジャーリーグでは数年前からフライを推奨する考え方が流行っている。
なんでもプロ野球の投手が投げる160km近い球は、26~30度ではじき返すのが一番安打になる確率が高いという統計があるらしい。
これがフライボール革命。
その結果、メジャーリーグでは長打も増えているが、打撃角度を意識して強打する打者が増えたことで三振も増えている。
日本での浸透
柳田選手など、新聞記事等で個人レベルではちょこちょこと話題にはなるが、チームをあげて取り組んでいるという話はまだ見たことがない。
そもそも日本で浸透しにくい理由がいくつかあると思う。
まぁ球場の大きさ考えればイッテコイなところはあるけど。
まずは日本人のパワー不足。あくまでもメジャーでの数値の統計論なので、その統計がそのまま日本プロ野球に当てはまるとは考えにくい。
もうひとつは日本での少年期に受ける指導。
特に技術が伴わない段階では、ゴロを打った方が圧倒的に出塁率が高い。
フライは守備側は「捕る」というひとつの行為でアウトが取れる。
一方ゴロに対しては「捕る→投げる→捕る」の3つの行為が発生するわけで、当然その分ミスが発生する確率が上がる。
勝つためにゴロを打つ、この指導が少年期に刷り込まれていることがフライを打つことへの抵抗として存在しているのではないだろうか。
日本プロ野球におけるフライボール革命
2020年8月18日現在、セ・リーグでは読売ジャイアンツが2位に4ゲーム差をつけて快調に首位を独走している。
打撃数字を見てみると、チーム打率は高くない(.248 リーグ4位)
それなのに・・・得点効率がダントツで1位(1試合平均 4.58得点)
ん?打率が低いのに得点効率が良い?
もしかしてフライボール革命?
というわけで計算してみたこの数字
ホームラン率=ホームラン数÷安打数
※安打に占めるホームランの割合
【ホームラン率】
読売ジャイアンツ 17.6% (打率4位)
横浜ベイスターズ 12.1% (打率2位)
阪神タイガース 11.7% (打率5位)
広島カープ 10.7% (打率1位)
ヤクルトスワローズ 9.6% (打率3位)
中日ドラゴンズ 6.1% (打率6位)
巨人の数値がずば抜けている。これが得点効率に繋がっているのだろう。
球場の狭さに起因しているのかと思って調べたけど、数字はビジターの方が高かった。
もしかする巨人は、いちはやくチームとして打球角度を意識した打撃改革に取り組んでいるのかもしれないという推測で今回は終了。