日本で研究されてる技術や素材をもっとわかりやすく共有してほしい。
今年はコロナの影響でマスクが足りない!じゃあ作ろう!
そんな流れの中で高機能な素材へ注目が集まるはずが・・・
どこへ聞けば良いのかもよくわからないし、結果的には手元の素材と技術で製造することになっている状況各地で見られます。
中国で担っていた技術がほとんどのマスク。
それに変わる技術だって日本にはあるんです。例えばゴム。
今まで流通していたサージカルマスクはほとんどが海外製。ゴムだって単価は1m4円とかそんな価格。そもそも日本では相当量の製造をしないとその価格は実現しない。で手作りマスクを進めたい皆さんが困っている。
一方、日本でゴム紐製造できる技術をもった産地もあります。普段は高価格帯のジャージなどの製品などの高品質ゴムを製造されています。(元々マスク用のゴムは製造していないのですが、伸び縮みする紐を作る技術。その技術を生かして工夫して何とか製造し始めています)
今、手作りマスクに関われている産地はほとんどが平面素材を製造できる生地メーカーさんやその素材を入手可能な方々が今の所多いのではないでしょうか。
ですが、その技術をもっと活かせるような素材があれば、素材と出会える機会があれば、小さな企業のマスクのレベルはもっと変わるかもしれないし平面素材を製造できない産地でも素材に出会うことでもっと各地の生産量も上げられる可能性があるかもしれません。
そういった少し横側にある情報の連携が遅いために、まだまだ知られていない技術や素材を知らずに目の前で機会損失していることも事実。
そういった技術や素材の研究機関は大学にしかないのでしょうか?
殆どの皆さんが大学の先生に相談されるケースが多いかと思います。
日本で技術や素材など研究されている先頭の情報を求められているにもかかわらず、日本各地にあるはずの優秀な技術や素材を僕らはあまり知らない。。
そんなことを周囲に漏らしてみると段々と近づいてくるもんでしょうか、
ブツクサ言っておりましたら、あちこちの自治体や行政の方から教えてもらうことに。で、数年前からそういった研究機関の方々と出会う機会が増えてきました。
日本各地にある「産業技術総合研究所」
デザイン業界がなかなか出会う機会が少ない研究所。
日本各地にあります。
**
『1000億円程度の予算を持つ日本最大規模の国立研究開発法人であり・・・「エネルギー・環境」「生命科学」「エレクトロニクス・製造」「情報・人間工学」「材料」「地質」「標準・計測」の7領域を主軸に、日本の産業技術の多くを網羅している。』**
日本の産業技術の多くを網羅している、ざっくり言うと国の機関です。
僕らは以前に山梨の産業技術総合研究所の方々と取り組んだ害獣被害の鹿革の捕殺事業の食肉と革の再利用企画のお手伝いをさせて頂いた事があります。
**
山梨県と取り組むニホンジカ有効活用方策プロジェクト**
今、山梨の富士山の麓にいるニホンシカが・・・
だそうでして、増えに増えたこのニホンシカが原因で作物被害が。
で、国産鹿の食肉としての再利用と、肉の再利用から出る皮の再活用ができないのかそういう課題を山梨の産業技術総合研究所では進めてらっしゃいました。
皮の再活用するにもすぐには難しいんですね。肉に関しては加工センターを作り
管理と流通できる仕組みへと進められました。皮は・・・鞣さなければ革になりません。製品加工できる技術がない産地ではそういったことも非常に大変です。
そしその状況を甲州に伝わる伝統工芸の技術と兵庫県の革を製造できる鞣しの技術とを交わらせることで解決するお手伝いもさせて頂きました。
捕殺事業から始まったこの企画は、2019年より山梨県の地域ブランドとして認定されまして、ハンター、食肉加工事業者、甲州印伝職人、地域の方々と持続可能な取り組みを進めています。
で、こういった技術や素材を研究されていた方々との出会いがキッカケで、
研究と製造業とデザイン事業が上手く連携と協業できた事例だと思います。
僕らもこういった機関とつながることでまた新たな解決する仕組みを学ばせて頂きました。
こういう経験から、もっと民間事業者とリンクできる方法がないのか。あれば、もっともっと加速するのではないかと感じました。ただ、地域で活動する機会が多い僕らでもこういった研究関係者と出会うことは非常にレアな機会なわけで、クリエイティブ業界は普通に出会うことがなかなか少ないのです。
研究成果は関係各社の中だけで共有されているケースが非常に多い。縦割り構造。
各地で埋もれている研究と出会うには、研究されているその場所の皆さんから
少しでも良いので他の皆さんへ、もっと世の中へ知らせて欲しいと思っています。
うちのオカンがわかるような資料を。
素晴らしい研究成果も、製造などの現場でも大きく活きることで、世の中に役に立てることは多いはず。
大学の研究成果も日本各地の製造業者で繊維とか陶器とか困っている方にとってみれば新素材や新技術で自社の状況を少しでも脱せられる、救われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ちなみに、研究された資料も目にすることがありますが、
専門用語やグラフや見たことのない数字などが並ぶその資料は見ても読んでも
チンプンカンプンなのです。ってことは関係者だけが理解できる資料だと、
普通に公開されてもわからない。
うちのオカンがわかるような資料ではない(笑)例えば文系学生でもわかりやすい町工場の現場人もわかる活用方法の例など、わかりやすい伝え方をしてほしいなと。誰がどんなふうに恩恵を受けるのか見えづらいと、その素材や技術を展開させていきたくても難しい。
今は防災だって、抗菌だって、介護だって、まだまだ世の中に必要とされている新しい素材や技術はあります。研究現場にはまだまだ今の状況を解決できそうな沢山の情報があるはずだと。
日本で研究されている皆様には専門機関の難しい発表資料をぜひ一般企業の皆さんに咀嚼した資料を制作していただくことを切に願います。もっと広がるはずです。
何度もしつこく書いて恐縮ですが・・・
日本各地のモノづくりのお困りの課題を
クリエイティブやデザインの仕事だけで解決するのは限度があると感じています。
一方で職人の丁寧、手仕事、日本製で乗り切れるのも難しくなってます。
そんな縦割りの構造を横へと掘削していく面倒くさいことに挑んでくださる、
気概のある研究者の方はぜひご連絡頂きたいです!
越境事案と越境人材を各地から生み出していくために、
ぜひともお互いのムラから一歩踏み出しませんか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?