見出し画像

どこにでもあるなら、何かを変えないと難しい

製造業の6次化が加速して各地で色々な商品が生まれておりまして、僕らも地域のお仕事で伺う際に必ず立ち寄る場所があります。道の駅や売店など地域商材の売っている売り場です。ここ10年ですごい増えまして、すごいデザインも変わりました。

その中でどの産地でも目にするのが

「お茶」と「ドレッシング」

このジャンルが展開されていない産地は無いと言われているくらいに目にします。作っていない産地が無いと言われているくらいですから、当然ですがその土地々々でも同じ様なジャンル商品は沢山店頭に並んでいます。

そもそも、なんでこんなに各地にお茶が多いかというと、開発へのハードルが低いからかなと思います。例えば設備。酒のような設備を要する、資格を要するような商材は個人事業者にはかなりハードルが上がりますからいきなり進めていくには難しくなります。

お茶などは個人の方が台所で製造されても販売可能なジャンルと言われています。パッケージも市販の袋で小分けしてシールを貼ればとりあえずは出せます。量産ができなくとも、地域でこじんまりと売るにも適した商材と言われてます。

そしてそれなりに日持ちもしますので越境販売もできる。
生鮮食品など一次商品と違って都市部への催事などにも持ち込みやすくなります。

小さな事業所や個人でも開発しやすい商材ですので、スタートアップには適している商材の一つでもあるので、各地で開発された商品で目にする機会が多いというわけです。

ですが、それだけに各地の皆さんはチャレンジしやすい分、同じ商材はあちこちで作られるわけです。当然ですがその地域内でも競争は生まれます。

かんたんな差別化は「安く売る」でしたが、
ここ数年は「デザインで見え方を変える」流れでやってきました。

ですが、各地の物品のデザインのレベルも上がってます。また差別化できるポイントが実装していかないといけなくなります。パッケージを少し頑張っただけではポイント差が少ないわけですから、小さな事業者の価格の少し高いお茶は段々と厳しくなってます。

で、皆さんがお題目のように唱える3つの言葉があります。

「ていねい」で「手仕事」で「日本産」

各産地の小さな事業者はこの言葉を常に話します。

が、日本国内で販売されている小さな会社の商品の殆どに言えるこの言葉。
隣の商品も、またその隣の商品も同じようなセールストークが続くわけです。

今では買う側にすれば聞き慣れすぎた言葉です。

で、次はこう言われます。

「飲んだらわかる」「食べたらわかる」「使えばわかる」

そりゃそうでしょう(笑)
でもその場で生産者が販売していないケースだってあれば
通販であれば難しいこともあります。

ニュースにもなりづらい商品だとメディアにもなかなか取り上げてもらうのも難しくなります。どういうお茶なら良いかという視点も開発する上で考えてからデザイナーに頼んでみることもとても大事だと僕は思っています。

ちなみに僕らが京都のお茶屋さんと開発したお茶はこちら。

画像1

「お便りになるお茶」

画像2

切手を貼って送ることができます。てがみ茶。

画像3

届いたらお茶を楽しんでいただけます。

ただ、こういったことはすんなり行くわけではありませんので
なかなかアイデアが浮かばないケースも有るかと思います。

その時はデザイナーさんへデザインを頼むだけではなくて、企画やアイデアもお願いすることになるわけです。そもそもパッケージのデザインだけをお願いするのか、企画部分もお願いするか、それだけで価格も変わるわけです。

「いい感じのお茶のデザインよろしく~」はデザインする者たちは悩みます。

頼んだ分だけの要素分のクリエイティブの料金はかかります。地域のデザイン会社の皆さんと話すたびにこのことで悩まれている方は多いなと思います。

デザイン経営って言葉は都会のエリアを超えてはいないなと感じます。
各地域の事業者さんお願いです、地域で頑張るデザインの仕事人たちへもう少しご理解いただけるとありがたいです。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?