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24/11/24 キメキメの酒(醸造体験3日目)

御徒町の醸造所BookRoadさんで参加させてもらっているワイン醸造体験の3日目。友人と5人で、マルヴァジアの白ワインをつくっている。

今日は澱引きと、瓶詰めだ。

朝10時に御徒町のBookRoadへ集合。日曜の朝からきちんと集合してて偉いと思うけれど、誰も褒めてはくれない。好きでやっているので。好きでやっていることは、たいてい褒められない。

地下鉄の駅から出たら、人がぜんぜんいなくて、お店も閉まっていて、空気も冷たいし、空も青くて、ワインより珈琲の方が似合いそうだった。

澱引きは読んで字の如く。タンクのそこにたまった澱を除くために、タンクの上の方のワインだけを別タンクに移す作業だ。高低差を利用してホースのようなものを使い、タンクからタンクへ移す。灯油を入れるときのような作業。

それが終わったら、ワインボトルを選ぶ。

いかり肩のような形のボトルはボルドー型、なで肩はブルゴーニュ型。ボトルの色も、透明だったり、グリーンがかっているものがあったり。何通りかの中から選択。好みでいい。友人と、せーの!で指を指して決めた。

ボトルを逆さにセットすると下から噴水のように水が出る装置でボトルを洗う。オクトーバーフェストとかで見るようなアレ。20本くらいのボトルを洗いながら、どうにか効率化できないかと考えてしまう。ボトルセットする人と水出す人分けたほうがいいかなとか。いや私は次の工程の準備にいきましょうとか。

せっかく友人同士でやっているのだから、効率よりも楽しくしゃべりながらきゃっきゃとやればよかった。

ボトルの水を切ったら、ワインを詰める。ボトルを斜めにして、ワインが泡立たないように注意。意外と量の調整がむずい。

コルクを入れるのは、専用の器械がある。ボトルをセットして、コルクをセットして、上から大きなバーで押し込むとコルクが入っている。意外と力と勢いがいる。勢いが足りないと、コルクの頭がちょっと飛び出したままの不格好なものになるので注意。片足で機械の土台を踏んで支えながら身体ごと力を入れる。

ワイン詰め担当とコルク担当を友人と交代しながらやる。先程の反省を活かして、積極的に和気あいあい喋ろうと思っていたら、普通に手元を見ていなくてワインをこぼした。もったいない。びしゃびしゃの指を舐める。美味い。

最後にキャップシール(コルクの前にペリーって剥がすやつね)をくっつけるので、キャップシールを選ぶ。これも種類がある。

世話をしてくれた醸造家さんは「この醸造体験はただワインつくりましょうじゃなくて、私の仕事そのものを体験してほしいの」という。「ぶどうの種類、発泡させるかどうか、ボトルもシールも、決めることがたくさんある。こういう決断の連続っていうことまで、知ってほしいんですよ」。

「決める」っていうことまで含めて、自分たちでやらないと意味ないんだな。

キャップシールは上からパクっと被せて、ドライヤーの熱でボトルにくっつける。指に当たると激熱。

最後詰めきれなかったものがタンクに少し残ったので、みんなで飲んだ。朝10時台から、グラス1杯強のワインを飲む。誰も褒めてくれなくていい。酒に肯定される休日だ。

作業は全体1時間くらいで集合した。友人たちと解散したあと、天気がいいので上野まで歩く。ラーメン屋さんの大行列がいくつも目立っていた。

上野は朝11時でも、飲めるお店が普通にある。秋の強めの日差しで、生ビールのジョッキがキラキラしているのが羨ましかった。自分も飲みたいなと思いつつ、すでにワインでいい気分なので、この高揚を上書きしたくないなという気持ちでそのまま駅へ向かう。

次は、ラベルを貼って最後。もう年末なんだなと思う。


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