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ためになるお葬儀知識①

ハーゲンダッツよりも断然明治エッセルスーパーカップ派のケルティック☆タイチです。
わんばんこ。

私はミュージシャンを辞めた後にいくつか仕事を転職しているのですが、その中でも珍しいのは葬儀屋の経歴ではないでしょうか。
実は厚生労働省認定「葬祭ディレクター2級」も持っています!
何の役にも立ちませんが。

今日はそんな奇特な職務経験を活かして、役に立つ情報を書いていきましょう!
いつも役にも立たない戯言を吐いているばっかりじゃないんだからね!

ちなみにこのお葬儀知識編は、気が向いた時に随時追加していきます。
今回は第一弾です。

葬儀社にも種類がある

世の中には色々な葬儀屋があるんですが、あまり詳しく知っている人はいませんよね。
そりゃあ誰でも人の死に関わる事はなるべく考えたくないし、葬儀なんて好き好んで行うものでもないですから。
それに、自分が施主となって葬儀に携わる回数なんて、どんなに多くても数回ですよ。
数十回とやる人は、ほぼいないはずです。一族の長くらいですかね。

ですが、なんの縁があったのか私は葬儀屋で3年ちょっと仕事をしていた経験がありますので、いざ大切な方が亡くなってしまった時に戸惑わないよう、役に立ちそうな情報を共有させていただきます。

葬儀社の種類は3つ

一言に葬儀社と言っても、実は大きく3つに分類する事ができます。

  1. 互助会をやっている葬儀社

  2. いわゆる街の葬儀社

  3. ネット系の葬儀社

まあ、これだけ言われても何のこっちゃだと思いますので、それぞれ掘り下げて行きたいと思います。

1.互助会をやっている葬儀社

互助会制度はご存知でしょうか。
相互扶助の精神で設立されたもので、会社や組織、業界などによって形や内容は違えど互助会組織があったりしますよね。

葬儀業界の互助会は「冠婚葬祭互助会」というものになります。
葬儀だけでなく、「冠」=成人式、「婚」=結婚式、「葬」=葬式、「祭」=祭典、式事(七五三とか入学、卒業とか、長寿祝いetc…)に使えるものです。

この冠婚葬祭互助会(以下、互助会)、実は厚生労働省の認可を受けた営利事業の一つなんですが、世間一般には「お金の積み立て」と勘違いされている事がほとんどです。
声を大にして言いますが、互助会は積み立てじゃありません!
葬儀(冠婚葬祭)に使用するサービスを前金で支払って、そのサービスを受ける権利(役務)を買うというものです。
(この方法を前払い式特定取引と言い、割賦販売法の対象となります)

ちょっと難しい言葉が並んだので、簡単に説明します。
互助会は将来起こる冠婚葬祭に向けて、事前に準備するものです。
ここでは葬儀に特化して説明しますね。

葬儀は沢山のお金がかかります。
そして突然やってくるものです。

なので、事前にそれに備えておこうという考えなのですが、お葬儀には絶対に必要なものがいくつかあります。
例えば、祭壇、お棺、骨壺、などです。本当はもっと色々あるのですが、とりあえず。
互助会とは、こういった葬儀に必要なもの一式を互助会に入った人のみ格安で利用できる権利を、事前にお金を払って買うという事です。

ここで肝になるのは、葬儀に必要なもの一式を、互助会の会員じゃない人が用意した場合、互助会員よりも高いという事。

じゃあなんで同じものなのに、互助会員の方が安く利用できるのか、ですが、これが相互扶助ってやつです。
互助会員が事前にこれらを使う権利を購入すると、葬儀社はお金が入ります。
葬儀社はそのお金は本来葬儀が始まるまでは保管しておくべきなのですが、法律で「半分は保全義務あるけど、半分は使ってもいいよ!」となっています。
なので、葬儀社はその使ってもいい半分のお金をもとに、立派な会館を用意したり、霊柩車を購入したり、いわゆる事前投資だったり設備投資にお金をかける事が出来るんですね。

事前に集めたお金でサービスを充実させる事により、その葬儀社を選ぶお客さんは増えます。
すると必然的に儲かります。
なので、その利益還元という名目で互助会の会員は、一般の方よりも安くサービスを受ける権利を得る事が出来るというわけです。

ここで注意したいのは、この互助会費は積み立てではないので、途中解約した場合、今までのお金の全額が返ってくるわけではなく、解約手数料(概ね5%から20%程度)を引かれた額が返ってくるという事です。

これを知らない人が多く、実際に裁判になったりするケースが見受けられます。
まあ、これに関してはまた気が向いたら別記事ででも説明します。

さて、そんな互助会をやっている葬儀社の特徴ですが、基本的には総じてサービスが充実しています。
自社でセレモニーホールを持っている事がほとんどですし、直葬、1日葬、家族葬、一般葬、社葬など、どんな規模のお葬式にも対応できるだけの会社規模を持っていると言えます。

その代わり、値段もそれなりに高く、互助会で保証されているサービス内容だけでは絶対にお式は出せません。
大きな病院とかと提携している事も多く、互助会会員でなく、葬儀社なんてどこも知らないという人が、病院で紹介される葬儀社のほとんどはこの互助会系の葬儀社でしょう。

テレビCMなんかをやっている葬儀社はだいたいコレです。

2.いわゆる街の葬儀社

互助会はやっていないけれど、地元で葬儀をやっている会社です。
自社でセレモニーホールを持っている場合もありますが、ホール自体を持っておらず、火葬場での施行のみを行っている会社もります。

規模によっては会員制を取り入れており、有料会員になったら葬儀が安くなるシステムを導入していたりします。
その場合、互助会と違い毎月の積立ではなく、入会金として最初に10,000円程度の金額を徴収する形になります。
互助会費と違ってこのお金に保全義務はありませんので、会員を辞めた際に返金されるか等は、その葬儀社によります。

自社ホールを持っている会社は、互助会ほどの規模ではないものの、一般葬や家族葬に対応出来るくらいのホールを持っている会社がほとんどですが、最近は家族葬専用ホールなどといった比較的小規模なホールを新しく作る会社なんかも多く見られます。
小規模ホールならコンビニ跡地の居抜きなんかも出来ちゃいますからね!

じゃあ、セレモニーホールを持っていない葬儀社はどうするのか、というと、地域の火葬場というのは必ず葬儀用のレンタルホールも併設しているので、そういった場所を利用して葬儀を行います。

葬儀業界って結構縄張り意識が強いので、地域密着でやられている会社さんが多いのも特徴です。

3.ネット系の葬儀社

イオンのお葬式や、小さなお葬式などと言った、ネットで葬儀仲介をしてくれる会社の総称です。

ネットで「葬儀」などと検索すると上位に表示されるのはこういったネット系の葬儀社でしょう。
特徴としては価格が安く、基本的にすべてコミコミの価格提示という事です。
なんで価格が安いのかというと、自社でセレモニーホールを持たず、また、式の施行も行わない為です。
いわゆる葬儀の仲介を行っているからです。

ネット系の葬儀社はお客様の葬儀依頼を、提携している企業に丸投げします。
その提携先というのは上記の互助会をやっている葬儀社だったり、街の葬儀社だったりするわけです。
なので、小さなお葬式のHPを見ると、この互助会系の葬儀社のホールも、街の葬儀社のホールも、どこでも使用できるように記載されています。

大手互助会であろうと、街の葬儀社であろうと、お式の予定がない日というのはホールが暇になっているので、そういった空きのある日を作らないように安価でもいいから葬儀の予定を埋めたいという企業側のニーズと、なんでもいいから安価で葬儀をしたいという消費者側のニーズをうまくマッチングさせるているのがネット系葬儀社の強みになります。
なので、施行企業に対しても「この値段でやってください」と強気に言えますし、消費者も安価での式をあげられるわけです。

しかし注意しなければならないのは、式自体を執り行うのは依頼を受けた葬儀社となりますので、サービスの品質はその葬儀社によりけりという事です。
また基本的に安価な葬儀の為、施行する企業も儲けが少ないので、自社の顧客に比べて後回しにされてしまう傾向もあります。

まあ葬儀業界の中ではあまり歓迎はされていませんが、消費者にとってはネットから気軽に、かつ安価で葬儀の依頼が出来る為、需要は多いという状況です。

葬儀社によるメリット・デメリット

上記で説明した通り、葬儀社は大きく三つにカテゴライズされるわけですが、それぞれのメリデメについて簡単に説明します。

互助会系

メリットはなんといっても総合的なサービスの質が高いのと、セレモニーホールが新しくて綺麗なところが多い事です。
互助会系は基本的に葬儀だけでなく、料理からお花まですべてを自社で手掛けている事が多く、その分自由度も高く品質が高いと思います。
もともと資金のある会社ですから、設備には投資できるのが強みです。

反対にデメリットは料金が高くなりがちなところ。
葬儀に詳しい人であれば必要最低限のものをチョイスし、安価で済ます事もできますが、世の中葬儀に詳しい人なんてほとんどいません。
見積担当の人が提示した内容を精査して文句を言える人なんて本当に稀です。
なぜなら、葬儀の見積をする時というのは、大切な人が亡くなった状態なので、冷静になれていませんし、時間的な余裕もないからです。

葬儀社というのはそういった消費者の状況を知った上で、高い見積を提示している部分も往々にしてありますので、あとで後悔する方も多いという業界です。

あと、もう一つデメリットを。
サービスの品質は担当による、という事です。
葬儀業界って基本ブラックですし、業界内で転職している人がごまんといます。
大手互助会だからこそ、働いている人の数も多いので、良い担当と出会えるかは完全に運です。
この後、街の葬儀社についてのメリデメに触れますが、この担当ガチャに関しての当たりはずれは大手互助会の方が振れ幅が大きいと思います。

街の葬儀社

メリットは比較的価格を抑えられる事です。
ネット系に比べれば高いですが、互助会系の大手葬儀社に比べれば良心的な価格のところが多いです。
まあ、所詮は街の中小企業なんで、その会社によるという身も蓋も無い事を言ってしまうわけですが(笑)

もう一つメリットがあるとすれば、それは地域密着で少人数制だからこそ会社の方針がスタッフにもダイレクトに反映している、という所です。
社長自ら施行を担当したりする会社もありますから、親身になって対応してくれるところはとことん親身になって対応してくれます。
反対に事務的に徹しているところは、とことん事務的です。
いい意味でも悪い意味でも、会社の方針が反映されやすいという点は、見方によってはメリットだと思います。

デメリットはサービスの品質が会社によって本当にピンキリなのと、自由度が低いというところ。
品質にムラがあるのは上記でもなんとなく察していただけると思いますが、自由度が低いというのは、大手互助会であれば多種多様な祭壇、返礼品、料理、お花、棺桶、骨壺etc…と商品ラインナップが用意されているのに対し、街の葬儀社は基本的数種類しか選択肢がありません。
もう少しいい物を……とか、もう少し気の利いたものを……みたいな要望には応えられないケースが多いという事は、知っておいた方が良いと思います。

ネット系

メリットはなんといっても価格です。
コミコミで本当に安いです。変にオプションとかもつけられる事が少ないので、必要最低限のお式を出すにはうってつけです。
大手葬儀社と提携しているので、セレモニーホールの選択肢がべらぼうに多いというのもメリットですね。

デメリットは、葬儀依頼をした後はすべて提携先葬儀社頼りになってしまうという事です。
葬儀は大切な方が亡くなり、ほとんど経験のない手続きなどをしなければいけないので、残された遺族は不安に陥りがちです。
そんな時に頼りになるのは、やはり葬儀のプロである葬儀社のスタッフなのですが、ネット系の場合、寄り添ってくれるスタッフはいません。
ネット経由での葬儀依頼は、委託先葬儀社にとっては優先順位の低い葬儀となるので、必要最低限のサービスしか提供してくれません。
これは消費者も承知しておく必要があります。
安価かつ、仲介会社の手数料もある以上、葬儀社のサービス品質が悪くなるのは仕方のない事です。
そういったサービスを求めるのであれば、ネット経由(仲介)ではなく、葬儀社に直接依頼をした方が良いのです。

まとめ

はい、というわけで今回は基本の基本、葬儀社について大きく三つ解説しました。
葬儀って悲しい事なので無ければ無いに越した事はないのですが、絶対に避けて通れないものでもあるのです。

いざという時に慌てない為にも、葬儀の知識は頭の片隅にでも置いておいていただければきっと役に立つはずです。

最後に、ここで書いた事は私の主観に基づいておりますので、この記事を読んでトラブルに巻き込まれたりしたとしても、一切の責任は負いかねますのでご承知おきください。

では、また気が向いたら葬儀知識について更新します!

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