ビートルズと洋楽に嵌った日々
おまけにつけてもらったビートルズの4曲組のレコードを聴いて世界はすっかり変わってしまった。それまで学校の友達が夢中になっていた日本のアイドル、当時は昭和歌謡の御三家に女の子はキャーキャー言っていたけど、なんかピンとこなかった。ビートルズは自分達で歌を作ってるんだ、楽器を弾いて歌も歌ってるんだ、とそこにびっくりして、中学入ったばかりで習い始めの英語の歌詞を必死で分かろうとした。
そして自分で買った最初のLPレコードが上のRubber Soul. なぜ中学生の分際で当時1800円もするLPが買えたかというと、私は親元離れて1人暮らし(正確には共同自炊)をしていたので、月に一度食費が親から送られてくる。それをLPに回しただけのこと。でも、そうすると自分の食費がなくなる訳で、中学の頃はお昼は食べられない日がちょくちょくあった。それでもビートルズのレコード買う方が遥かに嬉しかった。ビートルズの時代は曲は3分以内の制限があったらしく(放送の関係で)、新曲は3カ月に1回出ていたし、LPも年に何回か出てたのかな?いつも水前寺レコードで買っていたので、結構な頻度でお昼ご飯は食べられなかった。
熊本はテレビもラジオも局が少ない。ラジオもNHKと教育ラジオとRKKという熊本放送だけ。そのRKKでは洋楽がよくかかっていてビートルズやその他のバンドがかかっていたし、リクエストもできた。情報が少なかった時代はそういう放送を必死で聴いたものだ。そしてリクエストの葉書や電話もした。ビートルズ以外にローリングストーンズ、デイブ・クラークファイブ、ジ・アニマルズ、ホリーズなどなど。1960年代のブリティッシュロックグループは沢山あった。
その放送局がビートルズのファンと一緒に番組を作り上げるといった企画があり、応募して見事当選した。その番組のDJといっしょにビートルズのことについて色々話して、すごく楽しくて記憶に残る体験をした。
しかし、当時はビートルズを聴いているというだけで学校では不良扱い。授業中に名指しでそれを言われたこともある。けど、あまりそんなことは気にしないし、実は学校の勉強はそこそこできたので、それ程問題になることもなかった。
そして中学校に入っても続けていたバイオリンだけど、ある時先生が「もし音大を目指すつもりならそろそろソルフェージとかもした方がいいよ」と。
「私将来は医療系に行くことに決めているので、音大はいかないです」と生意気にも中坊の分際で答え、音大に行かないならバイオリン続けちゃいけないのかなと中2でバイオリンはやめた。