ぇ? 調律なんかしないほうがいいんじゃないの?
ある音の周波数を2倍にした音を1オクターブ上の音と呼ぶ。1オクターブ違う音を同時に鳴らすと綺麗にハモる。その次にハモるのが周波数を3/2倍にした音。ドとソの関係。完全5度と呼ばれる音程差だ。このハモる音程を積み重ねていって,
ドの周波数を3/2倍した音をソ
ソの周波数を3/2倍した音をレ
レの周波数を3/2倍した音をラ
…
と順次名前をつけていく。これを12回繰り返すと概ねドの音に戻る。音が高くなったら,周波数を半分にして1オクターブ下げればOK。これで1オクターブを構成する12音ができる。ぁ,ド# とかも含む半音階でできた全12音ということね。
残念ながら,こうやって12回繰り返したあと音は,元のドと微妙にズレる。そこで,どこかの音の間隔をちょっと変えて無理やり合わせる。
このズレをどう振り分けて1オクターブ内の音を決めるかには沢山のお流儀があって,ある音に対するハモリを追求した純正律がいいよねとか,いや,純正律は特定の音階以外では和音の響きが悪くなるよねとか,まぁ,とにかくいろいろある。ちなみに,このズレのしわ寄せを,全ての音に均等に振り分けたのが,現在よく使われる平均律だ。
しかし,そもそも,1オクターブを12個ではなく,5個とか7個とか19個とか31個とか72個とか96個とかに分けたって構わない。ぁ,ハ長調とかは,上のような方法で12個に分けた中から7個を選んで作られる音階だね。
インドネシアのSalendro Scaleと呼ばれる調律法は1オクターブ5音とする音階(ペンタトニック)だ。どのように分けるかは地域によって違うが,ジャワでは概ね均等(5平均律)らしい。 ただ,楽器を全部同じ音程に調律するということはしない。むしろ楽器ごとに音程が少しずつ違うから,合奏すると綺羅びやかで神秘的な音色が生まれるよねという発想らしい。とにかく規格化していく西洋的発想と真逆で面白い。
琉球音階も1オクターブ5音の音階を使うので,もしかするとSalendro Scaleなのかと思って調べたが,こちらは所謂レラ抜き音階(ドミファソシ)で,ジャワ式のSalendro scaleとは少し違う。でも,地域によっては音程が違う云々の話もあるので,ルーツは同じかもしれない。
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