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日本昔ばなし風 桜島と霧島

祖母から聞いた話です。

むかしむかし、桜島山の神様と、霧島山の神様はお互いに背比べをして、自分のほうが高いんじゃ、と言い張って譲りませんでした。
そのときの二つの山の高さは同じぐらいでした。
そこで、次に山にきた旅人に決めてもらおうと話をしていました。
そして、そこに旅人の老婆がやってきました。二柱の神様はどちらの山が選ばれるか見守っていました。
老婆は、霧島山に登り、その頂上に履いていた草鞋を置き、新しい草鞋に履き替えました。
そうです。草鞋の分だけ、霧島山が高くなりました。
それを見た桜島山の神様は、悔しさと腹立ちの余り、どっかーんと爆発してしまいました。
噴火は凄まじく、桜島は山頂を吹き飛ばし、とうとう大隅半島と繋がってしまいました。
結局、霧島山のほうが背が高くなってしまったのですが、桜島山の神様は今でも、怒ったままで今日ももくもくと煙をはいています。

おしまい。


似た話をどこかで見た気がするのですが、検索しても出てきませんでした。
昔、旅で草履は履けなくなったら新しいのに履き替えて古いのはそこに置いていったそうです。大抵の農家の軒先には農作業の合間に作った草鞋が吊るしてあり、旅人はその草鞋を軒先から購入して旅を続けたといいます。
桜島が陸続きになったのは大正噴火(1914年)の頃なので、実際はそれほど昔ではないですね☆


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