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日本昔ばなし風 免村
末妹がいたく気に入ったらしいのが免村の話。昔話風に書いてみる。
「筑紫国続風土記巻二十一 早良郡 下 免村」より(意訳)
むかしむかし、免村という場所に大金持ちの百姓が住んでいました。彼は大きな屋敷を建て、贅沢な生活を送っていましたが、ある日、屋敷のどこからか出火し、火事になってしまいました。彼は火を消そうとしましたが、消えず、とうとう屋敷は燃え尽きてしまいました。彼はお金持ちだったので、再度屋敷を建てましたが、前回よりも大きな屋敷となりました。
しかし、その後また屋敷内の臼の中から出火し、屋敷は燃えてしまいました。彼はまた新しい屋敷をたてましたが、その後も屋敷内から出火し、屋敷は何度も燃えてしまいました。
何度繰り返したかわかりません。とうとう彼は貧しくなり、使用人を雇うこともできず、夫婦で小さな小屋に住むようになりました。しかしその後、家が燃えることはなくなりました。
なぜ彼がこんなにも不運なのか、何か悪いことをしたのかと疑問に思いました。その答えは彼の親にありました。彼の親は、旅のお坊さんに宿を貸し、そのお坊さんが持っていた多くの銀に目がくらみ、彼を殺して銀を奪ってしまっていたのです。その報いということでした。
同様の話は、国中にたくさん伝えられています。
「天の道理は、良いことをする人には幸せを与え、間違ったことをする人には禍を与える」と言います。また、「良いことをすれば多くの幸せがあり、悪いことをすれば多くの禍がある」という言葉があり、これは本当に大切なことです。(書経より引用)
古い言葉(『天道好還』初出は老子?[鳴鳳記]の頃にはその文字が見える)によると、天の道理は自然に元に戻すようになっており、善悪ともに報いがあると言われています。天の道理はとても厳しいものなのです。
土地の言い伝えに追加して書経等の一節を引用するなんて、さすが貝原益軒さんは学者さんです。すごいですね。
(原文に存在するが、現代に照らして合わない箇所について、訳を割愛しております。ご了承ください。)