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食とED①
日本人男性の1130万人もの方が悩むといわれる
勃起不全(ED: Erectile Dysfunction)。
EDの方は、「動脈硬化の病気」である「狭心症・心筋梗塞・脳卒中など」を引き起こすリスクがあります。つまりEDがある場合、早死(ED: Early Death)のリスクがあります。
EDは、狭心症・心筋梗塞・脳卒中などと同様、動脈硬化でおこる血管の病気です。
陰茎の血管は心臓の血管の1/2-1/3です。
EDの方は、胸痛などの症状がなくても心臓血管が詰まっている可能性があり、
ハーバードハートレターによると、心臓血管病の3/4の方がEDを持っているようです。
バイアグラに代表されるEDに対する薬剤は、酸化したコレステロール+炎症によってボロボロになった陰茎血管の中にむりやり血液を流す事によって、勃起状態を維持します。
これらの薬剤は、サイクリックGMPという血管を拡張させる物質を増やし、勃起状態を作ります。サイクリックGMPは、一酸化窒素(NO)から作られます。その一酸化窒素(NO)は、アルギニンにより産生され、アルギニンはシトルリンから作られます。これらの化学反応が応用され、シトルリンサプリメントが開発され、軽度のEDが改善できることが報告されました。(論文①)
シトルリンが豊富な食材は、スイカです!
シトルリンという 名前はスイカの学名:Citrullus lanatusから名付けられたものです。この論文で有効性があったシトルリンの量は、1日1.5gで、ざっくり計算したところ、スイカ750g分(7.5切れ)に相当します。
シトルリンは、スイカの果皮部(白いところ)に多く含まれています。また、黄色いスイカの方が、赤いスイカより、シトルリンが4倍多く含まれているので、黄色いスイカの場合、187.5g(2切れ程度)で十分な量になります。
スイカは、シトルリンのほか、カリウムも豊富に含まれているので、
血圧を下げる効果もあります。(論文②)
果物や野菜に含まれているファイトケミカル(フラボノイド)にもEDを予防する効果があります!(論文③)
25,096人の男性を対象に、フラボノイドの摂取量と勃起機能を評価し、10年のフォローアップ中に、35.6%の男性がEDを発症しました。解析結果、フラボノイドの摂取量が多いほどEDのリスクが下がる事がわかりました。
*治療効果ではなく、予防効果の検証です。
*バイアグラの危険な副作用として、性行為中・行為後の心原性突然死、心筋梗塞、心室性不整脈、脳出血、一過性脳虚血発作、失明、眼圧上昇、網膜出血、硝子体剥離・牽引、黄斑変性などがあります。
果物や野菜、ナッツは、食物繊維やファイトケミカルが豊富で、健康長寿が期待できます。また、上述したように、特定の食材ではEDの予防・治療効果が報告されています。もちろん副作用は皆無です!
次回はピスタチオと地中海食によるEDの治療効果についてまとめてみます。