岸川 一惠 [ 治療不能で進行性の脳血管腫を持つ 元医療系講師 ]

昨年度までの35年間、医療を志す若者の前で授業をしてきました。障害者の両親の元に生まれ、遺伝性の脳血管奇形と共に半世紀。今は私も障害者です。身体機能と思考力がどんどん落ちています。やがて言葉も忘れるでしょうが、今を楽しむ気持ちは捨てません。記事末にブログへのリンクがあります。

岸川 一惠 [ 治療不能で進行性の脳血管腫を持つ 元医療系講師 ]

昨年度までの35年間、医療を志す若者の前で授業をしてきました。障害者の両親の元に生まれ、遺伝性の脳血管奇形と共に半世紀。今は私も障害者です。身体機能と思考力がどんどん落ちています。やがて言葉も忘れるでしょうが、今を楽しむ気持ちは捨てません。記事末にブログへのリンクがあります。

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      • ねこが逝った。おまえを拾った公園の花と共に<1>

        移動火葬車の窯が開いた。 「ここはこいつと最初に出会った場所なんだ。だからここで見送ってやりたくて」 ぬいぐるみのように軽く、軽石のようにごつごつした身体を抱きしめながら、私は家族の話をじっと聞き続けていた。 ここは幹線道路からほど遠くない場所にあるさびれた公園。周囲にあるのは、限られた人しか足を運ばないような公共施設だけだ。人家はない。夜になると、頼りない光を放つ街灯が、誰も通らない寂しい道をぼんやりと照らす。昼間でさえこの道を歩いている人はほとんどおらず、夜はほぼ全

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