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「受容」「共感」「自己一致」

最近は本当に便利になって、
ほとんどの事はネットで調べられる。

また、歳を重ねることによって
「知っている。」
と感じることも、
ますます増えていくものだ。

しかし、
敬愛する河合隼雄先生の
『〈うさぎ穴〉からの発信』
にある、以下の文章を読んで、
《知っている》気になっているが
本当に身をもって《知っている》ことは、
どれほどあるのだろうと
考えさせられた。

うさぎ穴からの発信: 子どもとファンタジ-

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〝その人はライオンとは何か、羊とは何か、
 知っているのだろうか。
 ライオンや羊の群れの中に身を投じ、
 共に走ったり、
 共に眠ったりしたことがあるのだろうか。
 何かの名前を知ることと、
 何かを知ることとは同一ではない。〟


例え同じ職場で、同じ仕事をしていても
どのような『現実の中にに身を投じ、
毎日をどのように体験しているのか』は、
人によって全く違う。

『全く違う現実を体験していること』
を、心理学を学んだり、
自身の知識に重ね合わせることで
「知っている」
気になって、
求められてもいない助言をしたり
していないだろうか?

ロジャーズの言う
カウンセラーに必要な態度である、
「受容」「共感」「自己一致」の姿勢について
分かりづらいと言われるが、
クライエントと一緒に
『あたかも』
〝クライエントの体験した現実を
 素直に子どものような気持ちで
 カウンセラーも体験すること〟
なのだと再確認した。

ここでやはり、
『カウンセラーと〝一緒に〟』
というところが
カウンセリングの重要な役割である。

違う現実を体験している人々が、
同じ星の上で
一緒に宇宙を駆け巡りながら、
助け合い、協力していかなければならない。

私たちが「知っている」ことなんて、
ごく僅かだ。

知識に囚われず、
心を広く、緩やかにもって
体験を分かち合い、
様々な感情に揺さぶられながらも、
「受容」し、「共感」し合い、
助け合えるといいと思う。






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