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はじめてのNST

ついに妊娠34週に入り、NST(ノンストレステスト)という、お腹の赤ちゃんの心拍数と、お腹のハリをチェックするテストをした。

「20~30分くらいですよ」

と助産師さんに言われ、「あと5分くらいですね」と言われたあと、なかなか終わる気配がなく、不安がよぎる。

「今日助産師外来の予定だったんですが、念のため先生に見てもらいましょうね」

「え?あ、はい」

意味がわからず返事をしたものの、「なぜですか」と聞くこともできず、ひとまず従った。胎動はしっかりあったし、元気だと思っていたから、また何か思いもよらない悲劇が起こるのではないか、という恐怖が背中をよぎる。

先生によると、胎動はあるが、お腹が張ったタイミングで赤ちゃんの心拍が弱くなり、元気がなくなった時があったとのこと。その後、胎動はあったし、エコーで見てもよく動いていて元気だから大丈夫だろうということだった。

ほっとしたのもつかの間、ロビーで待っていたら助産師さんがやってきて、予定外だが血液検査をしましょうとのこと。前回の血液検査で貧血の数値が出ていたし、今の数値を見たいからとのことで、結局検査中にひとり、検査後ひとりと、1日で3人の医師に会うことになった。

「前回のこともあるので」

と医師全員に言われた。それはそうだろう。むしろ、血液検査の提案や、次回の診察のスケジュールを早めることなど、病院側からの申し出があったことは、とても誠実な対応に感じられた。

結局、週明けもう一度検診を受け、NSTを受けることに。

ネットで調べたら、「仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群」という、妊婦が仰向けで寝ることで、子宮が背骨の右側にある下大静脈を圧迫し、血流を圧迫する症状があるらしい。NSTの際、最初は仰臥位だったが気分が悪くなったため左斜めに座り直したので、もしかしたらこれに該当しているのかもしれない。

まずは週明け、先生に聞いてみよう。

「お母さん、週末、胎動には十分注意していてくださいね」

医師のひとりに言われた言葉を思い出す。

この子のことは、私しか、守ってやれない。細心の注意を払って、出産のその時まで、ちぃちゃんを迎えてあげなくては。私は、この子のたったひとりの母親なんだから。


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