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アタシ、DV妻になりそう

以前、西新宿に住んでいた頃、ある夫婦を見た。

軽く億を超えそうな高級マンションの1Fにあるスーパーのレジの近くで、妻は男性のような話し方で夫を罵倒していた。ずっとずっと、罵倒していた。

夫はただオロオロするばかりで、

「わかったよ、わかったから」

そう繰り返していた。優しそうな人だった。それを見ながら思った。

私もああなりそう。

すごく人見知りで、友人は数える程。社会性を保つために外では平静を装っているけど、家ではその緊張が解けて、気を許しすぎて、一番近くにいて一番大事にしなければいけない近しい家族に暴力的になってしまう傾向があるんです。

普段はそうならないように気をつけているんだけど、気付いた時には自分の緊張の糸がほどけてサンドバッグを連打するかのように言葉の暴力をパートナーにぶつけてしまうんです。

このままだと夫が壊れてしまうかもしれない。そう思ったことが何度かあります。既の所で気持ちをセーブしたり、平謝りしたりすることでなんとか保ってきたけれど、おそらくこの先何度もこういう危機が訪れると思います。

これはあれに似ている。DV夫が散々妻に暴力を振るった後に急に優しくなる現象。まったくおんなじだ。それに気付いた時、ぞっとして、そしてなんとか正真正銘のDV妻にならないよう努めよう。そう想って日々生きています。

普段は育児や家事を分担しあって、ふたりの時はずっとおしゃべりをしているような、いい夫婦だと思う。でもそのDV危機は突如やってくる。おそらく、HSP気質な私が余裕がない時や、外で些細なことに傷ついたりした時。私のバランスが崩れた時、気付いたらもうロケットは発射されてしまっているんです。そうなったら止められない。

その発射のスイッチが押されないように、自分をなだめてなだめて、なるべくご機嫌にしてあげるように。そのためにいっぱい寝るし、美味しいものをいっぱい食べるし、いっぱい飲む。甘やかせる時はたっぷり甘やかしてあげる。

自己肯定感なんて微塵もなかった人間が、なんとか自分を認めてあげようとしている毎日です。

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