役に立つ言語とは？ 〜楽しかったらいいじゃん〜

さて、私は言語を学ぶことが好きだ。学べば学ぶほど新しい発見があって、好奇心をくすぐり続けてくれる。特に英語との付き合いは長く、今やそれを教える立場にすらなっている。

英語は役に立つ？

世間には「英語ができると役に立っていいよねー」なんて軽い発言をする人は多い（たぶん）。しかし、私はそんな即物的に、役に立つから今でも英語を学んでいるわけでは決してない。

英語に関して私が興味を持っている分野は、英語史である。一般的にはあまり役に立ちそうだと思われず、そんなことに興味を持つことにすら共感されがたい（もちろん、私は研究している方々を尊敬しています）。

生徒たちに向かって授業をしている時や、近くに座っている同僚に、熱意を持って語っても、「へー」と言われるか、ぽかーんとこの人は何を言っているのだろうと表情で語られるのが常である。同じ英語教師にすら共感を得られないことも少なくない。せっかく、たくさん（後で自分でも反省するくらい）話したのに。

楽しいから学ぶのだ

目が点になってしまった表情を見せられたって、その面白さに共感を得られなくたって、そして、そのことが役に立たなくたって、楽しいと感じるから言語を学んでいるのだ。

役に立つから学ぶ。役に立たないから学ばない。少なくとも私はそんな二者択一の生き方はしたくない。役に立たないけど面白いことがこの世の中にはたくさんある。だから、英語以外の言語を役に立たない、もしくは何の役に立つのかわからないからと言って、学ばない選択をするのはもったいないと思う。

世界には面白い言語がたくさんある！例えば、、、また too muchになってしまう。とりあえず、いろんな言語があることを知って、少しでも興味を持った言語に触れてみてほしいと思う。

ちなみに、手軽に様々な言語を知るのには『世界のことば アイウエオ 』(ちくま文庫)が、そして興味を持った言語をざっと知るためには「言葉のしくみ」シリーズ（白水社）がオススメである。