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長距離輸送トラックの「"永続的に"安心して走る」を売る

今回は「本当に欲しいものは何か」を考える事例を紹介します。

長距離の輸送トラックの運転手は何が欲しいのでしょうか。
目的は何かというと「遠いところにある場所に届けるべき荷物を運ぶこと」です。

その時のタイヤの役割はなんでしょうか。
走る事でしょうか。それも役割の1つとしてあります。
でも、走っても目的地まで持たなかったらダメですよね。

だとしたら、丈夫なタイヤにして、目的地まで入る事でしょうか。
それも役割として1つあります。

でも、長距離輸送トラックです。
業務として使い続けるので、どんなに丈夫なタイヤだとしてもいつかバースト(パンク)します。

とすると、長距離輸送トラックの運転手が何が欲しいかというと、
"永続的に"目的地まで運ぶこと」が欲しいものです。

では、どんなタイヤにすればいいのでしょうか。
それをミシュランは「永続的に使い続けるタイヤ」を売る事に成功しています。どうしたかというと「タイヤを使用する事が出来る」というサービスを売る事にしました。

使用する事で対価を得るので、走行距離に応じて支払うというモデルです。
こういうモデルをProduct as a Service(サービスとしてのモノ)と言います。
さらに今回はタイヤなのでTire as a Service(サービスとしてのタイヤ)とも言います。

Tire as a Serviceで、タイヤを使用する事で、目的地までたどり着く事が出来ます。

しかし「永続的に」というニーズを満たす必要があります。
それはどうしたらよいでしょうか。

それは「タイヤをモニタリングする」という機能を盛り込むという事です。
タイヤの走行距離やタイヤの状況をセンサーでモニタリングして、タイヤがバースト(パンク)する前に交換してしまうという方法です。

これをサービス提供側がやってくれれば、もうバースト(パンク)なんか気にせずに走る事が出来ますよね。

そして、言わずもがなですが、これって地球に優しいサービスです。

ミシュラン側がタイヤを所有しているので、使えるのに捨てるという事もなく、リサイクルせずに廃棄するという事もない。
タイヤの所有権があるという事は、必ず自分の手元に戻ってきます。なのでミシュラン主導で循環させることができます。

顧客のニーズを本気で考えたら、地球にも優しかった。
という事は、顧客と地球に優しいサービスって、沢山ありそうですよね。


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