モノが個性を持つ事によって出来る事
DPPってご存じですか?
デジタル・プロダクト(製品)・パスポートの略です。
デジタルを活用した「製品」に関するパスポート、つまりその製品そのものを証明するデータ群の事です。
このデータ群の中には、製品のシリアル番号や、製造時の情報~廃棄するまでのライフサイクルに関する情報を管理する事が出来ます。
このような製品そのものが分かるDPPを使ったサービスがあります。
有名なバッグのブランドにCoachが立ち上げたサステナビリティを重視したサブブランドにCoachtopiaというのがあります。
このCoachtopiaのブランドバッグにはDPPが既に組み込まれていて、スマホ等で読み取れば直ぐにバッグの固有の情報が分かります。
このDPPはSUICAとかでお馴染みのNFCなので、スマホをかざせば簡単に情報を取得する事が出来ます。
例えば、このバッグをメルカリとかで売りたくなった時に、この固有情報をそのまま自動転記して出品出来たら便利だと思いませんか??
それをCoachtopiaは、アメリカの再販プラットフォームPoshmarkにボタン1つで出品できるようにしました。
流れとしてはこんな感じです。
① バッグのNFCをスマホで読み取る
② バッグの固有商品ページが開く
③ このバッグをPoshmarkで売るというボタンを押す
④ 値段等を決めて、そのまま出品(画像とかは、メーカーの商品情報のものを使用)
という感じです。
このような仕組みをインスタントリセール(即再販)って呼んでいるようです。
この仕組みが地球に優しいかどうかは、賛否両論あると思います。
一見、循環しやすい仕組みにも、見えるので良いようにも見えますが、「再販しやすい」という事は「気軽に新品を買いやすい」という事で、むやみに生産を増やしてしまう懸念もあります。
ただ、中古市場から供給が増えるので、新品をあえて買おうとしなくなる可能性もあるため、新品を買うインセンティブが小さくなる可能性もあります。
という事で、まだまだ様子見のところがありますが、唯一言える事は、「捨てるのではなく、誰かに譲る」というメッセージを持ったメディアにもなるので、「捨てなくなる」という効果は大きい気もします。
今回はDPPによって、再販(リユース)がしやすくなるという事例ですが、DPPという名の通り「パスポート」なので、1つ1つモノが識別されるようになります。
これまで同じ製品だったら入れ替えても同じ(正確には入れ替えてもわからない)ですが、今後は、入れ替えたら分かります。つまり個性を持つようになります。
このモノの個性を活かすビジネスが今後主流になっていくんだろうと思います。
(パーソナライズではなく、モノライズみたいな・・・)
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