「取りに来てくれるなら」をネットスーパーで実現する
ネットスーパーとか、生協とかって、自宅に生鮮品を届けてくれます。
しかもネットスーパーの使い方は「今日はネットスーパーにしよう」みたいに単発な利用ではなく、定期的に運んでくれる生協のような「日常的に使う」というのが一般的なのではと思います。
提供する側(スーパーや生協)からすれば、定期的な顧客接点を持っている事になります。
その顧客接点を上手く利用して、家庭系廃食用油の回収を始めたのがイトーヨーカドーです。
https://www.itoyokado.co.jp/__resources__/500c57a1-1bfe-4b69-a6a0-54e9d4fd4586.pdf
まず家庭系廃食用油は何かというと、家庭で唐揚げしたり、てんぷらしたりする時に使った油です。
その油を回収するというものです。
では、なぜ廃食用油を回収するかというと、飛行機の燃料に使えるからです。飛行機は、化石燃料由来の燃料を使っているので、地球環境に負荷をかけています。
この飛行機の燃料を化石燃料由来でないものを燃料に出来ないか・・・という事で代替燃料として使われるのが廃食用油です。
これをSAFは「Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)」の略称でサフと呼びます。
このケースで面白いなぁと思ったのが、他にもいろいろ回収できるよね、という点です。例えば、「要らなくなった服」を回収してもいいわけです。
イトーヨーカドーのようなショッピングモールは、モールでいろいろな回収をしていると思います。それは、ショッピング行くついでに、リサイクルできるものを渡すという流れになります。
これが成立しているという事は、ネットスーパーでも同じ事が出来るわけです。食品を配達してもらうついでに回収してもらう・・・
輸送コスト(経済的にも、カーボンフットプリント的にも)は、回収しようがしまいが、同じなので、上手く活用してもらえるといいなと思います。
またリサイクル品だと、なかなかマネタイズになりにくいところがありますが、家庭系廃食用油のように、どこかが買い取ってくれるものは、生活者がゴミとして廃棄する前に回収できるようにすれば、資源循環は進む事になります。
家庭系廃食用油も取りに来てくれなかったら、持っていくのが面倒なので捨てちゃうのだと思います。でも、取りに来てくれるなら、渡す。
この「取りに来てくれるなら」を上手く活用すると新しいビジネス、新しいサステナビリティ活動が生まれると思います。