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透析室の水質管理:患者の安全を守るための基礎知識

透析治療では、患者さんの血液から老廃物や余分な水分を取り除くために「透析液」という液体を使います。この透析液の主成分は水です。体内に直接関わるため、この水の質が非常に重要です。もし不純物が含まれていると、感染症や体調不良を引き起こす可能性があるからです。


なぜ水質検査が重要か?

透析に使う水が清潔で安全であることを確認するために、水質検査が定期的に行われます。水に含まれる細菌や化学物質が一定の基準を超えると、患者さんの健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、水質検査は不可欠です。


水質検査の主な項目

透析室で行われる水質検査では、いくつかの重要な項目があります。

  1. 細菌検査:水中に細菌がいると、感染症のリスクが高まります。透析に使う水は、通常の水道水と比べてはるかに厳しい基準で細菌が管理されています。

  2. エンドトキシン検査:エンドトキシンは、細菌が分解されたときに出る毒素です。これが体に入ると、発熱やショック状態を引き起こすことがあるため、検査で極力排除します。

  3. 化学物質検査:水道水には消毒のために塩素が含まれていますが、透析用の水には有害な物質が含まれていないよう、塩素やその他の化学物質の濃度も確認します。


どのように水質を確保しているか?

透析室では、通常の水道水を「RO装置」と呼ばれる機器で処理して、不純物を取り除いた水を作ります。RO装置では、逆浸透膜というフィルターを通して水を浄化し、ほぼ純水に近い状態まで高めます。その後、この水を使用して透析液が作られます。

RO装置のメンテナンスも重要で、フィルターの交換や清掃を定期的に行うことで、安定した水質を保っています。


定期的な検査

水質検査は定期的に行われ、基準に達しているかを確認します。検査結果が基準を満たさない場合は、すぐに改善策が講じられます。

透析治療における安全な水の使用は、患者さんの命に直結する重要な部分です。医療スタッフが日々の検査や機器のメンテナンスを行うことで、安全で快適な透析を支えています。


まとめ

透析室の水質管理は、患者さんの安全な治療を支えるために欠かせない重要なプロセスです。RO装置で水を浄化し、定期的な水質検査によって細菌や化学物質の基準をクリアすることが求められます。こうした徹底した管理のおかげで、患者さんは安心して透析を受けられるのです。

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