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もしあなたが、明日インドの担当になったら何をどう進めるべきか?
もし、明日上司に「インドが注目されているのでリサーチしてほしい」、「インドで事業展開する可能性を考えてほしい」と言われたら、何をどのように進めるでしょうか。
ここでは、インドだけでなく他新興国にも通じる調査、戦略検討の進め方・観点などを少し共有させて頂こうと思います。
調査の進め方、方法
戦略検討で重要なポイント
の二つの観点で整理してみます。
調査の進め方、方法
1. まずは、デスクトップリサーチで「アタリ」を付ける
最初のステップは、既存の公開情報を収集することです。インドや新興国に関する市場レポートは数多く存在しており、以下のような情報源が有効です。
JETRO(日本貿易振興機構):各国の市場動向やビジネス環境に関するレポートを無料で提供。
銀行・コンサルティングファームのレポート:メガバンクやコンサルファーム(例:PwC, McKinsey, BCG, Deloitte)が発行する市場レポートも活用可能。
Google検索の活用:「インド 市場調査×× PDF」「India market research report ××PDF」などのキーワード検索により、割と有益なレポートを見つけることができます。
2. 日本人ネットワークを活用する
次に、実際にインドでビジネス経験のある日本人に直接話を聞くことも重要です。
ビザスクなどのエキスパートマッチングサービス:インド市場に精通した専門家へ有料で相談可能。自社業界に"ドンピシャ"となると難しい場合もありますが、広く浅く理解するなら恐らく適任者が見つかるはず。
駐在員ネットワークの活用:知人などを通じて駐在経験者にヒアリングを実施。こちらも全体観を掴むには有効です
3. インド現地の業界関係者と直接コンタクトを取る
このステップがとても重要です。リアルな情報を得るには、現地を訪問し、業界関係者と直接会話することが不可欠です。実際に自社製品やサービスがどう見られるのか、感覚もつかめます。
今伝手がなくとも、実際には、意外と開拓はできるものです、
現地訪問のメリット
直接の対話を通じて、ニュアンスを把握する(言語の壁はあっても、現場の空気感を掴むことができる)。
公式データにはないビジネス習慣やネットワークの情報を得られる。(仲良くなると意外と教えてくれたり、、)
現地のビジネス関係者とつながる方法
LinkedInの活用:「India」「Business」「業界キーワード××」などのキーワードで検索し、興味のあるライトパーソンに直接コンタクト。
企業ホームページからの問い合わせ:意外と返信をもらえることも。
現地商工会議所・ビジネスイベントへの参加:ネットワーク構築の機会を活かす。
業界の顧客やパートナー候補を探索:業界にも依りますが、競合でなければ、日本企業にはまだまだ可能性を感じて貰えることも多い。
関連業界のスタートアップ起業家との接点:海外経験を有する優秀な起業家が投資家を求めているケースも多く、積極的にアプローチすると反応を頂けることも多い。業界の課題などもかなり高い視座で議論できることも多い印象。
戦略検討で重要なポイント
1. 実地でのリアルな調査を重視する
戦略立案において仮説構築は重要ですが、インドなど新興国では、十分な情報や協業先候補がないケースが多く、机上の空論になりがちです。まずは現地の情報を収集し、足で稼ぐことがより重要。
2. 中長期視点を持ち、事業や製品の拡張を前提に検討する
既存の製品やサービスをそのまま市場投入するだけでは難しく、「明日、これを売りたいんだけどどう?」だとイマイチな結果に終わることも多いです。短期的な販売だけでなく、提携やM&Aを含めた成長戦略や拡張及び中長期的な視点を前提として、市場参入のロードマップを設計することが重要。
まとめ
新興国市場の開拓には多くの課題がありますが、適切な準備とアプローチを取ることで、ビジネスの機会を掴むことも可能です。
困難も多いですが、知らない/分からない世界は、単純にワクワクするものだと思っています。多くの日本企業が海外、インドで活躍する未来を創っていく。そのお役に立てれば幸いです。