『無知の大罪』雑感400_02
毎日の読書から、だいたい400文字の雑感を。
なぜ、私たちは、自分と他者を大切にできないのだろうか。
『もし人間の生まれ持っての"尊厳"が、日常の中で認識されるようになったら、いったい世界はどんなことになるのだろうか。』
本書の中心にあるこの問いが、頭をよぎることもないくらい、私たちはDignity=尊厳に対して無頓着に、無関心になっていないだろうか。
人は誰でも、他者から大切に扱われたいと思っている。そして人は、自分が大切にされていないと感じるときに深く傷つく。人間の根本欲求だ。
なぜ、私たちは、自分と他者を大切にできないのだろうか。
なぜ、自分と他者の尊厳を無自覚に侵害してしまうのだろうか。
誰もが、生まれたばかりの赤ん坊にこの上ない価値と愛を感じる心を持ちながら、他者の尊厳を踏みにじる。それは、あまりにも私たちが尊厳という概念に対して無知だからだろう。
大事なものは、空気のように、意識しない状態が好ましい。だが、失われようとしているとき、果たしてそれを意識しないでいられるだろうか。悲しくも、尊厳にも同じことがいえる。自分と他者を守るために、尊厳を学ぼう。