トヨタ流、仕事の目的・目標を明確にする7つのポイント(その1)
トヨタについては、工場現場においての技術の高さに対する評価をよく耳にします。
しかし、オフィスで働くホワイトカラーの仕事がすごいとは、誰も口にしてくれないのではないか?
そんな危機感から、トヨタでは2007年からホワイトカラーの「仕事の進め方改革」をスタートさせました。
ホワイトカラーの仕事には少なからず、結果のよさだけを求める傾向があります。
しかしそれでは、よい結果のときはさておき、よい結果が出なかったときには、ダンドリそのものに、問題があったとしても、なかなかそこに立ち戻ることは困難。再びよくない結果をもたらしてしまう可能性もあります。
そこで、 どのような状況においても正しい結果が得られ、安心して仕事ができるように考えられたのが「トヨタの仕事術」であるということです。
ポイント1 前回の目的とともに目標と結果のギャップを把握する
仕事の多くは前任者がいたり、あるいは過去にすでに行われていたりするものです。
当然ながら、過去につくられた資料やデータが残されていることも少なくありません。
そこで大切なのは、前回設定された目的を把握するとともに、目標と実施した結果とのギャップを確認すること。そのギャップをどのレベルまで改善すべきか考えることで、目標が具体的なものになるというわけです。
また、前回の時点で目標を達成していたならば、一段高いレベルの目的・目標を立てるとよいそうです。
ポイント2 仕事の背景との整合性を確認する
組織の役割・ビジョン、プロジェクトの目的・目標、仕事が設定された背景との整合性を確認する。
それぞれの仕事は、組織の役割・ビジョンの達成やプロジェクトの目的・目標を達成するために存在するものです。
そして仕事の目的・目標は、そうした上位の目標との整合性を確認することによって、はっきりしたものになります。
また、「その仕事がなぜ設定されたのか」を上司や関係者に確認することで、目的・目標を明確にすることが可能です。
ポイント3 現状のレベルを確認する
なんらかの問題・課題が認識されているために生まれた仕事であれば、その状況や現状のレベルを把握していくことが重要。
そして、その状況やレベルをどこまで改善するのかを考えるわけです。
目標(到達レベル)を設定していく際、きわめて重要になるのが現状の確認。なぜなら現状を把握しないまま目標を設定してしまうと、正しい目標設定ができなくなる危険があるからです。
目標設定をするときに「いま、どこにいるのか」がわからないと、目標が高すぎたり、低すぎたりしてしまうことがあります。
つまり現状をよく知ることで、妥当な目標値が設定できるということです。
参考書籍:『トヨタ公式 ダンドリの教科書』(トヨタ自動車株式会社 業務品質改善部編、佐々木眞一監修)
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