見出し画像

いいから違うと言ってくれ:サマソニ2023②


ま〜〜〜たやってる、またやってるんよ。


あたりめです。

サマソニのレポート、9月に①を出したっきり②を書いていなかった。1年前と全く同じ過ちを繰り返している。清々しい程に何も学んでいなくて草である。"草である" て。それでオチつけてるつもりなんか私は。②を書き上げるまで①を出すな。なんでそんな簡単なことが出来ないんだ。

こんなもんを書き残すなんて ただの自己満足でしかないし、別に絶対書かなきゃいけない理由なんてどこにもないのだけど、①を書いておいて②を書かないのはダメ。これだけは本当にムリ。完結させろ。書ききれないなら書き始めるな。もしくは①を消せ。自分で始めたことに対する責任だけはマジで持たなきゃならん。


フェスレポートの冒頭でしこたま己に説教してんのオモロすぎるだろ。いやオモロいというよりアホなんだよなこれは。このあとに書かれんのぜってぇ〜ヤなんだけど…という表情かおでリアムがこちらを見ている。書きます。




'LIAM GALLAGHER'

昼間に1枚 スポーツドリンクとの引換に使った例の魔法のチケットのもう1枚を、ハイボールとの引換に使った。このタイミングで使うことはチケットを貰った瞬間から決めていたのだ。プラカップいっぱいに注がれたそれをこぼさないよう、広いエリアのすこし後方に位置をとった。

息を吸うのが嫌になってしまうほどの湿っぽさを含んでいた数時間前の空気は一体どこへ行ったのか、オレンジと藍色が半分ずつせめぎ合うこの時間はどこか からりとすら感じ、同時にひんやりしたまるい風が肌を撫でていた。




リアム・ギャラガー、イギリスのミュージシャン、オアシス。

私のなかでオアシスは、ちょっぴり現実離れした存在だった。『ものすごいバンド』というふんわりしたイメージばかりが大きくなり続け、楽曲については「どっかで聞いたことある、これオアシスだったんか」程度の認識しかなかった。

そんな私が、2023年に初めてリアムのソロ曲に触れたのだ。予習しようと最初に聴いたのはソロデビュー曲の 'Wall Of Glass' だった。これを生で聴けるのかと、頭の5秒だけでもうどうしようもなくどきどきしていた。


同じ日に同じ場所でみたステージのはずなのに、こうも記憶の残り方が異なるのかと不思議に思う。


覚えているのは、両手を後ろで組み 右肩をすこし下げ、叫ぶように歌うリアムの姿だけ。マイクはほぼ水平かちょっぴり下向きなくらいだった。これがネットで見ていたリアムの歌唱姿勢……………!

これを言うとファンの方から怒られてしまいそうなのだけど、リアムがステージに立っていたその時間、私はずっと景色を眺めていた。





これだから野外フェスに行くのをやめられないのだと思う。


日々の生活を送るなかで、音楽が主役になるシーンってほとんどない。でもライブは違う。紛れもなく音楽が主役だ。日常に存在する音楽が仮に "聞く" ものであるならば、ライブでの音楽は "聴く" ものだし、耳だけでなく全身で "体感する" ものになる。

ライブ、特に野外フェスに参加しているとき、なんだかいちばん生きている感覚になる。自分の五感が最もイキイキしている瞬間が、私にとってはライブなのだ。こんなにも空間の呼吸みたいなものを深く味わい、愛せる瞬間というのは、少なくとも今の私にとってはここだけだ。



書いた通り私はオアシスの知識がほぼゼロだったため、これはあとから知ったのだけど 今回のセトリは実に半分以上がオアシスの楽曲だったそうだ。オアシスファンの方々はどんな気持ちであの空間を過ごしていただろうか。私には到底触れられない関係性が今なおそこに存在していること、とってもスペシャルでなんだか良い。



自分のなかの どこかぽっかりと空いている部分が満たされる感覚というか、今私はなんて贅沢な瞬間に居るんだろう、ということをこれでもかと感じたのが 'Roll It Over' と 'Once' だった。



ライブが始まった頃の空はオレンジと藍色が半々だったけれど、この頃にはほぼ藍色に染まり、地平線ちかくだけが しがみつくようにほんのりと明るく色付いていた。



丁寧なものが好きだ。

丁寧に過ぎていく時間が好きだ。

丁寧に紡がれる音楽が好きだ。

私はそういう、
丁寧な空間がたぶんけっこう好きだ。


丁寧なものは、ひとの脆くなっているところをちょっぴり満たしてくれる。



こういうときに 理由なく出てくる涙のこともけっこう好きだし、人間にとって わりと大切なものだと思っている。ヤダ〜〜〜私やっぱメッチャ好きなんだなライブのこと〜〜〜末永く両想いでいてくれよな〜〜〜?





'HONNE'

"丁寧に紡がれる" 音楽で溢れ返っているなか、その要素が楽曲そのものの質感、実際に触れて感じとれるような部分に色濃く現れていたのが、2日目にステージをみたHONNEホンネだった。

HONNEは、ロンドン出身のエレクトロ・デュオである。ナムさんとかなり長く深い親交のあるアーティストとしてアミにも広く知られている存在だ。

・2015年にナムさんがHONNEのSNSをシェアしたことから連絡を取り合うようになる。
・2018年にはナムさんの楽曲 'seoul' をHONNEがプロデュース、翌2019年にはHONNEの楽曲 'Crying Over You◐' にナムさんがフィーチャリングで参加している。



ステージをみる前にもう少し彼らのプロフィールをと思い 調べた日があったのだけど、あまりにも…な要素がたくさん散らばっていて思わずエ〜〜〜と声が出てしまった。ユニット名の由来がなんと日本語の "本音" だったのである。言葉の意味を気に入ったそうで、まさに自分たちの作っている音楽を表している、と採用したそうだ。なんてありがてぇエピソードなんだ。

他にも、立ち上げたレーベル名が『Tatemae Recordings(建前レコーディング)』、スタジオ名が『Tokidoki Studio(時々スタジオ)』だったりと、マ〜〜出てくる出てくる、日本語たち………

CDジャケットに日本の帯風デザインを取り入れ、日本語でキャッチコピーや邦題を付けたり、極めつけには日本語歌唱ver.の楽曲も爆誕しているようだった。マジで何が起こってんだ。


インタビュー記事によると、ボーカルのアンディは結婚前 奥さんと一緒に日本に住んでいた時期があり、そのときにすっかり日本のことが好きになったとのこと。


エ〜〜〜ン!!!日本と出会ってくれて、日本のこと好きになってくれてあ゛りがど〜〜〜〜〜ぅ゛!!!!!



こういうことを知ってしまうと本当に軽率に好きになってしまう。感謝とリスペクトしかないじゃんこんなもん。もれなく日本代表みたいなドデカ感情抱えちゃうな〜〜〜。サマソニでHONNEと人生が交わる瞬間が生まれたこと、メチャクチャ光栄だ。来てくれてありがとうございます………ウウ…

今回のステージには、HONNEと度々コラボしている 同じくイギリスのアーティスト・BEKAも参加してくれていた。



なんかねぇもうねぇ、全部、ぜ〜〜んぶ からめとっていくじゃん、って思ってしまった。なにひとつ置き去りにしない、見落とさない、隅から隅まで掬いあげていく、そんな空間だった。"拠り所" すぎたのだ。




彼らの音楽は、聴く人のどこかを強く刺激するというよりも、固く結んでしまったところを そっとほどいてくれるような存在だ。

彼らの音楽は、背中を押してくれるエネルギーというよりも、涙が溢れることをゆるしてくれるような存在だ。

ただそっと、静かに、あたたかく、柔らかにそばにある、丁寧で 愛くるしい音楽なのだ。あまりもひとの体温に近くて安心してしまうなぁ。




'Fall Out Boy'

FOB(フォールアウトボーイ)はアメリカ出身の4人組ロックバンドである。ロックのなかでも彼らの音楽はパンクの要素がわりと強く、どちらかといえばライブもハードな雰囲気だ。

私は日本のバンドばかり聴き続けていた時期がわりと長くあったのだけど、「FOBが好き」「彼らがルーツです」と言うバンドマンがかなり居たため、その頃から存在だけ ほんのり知っているような感じだった。満を持してレジェンドをみるような緊張感を勝手に持っていた。落ち着けよ。挨拶とかしないって。おれは何ひとつとて関係ないから。



久しぶりにパンク寄りのライブをみたけど、やっぱりロックバンド、最高に好きだな〜〜〜と改めて感じた時間だった。


これは私個人の話になってしまうけれど、ロックバンド、なかでもハードなバンドの音を浴びている瞬間って、マジで何も考えていない。頭がすっからかんになっているのだ。

たぶんこの感覚は私にとってデトックスみたいなものに近くて、全身の血液が熱を持って濁流みたいに駆け巡って 一滴残らず新しいものに入れ替わってるんだろうなと思う。だからロックバンドのライブをみたあとは心も身体もメチャクチャスッキリしていることが多い。




まって?なんかこの部分だけ読んだら完全にサウナじゃない?整う感覚について力説する人になっちゃってない???どうか違うと言って?????ねぇ???????



ちなみに私は一度も整ったことがありません。


どんなに暑かろうが来年も懲りずに行っちまうんだろうな〜〜〜、暑さは堪えても熱さには応えたいのだ。私はただ、音楽がとても好きなので。


Day1
Day2


いいなと思ったら応援しよう!

あたりめ
サポートの通知を目撃したときは涙と鼻水を渋滞させながら喜んでおります、読んでいただき本当にありがとうございます。感想はこの上ない励みに、サポートは新たな音楽を浴びにゆくきっかけになります。

この記事が参加している募集