歌手にとっての、ファンにとってのステージ:シュチタ EP.25 ヨンファ
イッ イッイィイルムゥ、ジョンヨンファ…………………………???
クロッチィ?????
マジョォゥ???????
オッフ_______________
あたりめです。
名乗るまでに3スクロールほど 要してしまった。いつにも増して様子がおかしい。
先日、シュチタ EP.25が公開されました。
ゲストはロックバンド・CNBLUEのボーカル、ジョン・ヨンファさんだった。
なぜ私の様子がおかしいのか。
それは今ここに座っているジョン・ヨンファさん もといロックバンドCNBLUEが、今の私の始まりの存在だからである。
K-POPの第2世代がめちゃくちゃに流行っていた頃、中学生だった私は 次々と日本にやってくるキラキラした女の子たちに魅了され続ける日々だった。
もちろん音楽も楽しく聞いてはいたものの、当時の私はとにかく彼女たちの "存在" そのものが大好きだった。
YouTubeのおすすめに出てきた青と白のジャケット写真が目にとまり、そのまま再生したあの日の自分を心から称えたい。
私が人生で初めて『音楽』そのものを意識し惹かれたのが、CNBLUEの 'Sweet Holiday' だった。
ちょうどここでBGMとして流れていたのが 'Sweet Holiday'。タイトル曲ではない上に かなり初期の楽曲、よく選んでくださったなと思った。もしかするとシュチタスタッフにBOICE(※CNBLUEのファンネーム)が紛れ込んでいたのかもしれない。ボーナスを振り込ませてください。
ちょっとまって???
マジでやかましいな?????(愛)
まだ始まって3分なんだけど???残り30分あるよ?????なんなの?????君たちもしかしなくてもワケわかんないくらい仲良いね???????
私はCNBLUEとの出会いがきっかけで音楽そのものの魅力に気が付き、そこからいろんな音楽を聴くようになり、ライブにもたくさん行くようになった。今では毎年行っているサマソニに初めて行ったのは10年前の2014年、これも出演が決まっていたCNBLUEの音楽を聴きたかったからだった。
ヨンファのSNSに ユンギさんからD-DAYを頂いたという旨の写真がアップされたときはひとりで奇声を発してしまった。2人に繋がりがあることを全く知らなかった私は、もうその事実だけで十分嬉しかった。推しの交友関係が何方とどうあろうが それは等しく大切なものだけど、ものすごく勝手に、どうしても特別に、めちゃくちゃ嬉しかったのだ。
そう、繋がりがあるだけで幸せ、本当にマジでそう、そう言ってんのにさ、
この顔である。
これはマズイ。
シュガさんが年上の先輩に対してこんな顔をかましてしまっている。
これは相当かなりハチャメチャに相手を好いていると思われる。
そのあとも、
ンマ〜〜〜〜〜それはそれは怒涛のトーク展開で、字幕を追うのが本当に大変だった。あまりにも2人ともが被せて喋りすぎていた。見ているうちに段々と「これは居酒屋の個室を覗いてしまっているのではないだろうか」と心配になってくるほどの空気感だった。
年上の先輩を前にしてこんなにケラケラと笑い リラックスしているユンギさんを私は見たことがなかった。2人は想像の1000000000000倍、仲が良かったのだ。(仲の良さというのはいろいろな形があるかと思うので、ここでは "仲が良い" というよりかは、お互いを本当に心から "信頼している" ように感じた、と言うのが良いかもしれない)
同時に、公開後 視聴したアミたちの「ヨンファさんがとても素敵だった」「前向きな考え方がジンくんのようだ」「メンバー回以外では一番面白かったかも」といった言葉がたくさん目にとまり、心のニヤニヤが止まらなかった。やはり 自分が好きで大切に思っているひとのことを良く受けとめてもらえるのは、素直に嬉しい。
特によく見かけたのが、『ヨンファさんは常に明るく前向き』という類の言葉だった。
なにも間違いではないのだけど、私はこのシュチタを観て、すこしヨンファの話をしたくなった。これから書くことは、ぜひアミに知ってもらいたい。
『常に明るく前向き』、『陽気な人』、さっきも書いた通りそれらが根っこから違っているわけではないけれど、ヨンファにも深く落ち込む日があること、その本音をぽろりとこぼすこともまた 当然ある。
彼は今おそらく、そういう "落ち込み" との向き合い方であったり過ごし方を模索する日々なのだと思う。解決方法というよりは、付き合い方を。
シュチタで言っていたのは もう大丈夫!解決したよ!というより、以前よりその付き合い方が分かってきた、落ち込みがつよくなったときの向き合い方が少しずつ掴めてきた、という意味合いが近いと言える。
なぜそんなことが言えるのかというと、ヨンファは昨年秋に行った日本ツアーファイナル公演で、BOICEに涙をみせたからである。
(※シュチタは9月収録、ライブは11月だった)
「もう14年ですから、みなさんは家族ですから、だから話したいです」
と ものすごく言葉を選びながら、ゆっくり、丁寧に本音を伝えてくれたヨンファ。当初こういった話をする予定は無かったものの、その日はツアーファイナル公演だったこともあり、話したい気持ちが強くなったようだった。
内容としては、ツアーを開催するにあたり、過去の映像を振り返る機会があったと。そこではドーム公演という夢に対して自信に満ち溢れる若い自分たちの姿であったり、今では会場で会うことがなくなってしまったBOICEの姿がある。それを観て、「なんだかすごくかなしい気持ちになってしまった」と。あのときここに居たBOICEの皆さんは、今どこで、何をされているのか?元気なのだろうか?そんなことを考える日があったと、伝えてくれた。
後日談によると、ヨンファとしてはライブのMCはそこで終了ではなく、シュチタでも話していた通り『事情があり会場で会えなくても応援してくれている方はたくさん居て、アーティストは活動を続けることでまたその方たちと会う機会を生むことができる、それはすごく感動的で大切なものだから、これからも変わらず努力していきたい』というところまでを話したかったようだった。
話す予定のなかった気持ちを 外国語である日本語を用いて急遽伝えるというのは、考えられないほどの勇気が必要なことだと思う。同時に、どれほど目の前にいるファンのことを信頼してくれていたのだろうかと。
元々ヨンファは、こういった弱さやつらさを伴う自身の心の声に関してはほとんど言葉にしてこなかったタイプだった。
あの日ステージで話したことについては終了直後(なんならMC中)からすでに「アァ、言うてもた〜」と感じているのはヒシヒシと伝わってきていたけれど、そういった痛みや弱さをさらけ出せることは ファンへの信頼と自身のつよさゆえだと私は思っているところがあるので、なんというか、私個人としては話を聞かせてくれたことに すこしホッとしたところもあったかもしれない。
それから、ここはアミとしての感想になるのだけど、ヨンファが 'Life Goes On' について話していたシーン、めちゃくちゃ胸がじんとした。
ユンギさんは 自身が緻密に計画して創り上げた音楽・ステージを完璧に披露したいという気持ちで懸命に取り組んでいたけれど、その一方で体調が優れず 今の状態で『完璧』は厳しいという現実も把握していた。
ライブを観に行く側として本当に考えさせられるのが、ライブにおける『完璧』の概念である。
ミスがなければ、コンディションが良ければ、それが完璧なのか?と言われたら、絶対にそうではないと答えたくなる。
これもまた私の話になってしまうけれど、私が「今日のライブ、なんか特別に最高だったな」と感じるのは、『アーティストとフロアの心がめちゃくちゃに近付いた』ときだ。それはたとえ条件的には完璧であっても毎回起こり得るものではないし、逆に条件が厳しくとも起こり得るものである。
ユンギさんは、ライブという生身の人間同士が繰り広げる一度きりの空間において、この部分がいかに大きく大切なものであるかをずっと心の真ん中に置いていたように思う。
ユンギさんの音楽は、音は、『まんま』だ。そのままの彼の、むき出しの音の結晶だ。そこには目を背けたくなるほどの深紅な血が伴うけれど、その痛みのすべての淵を包み込むようにして そっと愛が滲んでいることを、私たちリスナーは確かに感じとっている。
これを一人ひとりの瞳をみて両手で届けることに『条件的な完璧や正解』は必ずしも必要ではないということ、届けた先の一人ひとりからずるりと引き出される愛が いかにたからものであるかということを、ヨンファがそのまま話してくれているように感じられた。
そして同時に、CNBLUEのライブがどれほど楽しく素敵な空間であるかを伝えたい。
数え切れないほどのアーティストのライブに行ってきたけれど、ジョン・ヨンファ以上に走り回るボーカルを、私は本気で見たことがない。
アイドルがダンスを踊り続けるのも本当に凄いことなのだけど、ちょっと一旦バンドマンの姿を想像してみてほしい。ボーカルはエレキギターを兼任していることが多いけれど、ギターは平均重量が3.5kgもある。つまり1人の赤ちゃんなのだ。それを2〜3時間ずっっっと肩にかけたまま演奏して、演奏しながらもちろん歌って、その上にそのまま走っているのがバンドマンなのである。
しかもヨンファに至っては『マジで』走っている。音楽にノリながらゆらりゆらり〜♪とかではなく、マジのマジで走っている。スキップとかステップとか、そんな可愛らしいもんじゃない。彼はステージ間で永遠にシャトルランをしているのだ。
シュチタに挿入されていた映像などから感じた方もいたかと思うけれど、歌に関しては もはや説明不要なレベルで上手すぎる。特にロック色の強いハードな楽曲を披露する際に出てくるシャウトやロングトーンなんかは何度聴いても鳥肌が立ってしまうほどである。
長ったらしく書いてもなので、最近の映像を何個か貼っておきます。よろしければお休みの日などに是非〜〜
歌手活動のみを軸として過ごせる時間の短さについて、これまでにもユンギさんは何度も話している。
楽曲をリリースし、ツアーを回る。ステージに立つ。歌手は、アーティストとファンが実際に顔を合わせ 時差のないリアルタイムを共有できる空間を活動のメインとしている、数少ない職業のひとつである。
私たちファンは、『会う』以外にも、アーティスト一人ひとりを個として認識した状態で、写真や映像を通して『見る』という手段がある。
だけどアーティストには、それがない。
認識するといってもせいぜいアカウント名やアイコンといったものであり、そこに居る一人の人間を、姿や動きを、命を、具体的に認識することは叶わない。「会うまで。会場に来て、ステージに立つまで、僕らには分からないんです」と言っていたヨンファの言葉が浮かぶ。
ヨンファも、ユンギさんも、歌手だ。
顔を合わせて、今の感情を伝え合うこと。その空間に、ステージに立つことに こだわるひと。そこを守り続けるためには、必ず必要になってくるものがある。
2年前の2022年に開催された CNBLUE5年ぶりの日本ツアーで、メンバーは「5年間帰る場所を守ってくれた」と感謝の気持ちを伝えてくれた。だけどとても大切なのは、そこは私たちファンにとってもまた、帰る場所なのだということ。だからこちらからも必ず言わせてほしいのだ。「5年間帰る場所を守ってくれてありがとう」と。
彼らの夢は私たちの夢だ。ドームで音を鳴らすCNBLUEに、私は絶対に、絶対に会いたい。
そう、ヨンファに伝えておかきゃならないめちゃくちゃ大切なことがあった。
エンディング時、ユンギさんはCNBLUEのライブへの招待を希望していた。仮にこれが実現しなかった場合、たとえそこにどんな事情があろうとも かなりめんどくせぇことになることを是非知っておいていただきたい。彼はド粘着質です。
*参照