起業ってどうなの?
私が上場企業を辞めて個人事業主として独立したのは44歳の時です。在職中に取っていたキャリアコンサルタントの資格が国家資格になるということがあり、仕事の中で長年、採用と社員教育をしていたのでこの分野で独立しようと思っていました。在職中から会社の許可を得て文部科学省委託事業の委員も引き受けており、独立後も当初は失業者の就職支援や大学のキャリア教育講師が主な収入源でした。
そして、時流もちょうど合っていました。2006年に大きく改正された会社法で、資本金の最低額のルールがなくなり、法律上は1円で会社をつくれることになっていたのです。また、アメリカやイギリスで活用されていた新しい組織形態が導入されるという大きな変化でした。東日本大震災の影響もあって延びましたが、結果的に2013年に新しい自由度の高い合同会社(LLC)という形態で法人化することになりました。
そこから更に18年、会社法は何度も改正を繰り返され、今では起業しやすい環境はかつてないほど整っています。商品・サービスさえ決まっていれば、ローコスト、低リスクで起業することは決して難しくないと思います。
規模の小さいうちは無料で使える会計ソフトもあり、無料でかなりのところまで顧客管理もできるツールもあり、マーケティングも調査も公開されているものでかなりできます。極端な言い方をすれば、15年前には数百万円払わないとできなかったことが今は無料でできるのです。個人的には、脱サラして起業するには最適な時代ではないかと思います。
「商品・サービスを作ることが難しい」と言う方もいらっしゃいます。でも実はそんなこともありません。自分の専門分野や企業内でやっていることをより深く追求すると、売れるサービスになることがあります。何でも構いません。例えば電話応対でもクレーム処理でも、突き詰めればその道のプロがいます。自分が深くやってきたことの中に他人が真似のできないサービス、商品になることはいくらでもあるのです。ただ会社の中でやっているから気づかないだけかもしれないのです。そう考えてみると、もしかしたら今やっている目の前の仕事の見え方も変わるかもしれませんね。
世の中にないものを作ろうとすると難しく感じますが、すでに世の中にあるものを、自分の経験をもとにもっと便利にしたり安くしたり品質を上げたりすることを考えればいいのです。ここでは詳しく書けませんが、私がやっているサービスの中にも「え?こんなことで?」というものがありますし、世の中にも事例はたくさんあると思います。
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