「#33-機材、何使ってる？(Gt.島本)]

ギターの島本です。

機材紹介、または道具というテーマで文章を書いてください、とのことなので書いてみます。

ちょうど1年ほど前、昼下がりの井の頭線、吉祥寺から渋谷へと向かう電車の中。
私の向かいに「本当に普通」の男性が座りました。
特に印象に残る身なりではなかったので、彼の姿を思い出すことはできないのですが、
彼の手元に反射する「ステンドグラス柄のスマホケース」に釘付けになったことをふと思い出しました。

なぜ私は、それに釘付けになったのか。
特別「クールだ」と思ったわけでも、「悪趣味だ」と思ったわけでもない。彼がそれを持つ「強烈な理由」があるのかもしれないし、同時に不在なのかもしれないと感じ、それを「なんか良いな」と感じたからに違いありません。
誰かからの贈り物なのか、あるいは自分で買ったお土産なのか。理由は知ったこっちゃあないのですが、比較的地味な彼の手元でキラキラと光るそのスマホケースは、どこか「なんとなくある」というちぐはぐさを漂わすと同時に、「その場にあるべくしてある」といった明朗さも備えているように感じたのです。

そのアンバランスに名前を付けるとしたら、それが「愛着」なのかもしれません。