コミュニティホスピタル進化の取り組み 水海道さくら病院の記録①(2024年4月~)
2022年4月に同善病院から始まった「コミュニティホスピタル構想」。2024年4月からは茨城県常総市の水海道さくら病院の医師体制を強化してコミュニティホスピタル化を一段進化させる取り組みが始まっています。その取り組みの記録を数回にわたってご紹介していきます。
こんにちは。水海道さくら病院、経営企画室の髙橋です。
当院は以前よりコミュニティホスピタルとしての様々な活動をしてきました。そして2024年4月より、新たなに総合診療医3名が加わり、更にその動きを加速させようとしています。
今回はこのタイミングで改めて、水海道さくら病院が目指すコミュニティホスピタル像とはなんなのか、3つのテーマに沿ってお伝えしたいと思います。
1.地域包括ケアシステムの拠点に
2.当院ならではの強みを磨く
3.地域を支え、地域から支えられる病院に
1.地域包括ケアシステムの拠点に
水海道さくら病院が所在する、茨城県常総市には4つの中小病院があり、それぞれが緩やかに機能分化をしています。当院は地域唯一の地域包括ケア病床をもち、機能強化型の在宅療養支援病院でもあります。
茨城県常総市の地域医療の状況(地域医療情報システム/JMAP 日本医師会提供)
そのようなポジションに唯一いる当院だからこそ、地域包括ケアシステムの拠点を担えるのでは、むしろ担うべきだと考えています。コロナ禍以前より行っておりましたが、近隣の医療機関、介護事業所を巻き込みながらの多職種意見交換会の実施や、行政との定期的な意見交換、地域住民向けのセミナーを行うなど、地域包括ケアの拠点を意識した活動を以前にも増して精力的に行っております。
またかかりつけ医機能としての外来や、在宅医療、高齢者を中心とした二次救急なども受け入れ幅を増やすべく、新体制になってからはより意識を高めています。
2024年度の診療報酬・介護報酬改定においても医療・介護の連携、高齢者救急の対応強化、など国が指し示している方向性があります。当院はしっかりとその方向性を踏まえつつ、そして地域の特性を把握しながら地域包括ケアの拠点となるべく今後も活動を進めていきたいと思います。
2.当院ならではの強みを磨く
在宅医療に加えて、当院の強みの一つに透析医療があります。当院は2000年より透析センターを開設し、今では保存期から透析導入、維持透析(外来・入院)、お看取りまで、一気通貫の透析医療を提供しています。約2年前には、感染対策と規模拡大のため、完全に隔離した陰圧の透析個室を始めとして、透析ベッド7床をサテライトとして増床しました。常総市内においても最大の透析ベッド数であり、近隣のつくば市や守谷市、坂東市からの紹介も増えています。
このように、当院が元々強みとしている透析医療に関しても、今後さらに地域を支えることのできる質の高い医療を提供していきたいと考えています。単に透析を行うだけではなく、腎臓病療養指導士の管理栄養士による栄養指導や、セラピストによるリハビリ(透析中の運動指導や、疾患別リハビリ)、また出来る限りご自宅から通えるように、無料の送迎車の範囲もどんどん拡大しております。
そして、在宅医療と透析医療以外の強み作りにも取り組んでいます。まだ発展途上段階ではありますが、リハビリ部門を拡大し(STは現在4名まで増加)、病棟には歯科衛生士を配置し、リハビリ・栄養・口腔を強みに出せるよう取り組みを始めております。
3.地域を支え、地域から支えられる
時々、究極的なコミュニティホスピタルとはなんだろうと考えています。それぞれの地域や病院の規模、特性により少しずつきっと特色があり、違いがあるものだと考えています。
それを踏まえたうえで、当院が最終的に目指すコミュニティホスピタル像があるとすると、地域を支えるのはもちろんのこと、「地域から支えられる病院」になりたいと思っています。
地域の人達それぞれが、当院のことを自分達の病院、自分達の地域になくてはならない病院と思ってくれるようになったとしたら。きっと様々な関わり方はあるでしょうが、共に支えあえる関係性になれるのではないか、そうなれば、本当の意味でコミュニティに完全に溶け込んだ、ホスピタルと言えるのではないか、と考えています。
当院は、2015年に鬼怒川決壊により大きな水害を経験しました。その時にたくさんの人から、励ましのお言葉や、寄付など多大なご支援を頂きました。未曾有の災害にあった当院だからこそ、地域の支えを本当に痛感しています。
そのような原体験を持つ当院だからこそ、地域を支え、そして地域から支えられる病院(コミュニティホスピタル)を目指してまいります。
次回以降では、新体制になった4月から新たに取り組み始めた具体的な内容をご紹介いたします。
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