マガジンのカバー画像

メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略(定期購読版)

ウクライナ戦争の行方やロシアの軍事力について、毎週月曜日に配信します。単独の記事のみ購読したい方はこちらをどうぞ(https://note.com/cccp1917/m/m59a…
毎号買うのめんどいという声が割とあったので定額版を作ってみました。
¥1,000 / 月
運営しているクリエイター

2023年11月の記事一覧

第245号(2023年11月27日) 海軍の指揮系統大改編とワグネル後継組織?

【今週のニュース】ワグネル後継組織?国防省アフリカ軍団の設立 ほかロシア 装甲車工場の従業員が3000人増  BMP-3などの歩兵戦闘車を生産しているクルガンマシュザヴォードの従業員が年初以来、3000人増加していることを同社の広報部門が明らかにした。このうち2000人が生産部門(要するに工員)であり、その中の505人は2023年度の国家防衛発注(GOZ)の増加に対応したものであるとしている。  ロシアのGOZ増額については【レビュー】のコーナーを参照されたい。 防御力

第244号(2023年11月20日)ウクライナのNATO加盟をめぐる議論

【今週のニュース】依然見えないノルドストリーム爆破事件の真犯人 ほか885型SSNの建造数増加(と新たな改良型の登場?)  ロシア海軍は885型(ヤーセン級)攻撃型原潜を新たに3隻起工して最終的に12隻を調達し、北方艦隊と太平洋艦隊にそれぞれ6隻ずつ配備する計画である。11月19日、TASS通信が海軍に近い筋の談話として伝えた。  現在までにロシア海軍は885型を1隻と改良型の885M型を2隻配備している。現時点ではさらに6隻が建造中ないし就役に向けた公試中であるから、合

¥300

第243号(2023年11月13日) ウクライナ人と戦わされるウクライナ人たち

【今週のニュース】ウクライナの国防費がついにGDPの15%に ほかウクライナの穀物輸出に回復の兆し  今年7月にいわゆる「穀物合意」からロシアが離脱したことで、ウクライナの穀物輸出は滞っていた。これに対してウクライナはロシアとの合意によらない形で独自の穀物輸出ルートを模索し、まずドナウ川経由での輸出が行われるようになった。ドナウ川から小型船で第三国へ穀物を運び込み、そこから改めて大型貨物線に積み替えて国際市場に出すという方式であるが、これはいかにも効率が悪い。  それで

¥300

第242号(2023年11月6日) 動揺するウクライナの戦争指導

【今週のニュース】米国のウクライナ支援資金、ついに尽きるCTBTの批准停止が確定  11月2日、プーチン大統領は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准停止に関する法律に署名した。先月から予告されていた措置がついに実行に移されたことになる。ただ、ロシア側は、批准停止後もCTBTの定める義務には従うと表明しており(米国と同じ形)、これが直ちに核実験の再開になるということは現時点ではなさそうである。 ウクライナ支援基金による最後の軍事援助 11月3日、米国防総省はウクライ

¥300