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メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略

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2024年4月の記事一覧

第263号(2024年4月22日) 米ウクライナ支援予算が復活へ

【インサイト】米国の対ウクライナ支援予算がついに通過ジョンソン下院議長の変心  広く報じられている通り、長らく懸案となっていた米国の対ウクライナ支援予算案が4月20日に下院を通過しました。上院での承認とバイデン大統領の署名を経て月内には発効する見込みとされます。  ウクライナ支援をめぐっては下院の共和党強硬派の反対によって長らく予算承認が滞ってきました。その間の経緯は時事通信の以下の記事が簡潔にまとめていますが、共和党強硬派を恐れるジョンソン下院議長が予算案の審議自体を先

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第262号(2024年4月15日) ウクライナ動員法改正、「核兵器禁止条約の登り方」ほか

【今週のニュース】ウクライナで改正動員法がついに可決 ほかロシア軍需産業に対する中国の支援 『フィナンシャル・タイムズ』によると、中国はロシアの戦争遂行能力を強化するための支援を強化している。同紙に対して米政府高官が語ったもので、主に巡航ミサイルやドローンのエンジン、弾道ミサイル用工作機械、半導体(戦車・ミサイル・航空機用半導体の輸入分中約9割)などが含まれるという。また、中露によるドローンの共同生産、中国からロシアへの衛星画像の提供も行われている。  その背景には、ロシ

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第261号(2024年4月8日) ロシア軍需産業のボトルネックは?

【今週のニュース】NATOが「トランプ対策」の1000億ドル基金を検討中 ほかヤルスICBMによるパトロールを実施  4月1日、国営通信社「RIAノーヴォスチ」は、ロシア戦略ロケット部隊(RVSN)のヤルス道路移動型ICBMがアルタイ共和国でパトロールを開始したことを報じた。パトロールを実施したのは「バルナウルのロケット兵団」とされているので、第39ロケット師団のいずれかのロケット連隊による核抑止任務であろう。 「RIAノーヴォスチ」によると、パトロール距離は最大100k

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第260号(2024年4月1日) 正確に、大威力になるロシアの空爆

  【今週のニュース】正確に、大威力になるロシアの空爆 ほかロシア軍春の徴兵と兵力増強の今後  3月31日、プーチン大統領は、春の徴兵を命じる大統領令に署名した。4月1日から6月15日までの間に合計15万人を軍に召集するよう命じるもの。  なお、2020年代に入って以降のロシアの徴兵数は以下の通りである。  ここから明らかなように、2022年まではロシアの徴兵者数は漸減傾向を辿っていた。ピーク時には年間50万人くらい徴兵していたので、半分ほどまで減っていたことになる。