企画者をサポートする道
自発的に物作りに精を出す木工所員はそこそこ存在します。ただ、マーケットを見据えて行動に移す人が希少なだけ。だから、木工所の売上に何かしら寄与してほしいと考えるならば、彼らの物作りを良い方向へ支援するのが一つの解決策だと考えて今年は実行しようと思っています。
さて、ここで絶対に必要なのは、彼らが企画のリーダーとなって動くだけの意欲を維持し続けられる支援です。業務外で商品開発する上で第一の要になるのは、リーダーの情熱であり、その人の負担が最も大きくなります。この場合でいうと、何度も繰り返す製作作業に加え、ブレイクスルーを要する壁が現れた時の提案や実行の最大手がリーダーとなるからです。
では、どのような支援が効果的なのか。この手法には製品デザインの経験が活きてきます。特にデザインのマネジメント(大学院で学べます)を担う製品企画マネージャーの役割を応用するのが適切ではないでしょうか。例えば、起承転結の立案です。最初はデザインスケッチに始まり、調査を経て試作を行い、フィードバックと再試作を通じて完成形に至り、原価管理と生産技術を押さえて上市へと導く。そもそもデザインスケッチもしない人が大半なので、作り始める前に絵で描いてくださいよ!と思うことがしょっちゅうです。それから、手描きの簡略図じゃなくてデジタル製の図面のほうが作り手の気分がアガります。
初期段階でできることはデザインスケッチ・設計と製図・市場調査ですね。この第一支援だけでも走り出しがぐっと円滑になり、企画の成功率も上がるでしょう。部門単位で行う製品企画だと当然のプロセスですが、個人の業務外活動に任せたいなら、ここを正しく支援すべきでしょう。