46. コーチングの基本
コーチングの理論などについて学ぶことは、私にとって非常に新鮮であり新たな発見が多くあったので、何回かに分けてコーチングに関して学んだことをシェアさせて頂きます。
というのも、キャリコン養成講座では、各種キャリア理論やカウンセリング技法については時間をかけて学びますが、コーチング理論的な視点に触れる
機会があまりなかったからかもしれません(個人的な感想です)。
〇何をコーチングするのか
まず、コーチングではどんなことを支援するのか?という点についておさえておきます。研究者によってその分類は異なりますが、大きく分けると、前記事でも言及したスキルやパフォーマンスの向上を目的とするコーチングに加えて、より包括的に個人の成長を助けるコーチングの3種類があります。
・skill(スキル):コンピテンシーの開発に焦点を当てたもの
・performance(パフォーマンス):個人の職業的役割における能力の開発(スキル開発よりも広範です)
・development(成長):包括的な個人の行動変容、キャリア発達を促す
skill coachingの例としては、プレゼン力向上、英語力向上などを目的として行うコーチングがあります。一方、performance coachingの例としては、企業の経営者層向けコーチングであるexecutive coachingなどが挙げられるでしょう。これらは、コーチングの成果と組織の利益の関連性も重視されます。
developmental coachingは行動変容を支援するプロセスのため、skill/performance coachingが数か月、半年単位で行われることが多いのに対して、より長期間の支援となる傾向にあります。
〇コーチングのフレームワーク
ここでは、コーチングのごく基本的な6ステップのフレームワークをご紹介します。
①クライアントの求める成果を明確にする
②具体的な目標設定をする(目標設定についてはSMARTモデルなど、複数の理論があります)
③クライアントの強み発見、自己効力感の向上を通じてモチベーションを高める
④活用できる資源・支援を確認し、行動計画を立てる
⑤目標達成に対するクライアントの進捗をモニターし、評価する
⑥必要に応じて行動計画を見直す
もちろん、必ずしも①から始まるケースばかりではないと思いますので、状況に応じてどのステップから取り組むかは柔軟に考える必要があります。
コーチングの実践モデルはたくさんあるので、また次の記事でまとめてみたいと思います!
参考文献:
Bachkirova, T. (2013) ‘Developmental coaching: Developing the Self’ in J. Passmore (ed.) The
Psychology of Coaching and Mentoring. Chichester: Willey-Blackwell.
Grant, A. M. (2013) ‘The Efficacy of Coaching’, in J. Passmore (ed.) The Psychology of Coaching
and Mentoring. Chichester: Willey-Blackwell.