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心亡 (先生の多忙感)

忙しい、忙しい。

と言っていると、

「忙しいとは心を亡くす、と書く。
  そんな仕事の仕方はダメだ」

と大先輩に叱られました。


夏休みが終わって以降、

定期試験の作成、
進学講習、
部活指導、
秋の大会準備、
前期の通知表を作ったり、
学級通信を作ったり・・・

と、九月もずっと忙しかった。


大先輩が言いたかったことは、
忙しくて、
余裕がない。

特に、
生徒に対して、
きちんと向き合ってないんじゃないか、

ということだと思いました。


忙しいというのは、
生徒と関わらない仕事の山
に埋没していることが多くなること。

確かに、
生徒に向かう時間が減っていました。


最近の生徒は、みんな優しくて、
先生の忙しさに気遣って、
自分で悩みを解決しようとします。


忙しい先生ほど、
生徒の自主性に甘えてしまいます。

本当は
「助けてほしい」
という生徒の声を
聞かないようになってしまいます。


それに先生の中には、

「生徒の自主性を育てるために、
 悩みの解決も、生徒に任せるべきだ。」

という人もいます。(ごく一部です)


だから忙しさは、
生徒と向き合わない仕事、
に先生を向かわせます。


「助けてほしい・・・」

生徒の心の声を、感じることに
鈍くなってしまった、
と反省しました。


大先輩が私を叱ってくれたことは、
とてもありがたいことだと、思いました。

            5年前の手記より

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