四年と半年が経った。

俺が小説を書き始めて、四年と半年が経った。最初に書き始めたのは2019年の暮れ頃だったから、ちょうどそれくらいだ。
木花を見ていた。そしてそれが落ちる様を見て、どうも人生に似ていると思った。俺たち人間は、例外なく、歳をとる。一日一日は短い時間であるように感じても、間違いも故もなくただ時間は移ろっていく。どれだけ無限に感じるような時間でも、それは陽が落ちて沈んでいくのと同様、少しずつ欠けていっているものなのです。ただ、我々はその緩やかすぎる速度を認知することができない。だから、樹木に咲いた白色の花が突然地面にぽとりと落つるが如く人生を終えている。あんまりあっけないそれは、信じられないけれど、紛れもない自分自身だ。それくらいで、ちょうどいいのかもしれない。
四年と半年といえば、合わせて九年。九年といえば、子供が子供でなくなり始める境まで成長する。
牛歩とはいえ、俺は毎日歩みを進めているつもりだ。少しずつ、ものを書いて、自分の書きたいものを書きたいという希求へ手を伸ばしている。人生は何も為さないにはあまりに長いが、やろうと思うと短いよ、なんて誰かが言っているけれどその通りだと思う。俺は生き急いでいるのかもしれない。俺はもっと、本を読まなければならない。本当は仕事なんてしている場合じゃない。縁在って話を聞いた町田康も、もっと本を読まなければならないと言っていた。名作と呼ばれるような、素晴らしい作品を読め、自分が心の底から求めるものが書いてあるものを読め、とそう言っていた気がする。去り行く会場の隅で、勇気を出して後ろ姿に声を掛け、ファンです、と短い言葉を伝えて握手してもらったことを忘れないようにしている。俺の書いているものとなりたい未来と世俗とがはっきり円になって繋がったような錯覚を起こした。
いつもの如く酒に呑まれたので少し文章が書きたくなった。あまり酔っていないけれど。マイクロソフトIMEってゴミだな。
では、ノシ。

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