面白えことなんて、特に、ねえけれど

なんとなく少し文章が書きたくなった。ある程度の量の酒を一気飲みして、苦しくなっている最中だけれどそれ位が一番文章を書くうえで心地よい状態かもしれないので、書く。
特段、書きたいこともないのだけれど、ただ思うままに近況報告や思ったことをつらつら書いていくことにする。
メダカの高級品化について。この間、メダカを育てる偉い人と話す機会があった。一匹百万もするメダカをツガイで買って育てて子供を売っぱらっているという悪徳メダカ商人との一幕である。最近、メダカドリームを叶えて大金を手にしようと目論む若人が増えているらしい。書くいう俺も、別にそんな大層な野望を持っているわけじゃなかったけれど、どうしてそういう仕組みが生まれているのかは気になる。それでその偉い人に両の手がこすれて無くなっちゃうまで胡麻を擦りながら訊いてみたのだけれど、曰く、観賞用、とは口先だけで育てて売っぱらっちゃおうって人々が多いらしいのですよ。一匹百万するメダカの子供を五十万で売って、それを買い取った人間はまたそれを育てて二十五万で売る。そしてその子を……とメダカ豪商は人の心のない半永久的なブローカーをするわけですが、じゃあその行きつく先は? この世のメダカを全て集め尽くそうとする奇人がどこか暗いところに棲息しているのでしょうか? もしくは、何万、何万、何万、何千円、とメダカの価格が落ちていき落ちきったところを最初にメダカを売った商人が買い取ってやるのでしょうか? そうすると損をする人物は? 分からん。全員得をしている気がするのでメダカ商業は資本主義に反している。メダカインフレーション待ったなし。酒に頭をやられているので、どこが間違っているのか分からない。全て正しいように思えるのだけれど如何かしら。
最近初めての試みに挑戦している。挑戦を止めない限り、人は成長し続けるからです。実はこのアカウントとは別にお飾りのペンネームだけをひっさげた別のTwitterアカウントがあるのですが、そこで懇意にしていた(ただ時たまいいねを送り合っていただけ)人間が投稿サイトから書籍化されていた。それに感化されたわけでもない。ただタイミングが合ったから始めただけのことではあるのだが、ライトノベルを書いてみることにした。一般文芸だってまともに書けやしないのだから、何か諺になりそうなことをしている。人生は潮干狩りじゃないんだぞ、みたいな。浅瀬でチャプチャプしていないでもっと自分のやるべきことを自分で深めていくべきなのだと思うけれど、書きたくなったのだから仕方がない。それが同じ穴に繋がっている可能性だって十分にある。
ライトノベルの構想を練り始めたのはいいものの、俺はライトノベルというものに全然触れてきていない。読んだことがあるものは『人類は衰退しました』位。記憶に残っていないけれどノゲラを中学生の頃に読んだことがあるかもしれない。それ位だ。『氷菓』も読んだことがあり、友人にそれはライトノベルだな、と言われて一応指を折る。米澤穂信もライトノベル作家志望だったという話をどこかで聞いたようなことがあるような気がしないでもない。
俺はライトノベルやその原案となったアニメに心が動かされたことがない。あるのが先に述べた『人類は衰退しました』と『氷菓』。俺が書こうとすると、そのどちらかにとてもよく寄ってしまう。当たり前です。だから、俺はライトノベルを書こうとするけれど、ライトノベルを書かないことにした。よく分らないけど、そうやって書いていこうと思う。
酔っぱらっているのでもっと阿呆な文章を書き散らかしたいと思っていたのだけれど、文章を書くとどうしても気持ちがそっちに引っ張られて肩ひじが張り、素面の方へ寄ってしまう。難しいものです。ただ、この酔っぱらっているけれど身体の芯で文章を打っている感覚も嫌いではない。そうすべきことを、そうしている感覚がある。
ここまでは余談だし、ここからも余談だ。斜めに読み飛ばしてほしい。
先日、友人と会った。普段から通話ばかりしている友人たちだから、別に積もった話なんてものもない。ただ、全員が創作をしている人間なので、会話がどうしてもそちらの方角に靡いていく。お互いがお互いを尊敬していて、それぞれが自分なりの悩みを持っている。他者を褒め、自分が一番ゴミカスだと悲観的になる。そんな無意味な百曼荼羅問答を何度も何度も繰り返す。畢竟、俺は恵まれた環境にいるのだと思った。周りの奴らがそれぞれに自分の創作に向き合い、全力を注いでいる。形になっている結果は違えど、飽くなき向上心を心血いっぱい身を焦がすオイルに変えている。こんな環境に身を置けて良かった、と心の底から思った。己で培ったものや才能なんてものはまるでないけれど、友人だけには、恵まれている。掛け値なしに、そう言えます。ずっと昔から追いかけている、背を見せられ続けている友人に俺はフィストバンプをして、書籍化した暁にはその装丁をデザインしてくれ、と宴席でしか言えないような小っ恥ずかしい切れ目のない約束を交わした。そして固い握手を結ぶ。俺は生涯、その力強い温もりを忘れない。
感傷的になっちまいました。酒が丁度よい塩梅なので、この辺りが潮時になります。文章を書くのは楽しい。酒を飲みながらだと尚。
では、ノシ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?