夜道20240920

クワガタムシの匂いがした。
この季節の夜は、クワガタムシの匂いがする。どうでもいいけど、カブトムシ、は言うけどクワガタムシ、とはあまり言わないような気がする。カブト虫、は普通だけど、クワガタ虫、ってかくとクワガタチュウって読みたくなるような気がする。そんなことはどうだっていい。
日中はまだまだ残暑が続くけれど、夜はもう大分冷える。肌寒い、涼しい、って概念が無くなっているくらいには寒い。これだけ夜が冷たくなると、カブトムシもクワガタムシも生きていけない。
選考のことについて考えていた。閃光のことについて考えるのは考えがカブトムシに引っ張られ過ぎだ。俺に走行性はない。
ちょうどこれ位の時期に、毎年賞を送っていた小説の選考結果が来る。もし、選考に通っていたのなら、電話が来る。ポケットの中で震えるスマホは心の臓まで震わせる。まさか、まさか、な、という滑稽な照れ隠しのような心持ちの中スマホの画面を開くと0120から始まる番号。馬鹿馬鹿しい。反吐が出る。辛いです。
ふと、ヤクルト1000を買った。俺は安眠に憧れているので。やれストレス緩和にいいだとか、やれ入眠作用が高いだとか、やれ全ては嘘だとか。プラシーボ効果ですよ、って言われたところで効いた気がしているのだから仕様がない。たとえそれがプラシーボ効果であれ安眠できている事実があるのなら俺は満足で、プラシーボに騙される馬鹿な身体で本当に良かったと思う。安上がりな身体だ。プラシーボ万歳。みな、世界は平和だと思い込み、全ては赦されると思い上がりながら天寿を全うしよう。幸せだと思っていればこそ、幸せなのだ。宗教もプラシーボ効果みたいなもんなのかもしれんね。
おっと、視界がぼやけてきた。これがヤクルト1000の効能か。それじゃ、俺は存分に眠ります。おやすみなさい。
では、ノシ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?